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地域の魅力を活かすための地道な環境保全 〜組織再編を経た「若草環境ボランティアグループ」のしなやかで持続可能な地域貢献活動

緑の手入れを通じての高齢者支援対策と空き家対策の事業として、夏原グラントは2018年度から2022年度まで、志津南環境美化ボランティアの会に助成をしてきた。この会からスピンオフした志津南『芝桜プロジェクト』にも、2020年度から2022年度まで助成を行ってきた。
両団体は、この4月に組織再編を行い、若草環境ボランティアグループとして活動している。メンバーは高齢化しながらも、しっかりと活動されている。こうした活動の持続性などを、ずっと団体を引っ張ってこられた舟木要一さんと芝桜プロジェクトの大橋稔さんに話を伺った。
(文責 阿部圭宏)


((左)舟木さん・(右)大橋さん)

 

●活動のきっかけ
志津南学区の若草・岡本町西を中心に活動してきた志津南環境美化ボランティアの会は、高齢者を中心に組織されてきた。 特に、若草では公共空間に加え、各家も緑化協定が結ばれていることにより、家の周りに生垣や植え込みが巡らされていて景観が保たれている。
剪定作業は重労働のため、高齢になると維持管理が難しい。あわせて、空き家が出てきて、どうしても管理がおざなりになる。
1983年から分譲が始まった若草では、当初の年2回の町内一斉清掃を年4回に増やすなどして対応してきたが、それでも十分ではなく、若草シニアソフトボールチームのメンバーが中心となって始めたのが、活動のきっかけとなっている。メンバーは口コミで集めてきた。
活動範囲は広く、公園の剪定、草刈り、水やりや個人宅の生垣や植え込みの剪定など多岐にわたっている。


(公共空間整備)

当初の名前が志津南緑化ボランティアの会で、2016年には草津市コミュニティ事業団のひとまちキラリ助成に採択され、その活動が広がった。夏原グラント助成には、特に高齢者宅、空き家の剪定を課題として応募され助成決定となった。


 


 


(垣根剪定作業のようす)

 

●助成金による基盤整備
夏原グラント助成で志津南環境美化ボランティアの会にとって、特に大きな力となったのが備品の整備である。ヘッジトリマ―と呼ばれる電動バリカンは、手の届きにくい場所や広範囲に刈り込む必要がある場合にも一気に剪定でき、作業者に負担が少ない。剪定作業と一緒に草刈りも行うことが多いので刈払い機も必要だ。剪定バサミや鎌での作業となると効率も悪く、メンバーが高齢のため体力差もあるため、こうした機材が力を発揮し、年間数十を超える件数処理につながっている。

(ヘッジトリマー、刈払い機等購入備品)

 

●空き家対策
新興住宅地に共通の課題が、住民の高齢化と空き家の増加である。若草も同じように高齢化が進むとともに空き家が増えてきた。
高齢者宅や空き家の維持管理ができない状況を改善するために始めた活動は、地域にとっても重要な意味を持った。空き家の場合、相続物件に関しては新しい所有者と面識がないことも多く、自治会や民生委員を通して連絡をとり、それでスムーズに立ち入りできる。
住民の世代交代や放置空き家の問題に強い関心と危機感があったことで、空き家の剪定草刈りを進めたことで空き家の売却や賃貸が進み、地元の不動産会社からも感謝されている。地域にとっても、新たに住民が増えることで、地域の活性化を生んでいる。

 

●地域づくりとしての総合的な取り組み
会の活動は「環境美化」と銘打っていることもあり多岐にわたる。前述の剪定、草刈りにとどまらず、地域内の児童公園、児童遊園の剪定、草刈り、歩道の落ち葉拾いなど、花壇の管理など、地域づくりと言ってもよい。
会がここまでいろいろ活動してきたのは、舟木さんのリーダーシップによるところが大きい。もう一つは、新興住宅地という特徴もあるように思われる。住宅開発によって、同時期、同世代の居住が多く、地域ボスとか有力者という構造を生みにくい面が作用しているようだ。

 

●スピンオフとしての「芝桜プロジェクト」
会が地域の景観を保持しようとして、新たに取り組もうとしたのが、花壇に花を植えて管理することである。この活動を始めるに当たってスピンオフして立ち上げたのが、新しいグループ「芝桜プロジェクト」である。
まず、プロジェクトが活用したのが夏原グラントのファーストステップ助成(2018年度、2019年度)である。志津南と隣の大津市青山にまたがる伯母川洪水調整池に花壇を作って芝桜を植えた。この場所は年4回の草刈りのうち、3回を会が担当していた。雑草狩りだけでは味気ないので、芝桜を植えようとした。夏原グラント選考委員から芝桜はもともと外来種なので、花壇として一定区域に囲って育てるようにアドバイスを受けた。あわせて、まちづくりセンター周囲にも花壇を設置した。一般助成を受けられるようになり、徐々に範囲を広げ、滋賀銀行周囲、小学校、中央公園、通学路と花壇を広げてきた。2024年からは地域に苗を分けて育てていただくこととし、これを機に「しばざくら通信」を発行している。
(写真6)(写真7)(写真8)


(調整池の草刈り)

 


(芝桜花壇の造成)


(芝桜花壇のようす)

 

●自主財源確保の取り組み
会が持続的に活動してくために、助成金以外の資金を確保することを痛感してきた。夏原グラント助成による機材整備は整ったものの、修理が必要であったり、追加購入も必要である。不動産会社からの機材等の提供に加え、今は1軒あたりの剪定に1万円をもらっている。これによって、年間数十万円の収入が確保できている。

 

●組織再編と持続性
舟木さんは大病も経験されたが、その後、活動に復帰して、まだまだ元気に会を引っ張っている。
会の名称を「若草環境ボランティアグループ」に変更し、活動範囲を若草に限定することにした。活動内容でメンバーを4つの小グループに振り分けた。
・花ボランティア  中央公園の花壇整備
・芝桜プロジェクト 調整池花壇の管理
・若草垣根剪定サポートの会 空き家・高齢者宅の垣根剪定
・若草環境ボランティアの会  臨時作業
この4つの小グループが、それぞれのリーダーのもとに活動している。メンバーを増やしていくことはなかなか難しいが、活動している姿を地域の人に見てもらって、常に声をかけている。

(集合写真)

 

●取材を終えて
活動内容は地道で、日々大変な作業の連続である。後継者づくりもなかなか難しく苦労されている面はあると思うが、地域とってはなくてはならない存在となっていることがよく分かる。
メンバーが歳を重ねても活動が停滞することはなく、順調に回っているように思われる。
一旦立ち上げた組織は、そのままで見直されないことが多い。若草環境ボランティアグループの場合は、時宜にあった組織再編を行っていて、そこに継続性のポイントがあるように思われる。これからの活動にも期待したい。

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