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ぼてじゃこトラスト次世代人材育成事業 /ぼてじゃこトラスト

事業の概要

2016年1月に設立20周年(ぼてじゃこワンパク塾2015年4月に10周年)を迎え、末永く次世代に引き継ぐことのできるような人材育成に注力し、滋賀を代表し信頼できる環境団体としての地位確保のため組織の見直し強化、体制固めを行います。 具体的には、貴重種の繁殖保存のノウハウ伝承継続。タナゴの分布調査の過去データを検証し再調査、保存。記念事業として沖島キャンプと地曳き網体験、親子雑魚捕り体験教室、ぼてじゃこ池の生き物調査、講演会またはシンポジウム開催。ホームページの復活、情報誌の作成。親子会員のスキルアップ、核となる人材発掘をするとともに会員向け及び新会員向けの情報冊子の作成などの事業を実施する予定です。

ぼてじゃこトラスト活動画像

2015年8月23日、ぼてじゃこトラスト主催の「滋賀の川遊び、雑魚捕り文化を次世代につなげよう!!」に参加してきました。これは、ぼてじゃこトラスト20周年と、ぼてじゃこワンパク塾10周年の記念フォーラムです。

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会場は、琵琶湖から唯一流れ出す瀬田川をせき止めている、南郷洗堰のすぐそばです。

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この中に会場のウォーターステーション琵琶があります。ぼてじゃこトラストののぼりが勢いよくはためいていました。

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会場には会の名前の由来にもなっている「タナゴ(滋賀県ではぼてじゃこ)などの水槽も展示してありました。

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きれいな魚ですね。

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子どもたちが大好きなザリガニも!

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会場は大入り満員。ぼてじゃこトラスト会員とぼてじゃこワンパク塾会員を含め178名の参加があったそうです。
まずはぼてじゃこトラストの創立者であり、前会長で現在は顧問である竺文彦さんからのごあいさつ。
「私が育った浜大津では、大人も子どもも並んで魚を釣っていました。タナゴのことをボテと呼び、とてもよく釣れる魚でした。ところが今ではそんな風景は見られません。釣り人は皆ブラックバスをねらっています。
20年前、ぼてじゃこトラストを立ち上げる時、少しでも琵琶湖の水質のことを考えてもらいたいと、ぼてじゃこと名付けました」

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次に、滋賀県内3グループの活動発表です。
最初はぼてじゃこトラストの下部組織のような存在の、ぼてじゃこワンパク塾のリーダーである本田喜裕さんが、ぼてじゃこワンパク塾の紹介をされました。
この塾は、雑魚捕り、雑魚釣り、地曳き網などを親子で楽しみ、楽しく遊ぶ中でたくましい子どもが育ってほしい、とスタートしたそうです。

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続いてぼてじゃこワンパク塾の子どもたちの研究発表。

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カナヘビの観察。

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タナゴの生態について。

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イチモンジタナゴの繁殖を毎年行っている中で、なぜ今年は失敗したか、の原因の考察。
カワバタモロコは今年初チャレンジだったそう。
貴重種イチモンジタナゴの野性復帰に向けた活動は、2012年度の夏原グラントで助成されています。 ▼こちらからご覧になれます。

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次は草津市のアイキッズの活動発表です。中高生が発表しました。
アイキッズは①水・いきもの・食べ物ストーリー②びわ湖の恵みを知る③伝える・交流する。この3つをテーマに活動するグループです。

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料理をするときには、材料を捕るところから始める、ということでビワマスは沖島の漁師さんに漁に連れて行ってもらって自分たちの手でつかまえ、米も田んぼを訪れてから、米とビワマスを使ったアメノイオご飯を作って食べる、といった活動をしているそうです。

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3つめの発表は、大津市南郷の千丈川を中心に活動しているホタルの学校の子どもたち。
ホタルの学校は夏原グラント助成団体でもあります。活動のようすは▼こちらからご覧いただけます。

どのグループも、自分たち自身で発表を行い、子どもたちが活動を通して成長している印象を受けました。

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続いてびわこ成蹊スポーツ大学学長 嘉田由紀子さんの基調講演です。タイトルは「近い水、近い人、近い生き物こそ、子育て滋賀の宝!!」。
琵琶湖博物館準備から学芸員時代に集められた、滋賀県の昔の水辺の暮らし写真と同じ場所の現代の写真などを見ながらのお話しには、会場が引き込まれました。

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最後はパネルデスカッションです。コーディネーターは、ぼてじゃこトラストの副会長の武田繁さん。

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パネリストは嘉田由紀子さん、アイキッズの指導者 中村大輔さん、ホタルの学校の指導者 荒井紀子さん。

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そして、ぼてじゃこトラスト会長の秋山廣光さん、ぼてじゃこワンパク塾塾長の本田喜裕さんです。

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討論のテーマは6つあり、まず「発表者へのメッセージ・他府県出身者から滋賀へのメッセージ」から。パネリスト&コーディネーター全6人のうち、滋賀県出身者は2名でした。他府県出身の4名から滋賀県との関わりなどのお話がありました。

「生き物の命の教育、生き物を飼う、育てる」というテーマでは、ぼてじゃこトラストの秋山さんは「解剖の時、いやだという子どもがいます。『生き物を食べずに生きている人はいますか?』と問いかけます。魚もつかまえたらできるだけ食べよう、そして『いただきます』と言って食べよう、と言っています。その川で捕れた魚が食べられないような川にしてはいけない、危険で子どもが入れないような川ではいけない。子どもが入れるような安全な川にしたいです」とおっしゃっていました。

ぼてじゃこトラストの武田さんは「命をどう教えるか、難しい問題です。たとえば田んぼの用水路には豊かな水が流れていて命にあふれています。ところが9月になると一度水を枯らしてしまうため、たくさんの命が死んでしまいます。この死に対して鈍感になっていいのでしょうか?」と投げかけました。
パネラーの皆さんから「昔、用水路周辺はコンクリートでなく石垣だったから、水が涸れても完全にはなくならなかったんです」「さきほどの活動発表の中で、ぼてじゃこトラストのワンパク塾の子どもが飼っていたナマズが死ぬとき、悲しんでいました。これは素晴らしい体験です」というような意見が出ました。武田さんから「以前、誰かに言われたことがあるのですが、外来種のザリガニが『悪い事をしたから殺す』と教えると、子どもは『悪いことをする人間は殺していいんだ』と考えるようになるよ、というのです。気をつけなければいけないと思いました」というお話も出ました。
環境教育は命の尊さを体験から学びます。逆にそれを避けては通れないのですね。

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ディスカッションは最後に各パネリストから、ぼてじゃこトラストにエールを送って終了しました。

ぼてじゃこトラストだけでなく、どのグループの子どもたちみんな、活き活きと活動や研究・観察の結果について発表していたことがとても印象的でした。滋賀県の子どもたちが、小さい頃から水辺の生き物に親しみ、命について学ぶ場を持っているのだと思うと頼もしく思うと同時に、その場を提供する大人は常に悩みながら活動しておられる、ご苦労も感じました。
子どもたちが水辺に入って生き物を観察し夢中になって遊ぶ、そんな環境を守るのが大人の仕事であるはずですね。ぼてじゃこトラストの皆さん、これからも水辺の生き物と子ども達を出会う場を提供してください。

会場には、各グループの活動紹介のパネルや、子どもたちの研究の成果が展示してありましたので、そのほんの一部をご覧下さい。

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