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遊休農地活用地場産材による甘味防災保存食事業 /みんなの家EH

事業の概要

イザという時に食べる善哉(ぜんざい)、それが『イザゼン』です。耕作放棄寸前の田畑を、無農薬・化学肥料不使用の小豆栽培地として、(一般的に)アレルギーフリー食品である善哉を冷凍保存し流通させます。災害時には非常食として役立つので、ストックして被災地支援にも使います。 助成を受け生産を持続可能にして、滋賀県米原市発の防災非常食として全国へ発信していきたいです。

みんなの家EH 活動の画像

9月15日(土)の9時30分。指定された米原市上板並の上傳寺の境内に車を停めると、滋賀県立大学の鵜飼先生をはじめ、淡海環人地域再生学座のメンバーに遭遇しました。今日は、フィールドワークで訪れたとのこと。今回の取材は、県立大学のフィールドワークに同行させていただきながら、みんなの家EHの活動を取材しました。

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最初に、代表の伊賀並正信さんから、みんなの家EHの活動が紹介されました。みんなの家EHは、中山間地域である上板並地区の維持存続やコミュニティビジネスの実践で地域で住み続けられる社会環境の創出を目的に設立されました。

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パワーポイントを使っての説明です。

活動拠点は「みんなの家」。もともと地区の集会所であった建物を自分たちで改修し、防災拠点として活用しています。

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みんなの家の全景。

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消防団の拠点にもなっています。

地域の課題を小商いで解決していこうと、さまざまな活動をされています。集落の暮らしを守りながらも撤退戦だと考えているとのこと。子どもは13人で、高齢化率は40%を超えています。住民数は170人と10年前220人から確実に減少しています。空き家は20軒くらい残っているが、だいぶ除却したそうです。

消滅に向かっていると言われているが、何とか集落、家、田畑を守っていて、撤退戦の中にも希望を見つけて頑張っておられる様子がひしひしと伝わってきます。

活動は6年目になり、希望のあるところに人は集まるということから、高齢者に寄り添い、高齢者のマンパワーを活かせる舞台づくりをしているとのことです。

最近、力を入れているのが無農薬小豆を使ったレトルトの非常食ぜんざい「いざぜん」です。

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「いざぜん」のチラシとパッケージ。

休耕田を活用して、無農薬での栽培をしていますが、獣害対策を諦めたら、負けてしまいます。幸い、夏原グラントで獣害対策用の電柵を設置できたので安心しています。無農薬だと収量が減るのですが、そこはこだわりを持っているとのことです。

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電柵を設置した小豆栽培地。

「いざぜん」は原価率が高いのと、ロットを揃えることが難しいので、できれば、防災非常食として行政がまとめ買いしてくれることを期待されています。

あと、惣菜販売にも力を入れられています。買い物困難者のために、みんなの家では100円で無人で惣菜販売をされています。
イベントにも出店されているそうです。味噌カツ丼、ピザ、カレーは、いつも人気があって、よく売れるとのこと。この日の昼食は、カレー(サラダ、デザート付)で、1000円でとても美味しいお得な内容でした。

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伊賀並さんからカレーをドローンに見立てて盛り付けるお題が出され、何人かが挑戦。

カレーもそうですが、味噌カツ、鯖や山菜の煮付けなど、プロのレシピを導入して誰が作ってもよいようにしているとのこと。

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今日はピザなどの販売が行われます。

みんなの家を入ると、カップラーメンやお菓子などが無人販売されています。

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伊賀並さんは、みんなの家の活動以外にも、「木の駅いぶき実行委員会」の代表として、薪の販売を手がけられています。

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販売用の薪が積み上げられいます。

今年は、市との協働事業としてヒノキの生ごみ処理機の普及を進めているそうです。

また、ドローンをお持ちで、認知症の人の捜索、シカやイノシシの検知、倒木の調査などに利用したいとのことです。ドローンの練習場としての整備もされています。

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ドローン練習場。

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飛行中のドローン。

いろいろなことにチャレンジされている様子を見ることができました。伊賀並さんは、「できることで人や地域の役に立ちたい」とおっしゃっていました。そのためにも、継続的に回す仕組みを整備することが大切であるということを自覚されています。
みんなの家EHの活動がますます広がっていくことを期待しています。


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