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ドローン空撮による琵琶湖周辺環境のモニター研究 /認定特定非営利活動法人 eネットびわ湖高島

事業の概要

ドローンによる定期的な撮影により、琵琶湖の環境の季節的な変化や外来種の繁殖等が画像データとして得られ、解析することにより環境保全活動へ役立つものになるのではないか、と考えました。タイムリーかつ合理的なコストでそれが行えるかどうか、実証研究を行います。

eネットびわ湖高島の活動のようす画像

2018年6月7日、高島市新旭町の針江浜をフィールドにしている認定特定非営利活動法人 eネットびわ湖高島(以下、eネットびわ湖高島)の活動にお邪魔しました。
「ドローン空撮による琵琶湖周辺環境のモニター研究」という事業は、観察がしにくい琵琶湖の湖岸を上空からドローンを使って定期的に定点撮影し、データを集め公開することでより多くの人に琵琶湖の環境について関心を持ってもらおうというものです。

ドローンによる空撮でデータを集めて観察するというのは、滋賀県でも初めてのこと。ドローンの飛行には行政からの許可が必要となるため、まずは練習を重ねて大阪航空局から1年間の許可をもらい、滋賀県の琵琶湖環境部自然環境保全課に相談に行ったそうです。県でもドローンによる観察を行う計画があるのだとか。生物多様性戦略推進室の方と相談したところ、今回の事業では高島市新旭町の針江浜がよいだろう、というアドバイスを得て定点観測の地点が決まりました。ここは県がヨシのための造成工事を行っている場所だそうです。

今回、ドローンを飛ばすために晴れた日で、しかも強風が吹かない日に定点観測を実行されると聞き、予定日を複数決めて準備していました。予定の一日目は雨だったので中止、その翌日が予定していた二日目でしたが、信じられないくらいの晴天となりました。

駅から車で7、8分走ると針江浜に着きます。湖岸にはヨシ原が広がり、その中に重機が見えます。ヨシ原の中に繁茂した外来植物の除草作業を行っているのでしょうか。

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ここでは現在、ヨシ原の造成だけでなく外来生物法の特定外来生物に指定されているオオバナミズキンバイの茂みを重機で集めて除去する作業も行われているそうです。

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濁水対策なのか、湖岸にはオイルフェンスのようなものが張られ仕切られています。
沖には竹生島が見えました。

湖岸に設けられた駐車場に車を停めて、いよいよドローンを飛ばす準備に入ります。

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助成金で購入したバッテリーチャージャーには、夏原グラントのロゴマークが大きく貼ってありました。一度飛んだら、満タンに充電してあるバッテリーに替えるため、バッテリーをいくつか持ち歩かなければならないそうです。複数の地点で飛ばす場合には、車で移動中にこのバッテリーチャージャーで充電するとのこと。

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湖岸の歩道に出て、ドローンのプロペラを取り付けます。

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ドローンの下には可動式のカメラがぶら下がっていて、機体が揺れても画像がぶれないような仕組みになっています。

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こちらは操縦機と、操縦するためのアプリを掲載したiPadです。屋外では画面が見えづらいので黒いパネルで囲ってあります。

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準備が完了したら、仁賀さんが「これからおまじないをします!」とドローンを両手で持って、その場でぐるり、と何回か回転しました。この動作でドローン自身が方向や位置を正しく把握できるのだそうです。

また、飛行停止位置を決めてやると、例えば風に流されたとしてもドローンに内蔵されたGPSの助けを借りて自力で元の位置に戻ってくるということです。この位置でじっとホバリングしているドローンを、仁賀さんが手で引っ張ったところ「ウイーン!!」と怒ったように大きな音でプロペラを回して元の位置に戻っていました。
そういうところを見ていると、だんだんと小さな生き物が飛んでいるような感覚になってくるのが不思議ですね。

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デモ飛行を終え、バッテリーを満タンのものに入れ替えたら、いよいよ定点観測飛行に出発です。iPadのアプリをオートパイロット用のものにして、スタートボタンを押すとドローンが飛び立ちました。

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見る見るうちに上昇し、すぐに小さくなっていきました。ドローンの飛行高度は地上150メートル以下に決められているので、それ以上は上昇できません。セスナなどと棲み分けがされているのだそうです。今回のモニター研究では、地上100メートルから撮影しているそうです。

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ドローンから送られてくる画像は、手許のiPadでこのように見えていました。(画像は仁賀さん提供)
写真撮影するとiPadから「カシャッ」と撮影音が聞こえ、きちんと仕事をしていることが確認できます。

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こちらは、定点観測で飛ぶルートが直線で記されています。斜めの平行線の上から2番目の真ん中に白い◎がありますが、これがドローンの現在位置を示しています。(画像は仁賀さん提供)

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これは、撮影後に自宅のパソコンで仁賀さんが作成したものです。(画像は仁賀さん提供)
ドローンが上空から撮影した、小さな四角い写真を重ね合わせて広い区域をカバーしているのです。小さいといっても1枚の写真には横150メートル、縦100メートルの範囲が写っており、画像も8メガバイトあります。この中から1枚を選んで拡大画像も見られるようにするそうです。この作業はドローンでの撮影終了後、仁賀さんが事務所に帰ってパソコンで行うということです。結構手間がかかりそうですね。

ドローンは決められたルートを移動して停止しては撮影を繰り返し、予定終了とともにピーピー音を鳴らしながら出発地点へと帰ってきました。無事着地したドローンは、ちょっと健気に思えました。

飛び立ってから帰ってくるまで、およそ19分。仁賀さんは「このルートのプログラムを設定してやるまでが大変でしたが、一度飛んで行ったら、その間、私はすることがなくて待っているだけなんですよ。定点観測自体は、それほど面白いことではないです。」と笑っておっしゃっていました。

現在、定点観測を行っているのは針江浜の2カ所と、高島市の乙女ヶ池、大津市堅田の山の下湾です。頻度は月に2回程度。今後、データを集めて解析し、Web上で公開する予定だそうです。また、他にも琵琶湖北部・中部の内湖や池などでいくつかのポイントを決めて上空から撮影し、琵琶湖周辺の広い地域で外来植物の状態を把握してみたいともおっしゃっていました。

ドローンによる空撮画像のサイトが公開されたら、ここにリンクを張りますので、ぜひご覧下さい。

今回、実際に見せていただいて、岸辺からはヨシ原にさえぎられ、水辺がどういう植生になっているのかよく見えませんでした。そこをドローンが上空から撮影すると、植物や水面がどうなっているかハッキリと写っています。これからの季節、花が咲くとオオバナミズキンバイなどの外来植物の繁茂の範囲がより明確に把握できるのではないでしょうか。撮影も解析も始まったばかりなので、植物の状況を明らかに見られるようにする技術はこれから試行錯誤して高めていく、とのことです。とりあえず1年後が楽しみです。

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環境保全の視点でのドローン利用、今後さまざまな活動にも活かせる可能性があってわくわくします。eネットびわ湖高島の仁賀さん、成果に期待しています。

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