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ウィングプラザ(長浜市・米原市)一般廃棄物最終処分場周辺の環境・動植物・文化財・里山(びわ湖の水源山林)の保全活動 /近江・里山の自然と文化財を学ぶ会

事業の概要

琵琶湖の貴重な水源地となる千石谷の自然と文化財を守るための普及啓発活動と同時に、完成した一般廃棄物最終処分場とのよりよい共生が可能であることを実践的に明示していきます。 具体的には、千石谷の1反の農地での米作り体験、大谷の山林約5反で山林の保全、動植物の生態と再生を学びます。また、遺跡を顕彰し過去の歴史を学びます。

近江・里山の自然と文化財を学ぶ会の活動写真

2016年11月23日、勤労感謝の日はよく晴れ渡りました。この日の朝、米原駅東口が集合場所でした。近江・里山の自然と文化財を学ぶ会が主催する「千石谷ウォーキングと中世の歴史・自然講演会」に参加する方が県内外から集まって来ました。

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あとで聞くと参加者は午前中40名、午後40名程度あったとのことです。

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代表の泉良之さんが、あいさつし今日のスケジュールなどを説明しているところです。

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泉さんが目標地点として指差したのは駅の真正面に見えている太尾山(ふとおやま)でした。この尾根には中世の山城があるので登って見学し、その後は山の向こう側に下ります。降りたところが千石谷(せんごくだに)で、米原市のゴミの最終処分場があります。そこを見てから一つ丘を越えると中山道の宿場町だった番場(ばんば)に到着します。午後からは番場の公民館で専門家の講演会です。

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駅のロータリーを越えて国道8号線を横切り、山のほうに向かって歩いていると、十字路がありました。この道は長浜へと通じる北国街道です。

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もう少し山のほうに歩くと、雰囲気のある校舎がありました。旧米原小学校だそうです。参加者の中には、まさにこの校舎で学んだという方もいらっしゃって、しきりに懐かしがっておられました。

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続いて湯谷神社へ。

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毎年10月には曳き山まつりが行われるため、神社の側には曳き山の車庫もありました。

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琵琶湖を模した池。歴史の深さを感じさせてくれます。

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湯谷神社の裏山の道を少し歩いたところで、のちほど公民館で講演を行う、山城専門家であり元名古屋女子大学教授の丸山竜平さんが説明をされました。

この地形は写真右手に岩がそびえ、左手には水路のような谷が道沿いに走っています。まさにここに門を築くと、敵は頂上の山城に行く道をはばまれるというわけです。今や門の形跡はありませんが、よく見ると左手の斜面には人工的に積まれたであろう石垣が続いていました。山城は既にこんなふもとから始まっているのを知りました。

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坂道を登っていくと頂上か尾根が見えてきました。登山道が整備されていて比較的上りやすいと感じました。ふと振り返ってみると……。

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さっき出発した米原駅、その向こうには青い琵琶湖、対岸の手前に竹生島まで見えています。冷たい風が心地よく、すばらしいながめにしばらく立ち止まりました。

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尾根に到着しました。ここは太尾山城の堀切です。尾根を鋭くV字に切りとってありました。右に行けば南城、左に行けば北城です。太尾山城には二つの城跡があり、状況によって使い分けていたのではないか、とのことでした。

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ここは南城の南Ⅰ曲輪(くるわ)と呼ばれているところです。山の頂上なのに平らな場所が広がっていて、周囲には盛り上がり、土のうが積んであるかのようです。これは山の頂を切り崩し、私たちが登ってきた側の斜面に押し出すことでガケの角度を急にするとともに、削り残すことで土のうの役目も果たすように考えられているそうです。

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そんな山城のお話を聞いてから、今度は北城へと移動しました。この写真の奥に見えるこんもりしたところが北城です。

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北城も同じく頂上を切り取って平らにしてあります。

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曲輪の跡はこんなに平らな部分がありました。

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赤い実がたくさん落ちています。これはアズキナシという植物の実だと教えてもらいました。教えてもらって食べてみると酸っぱく、香りは青リンゴのような果実香がしました。

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アズキナシの木に、こんなにたくさんの実がなっていました。

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北城の曲輪からは、向かいの山がよく見渡せます。今日は「第15回琵琶湖一周のろし駅伝」の当日だったのです。しばらく待っていると、白い煙が上がりました。鎌刃城からののろしです。皆さんから歓声が起こりました。

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鎌刃城でも夏原グラント助成団体である、番場の歴史を知り明日を考える会の皆さんが里山保全活動を行っています。(活動レポートは▼こちらです)
 

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北城から下り始めたところで、不思議なものを持った方と出会いました(写真左の女性)。これから太尾山城で、のろしを上げるための道具だそうです。参加者の皆さんは、のろしの準備をされている方に「がんばってください!」と声を掛けつつ降りていきました。

