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BDFをつくる・楽しむ・広げる 高校生プロジェクト /NPO法人 菜の花プロジェクトネットワーク

事業の概要

八幡工業高校では、10年前から近江八幡市内の家庭から出る廃食油のリサイクルとして、バイオディーゼル燃料(BDF)の製造、普及活動として小学校や地域での出前講座に取り組んでいます。そしてこの取り組みをサポートしているのがNPO法人菜の花プロジェクトネットワークです。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真

 菜の花プロジェクトネットワーク「BDFをつくる・楽しむ・広げる 高校生プロジェクト」とはどんな取り組みでしょうか。
 滋賀県立八幡工業高校では10年前から市内の家庭から出る廃食油を集めてバイオディーゼル燃料(BDF)を製造し、啓蒙活動を出前講座という形で行ってきました。八幡工業高校環境科学科の生徒が、出前講座の指導者として活躍することにより生徒自身の知識や技能が向上し、また地域への広がりにもつながっていくとのことです。菜の花プロジェクトネットワークのサポートは、BDF製造、出前講座だけではなく、BDFで発電機を動かしたイルミネーションや漁船での試用テストなど、今回さらなる展開を視野に入れているとのことです。

今回は八幡協業高校環境科学科1年生と2年生が対象で、授業の一環として取り組まれているものです。1月27日、この日は、廃油のみで地球一周を完走された山田周生さんを講師としてお迎えした講演会でした。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
山田周生さんは、自然と共に生きる、気持ちのいい未来のライフスタイルを追求するフォトジャーナリストです。「VASCO5(バスコファイブ)号」には、水を使わないオリジナル超小型BDF精製機が搭載されています。この車で世界各地の人々との交流・協力により廃油を集め、ガソリンスタンドに頼らず、手づくりのBDFを移動先で作っては給油を繰り返し走行、2007年~200年に350日かけて地球一周を達成したとのことです。帰ってからすぐ、2009年に日本一周をスタート。そのさなか、岩手県内陸滞在中に東日本大震災に遭遇。ガソリンも電気もない中、廃油さえあれば燃料を自分で作ることができるバイオディーゼルカーVASCO5号の機動力が活かせると、支援活動を始められました。そして今後も支援を続けていくとのことです。
「自分には専門的知識も技術もない、だから多くの人の知恵や協力をもらいながらこれと思うことを信じてやってきた」という言葉に圧倒されました。高校生の心に、どう響いたでしょうか。

そしてお待ちかね、VASCO5号を見せていただきます。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真  
 SUVの後部に、水を使わないオリジナル超小型BDF精製機が搭載されています。こんな感じです。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
この車にはソーラーパネルも搭載されておりバッテリーが不足しても補えるシステムで、車中には小型のディーゼル発電機(2kw)があり、自身で精製したBDFで発電できるので、非常時やへき地でも電気が起こせるのだそうです。説明をしていただいていると、この仕組みそのものが一つの世界のように感じてしまいました。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
みんな、珍しそうに興味津々で中を覗いています。
 そして高校生だけではなく(高校生以上に!?)関心が高かったのは先生方です。「何か質問はありませんか」という山田さんの問いかけに、遠慮しながら何回も手を上げられたのは先生方でした。
 山田さんのご厚意で、高校生を助手席に乗せて走って見せていただけることになりました。「全員は無理ですが2~3人なら」ということで、希望者を募りました。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
 1人目は先生に背中を押されて「じゃあ・・・・」という感じでしたが、その後は「次はオレ!」「オレもオレも!」と声が出てきました。一度は乗ってみたいですよね。この写真では乗っている姿が写っていなくて残念!!

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
構内の短い距離でしたがスピードを出して走行してくださったようで、かなり迫力がありました。大きい車体とそこに搭載されている機器類を思うとかなりの重量のはずですが、軽々と走っているという印象でした。
VASCO5号を見た後、教室に戻りました。

菜の花プロジェクトネットワーク 活動写真
菜の花プロジェクトネットワーク代表の藤井絢子さんから、1年生、2年生が次に2年生、3年生となって取り組むことなどについて、激励を込めた説明がありました。プロジェクトとして10年続けられてきたことであっても、ひとりひとりの生徒にとっては初めてのことです。それをどう伝え、広げ、深めていくか。そこに先生だけではなく、菜の花プロジェクトネットワークのサポートがあれば、継続的にまた発展的に展開していくのだなあと感じました。そして、高校生に少しでも先端の動きに触れ、他人事ではなく自分たちのこととして捉えてほしいと思っておられることが伝わってきました。
高校生という若い世代に、何をどう伝えていくか。そしてそれをどう発展させてくれるか。環境という観点だけでなく、大きな希望や夢につなげてくれるといいなあと、その可能性が感じられた講演会でした。

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