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さっき通った堀切のところから米原駅と逆方向に下ります。広葉樹が落ち葉をはらはらと散らす中を歩いていきました。道ははっきりしていなかったのですが、途中から近江・里山の自然と文化財を学ぶ会の皆さんが整備した箇所がいくつもありました。大変な作業だったことでしょう。

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途中で見つけた炭焼き窯の跡です。ここでも炭焼きが行われていた証拠ですね。

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降りきったところの森に、近江・里山の自然と文化財を学ぶ会は自然の中のギャラリーを作ろう、と準備をしているそうです。地元のイラストレーター作家の作品が並べられていました。本当はこれを立てる予定だとか。

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滋賀県の山城のマップ。

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小鳥たちのために手作り巣箱も準備されています。

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自然の造形を活かした、とてもユニークで魅力的なデザインですね。

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これはヒラタケ?何かのキノコが栽培されていました。

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千石谷に出てきたところ、森のフチにはこんもりした土が続いていました。これは、昔の屋敷跡だそうです。

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谷の奥まったところにはゴミ処分場の建物がありました。

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そして「千石谷」の表示看板の除幕式がありました。
救護班として参加している長浜バイオ大学の学生の皆さんが序幕しました。
処分場ができる前、田んぼがあった頃に行われた生き物調査では、この谷には1600種類もの生き物が確認され、豊かな自然があることがわかっていました。近江・里山の自然と文化財を学ぶ会では、それを忘れず今の自然や文化財を大切にしていこう、と呼び掛けています。

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千石谷を横切り、番場宿まで歩きます。

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ゆるやかな丘陵を登っていくと紅葉が鮮やかでした。

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教えていただいたこの黄色い葉っぱはタカノツメといい、メイプルシロップのような甘い香りを漂わせていました。紅葉を鼻で楽しめるとは、初めての体験でした。

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植林の林を縫うように道が続いています。元は水田だったらしく、湿地が広がっていました。

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林から出ると、そこはもう中山道が通る番場宿でした。

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通りに面して「湖北エコミュージアムサテライト」という看板の下がる建物。とても風情があります。鎌刃城のマップも置いてあり、自由にもらえるようです。

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昼食と午後からの講演会場になっている西番場公民館に到着しました。

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千石谷から出土した瓦などの遺物が展示されていました。

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古くから人が住んでいたところだったのですね。

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鎌刃城からの里山再生事業のパネルも展示してありました。

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講演会の時間が始まりました。
まずは、近江・里山の自然と文化財を学ぶ会代表でもあり、日本自然保護協会自然観察指導員でもある、泉さんのお話から。手に持っているのは貴重な染め物だそうです。
「誰もゴミがどこでどうなっているかを知らない。だから森に人を連れてきて、見て考えてもらいたいのです」。千石谷の調査で、豊かな自然があったことなど、そしてこれからどうするのか、多くの人に考えてほしい、と訴えました。

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続いて、丸山さんによる「番場周辺の山城と居館(鎌刃城、地頭山城)」についての講義。太尾山城の発掘調査時にわかった曲輪の遺構の図面など、豊富な資料を見ながらなので、ずっと飽きることなく聞いていられました。

番場宿あたりは、滋賀県北部の有力者と中部の有力者との境にあるので、山城の支配者が変わることもあったようです。また、ウォーキングの時に説明していただいたように、普段は平地のお屋敷に住んでいて、有事に当たり登城する、ということや、山城はふもとから始まっているなど、今まで知らなかった中世の様子がわかりました。

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途中でふるまわれた、石垣団子。中世の山城は土塁しかない、というのが常識ですが、鎌刃城跡には立派な石垣が残っています。それにちなんで作られたお団子です。きなこと黒ごまの風味が両方味わえて楽しい!ごちそうさまでした。

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会場は講義を熱心に聴く人で満杯でした。
  
講義が終了し「もっとこの会の活動を知りたい」という方の申込みを受付けた後、解散となりました。

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バスで米原駅まで帰る人たちは、公民館から番場の中山道を歩いて町外れのバス停まで歩きました。途中、六波羅探題北方・北条仲時以下432人が自刃したという蓮華寺が、この奥の名神高速道路をくぐったところにあるそうです。また、境内には戯曲「瞼の母」の主人公・番場の忠太郎のお墓と地蔵もあるとのこと。架空の人物なのにお墓があることから、この劇がどれだけ人気だったのかがわかりますね。

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街道沿いの民家の庭先には、こんな石碑が建てられ、昔の街道のにぎやかな様子を想像することができます。

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「米原の汽船と汽車はこちら」と示す道標がありました。明治時代のものだろう、とのことでした。

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番場宿の石碑。古地図がわかるように表示されています。
ここからバスを待つ人と、歩いて米原駅を目指す人に分かれました。

お天気に恵まれ、秋の一日を楽しめました。また、これからの活動の広がりを感じさせてくれるイベントでもありました。近江・里山の自然と文化財を学ぶ会の皆さん、番場や米原市の自然や歴史、文化の豊かさをもっと多くの人に発信し、体験してもらう活動を続けてください。

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