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休耕農地を活用し、地域に自生し絶滅の恐れのある花菖蒲・杜若・メダカ・タガメ等、水生動植物の保護育成園の整備事業 /浜分環境クラブ

事業の概要

高島市内に自生していた花菖蒲、杜若を耕作放棄地を活用し花菖蒲園とし、また一部はビオトープとしてメダカ、タガメなどの水生動物とふれあう場とします。3年間で畝と通路の整備を計画的に行い、車いすへの対応も考えています。

ヤナちゃんクラブ 活動のようす画像

2017年6月9日、滋賀県高島市今津町浜分 浜分環境クラブ (通称:ヤナちゃんクラブ、以下ヤナちゃんクラブ)の花しょうぶ園を訪問しました。ちょうどこれからが花しょうぶの咲く季節ということで、周囲にはのぼりが立てられ、見学に訪れる人をお迎えする準備が進められているところでした。

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JR近江今津駅から、迎えに来てくださった車で5、6分走ったでしょうか。琵琶湖に注ぐ石田川の近くにある浜分会館に到着しました。ヤナちゃんクラブの拠点として以前は草の根ハウスを使っていましたが、新しい会館ができたのでこちらが拠点になっているそうです。

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手作りの看板が迎えてくれました。


ヤナちゃんクラブ活動のようす画像
さっそく、草の根ハウスの隣にある花しょうぶ園に案内してもらいました。見事に手入れが行き届いています。ビオトープエリアと花菖蒲エリアとで、約3000平方メートル。もともとは田んぼでしたが、泥が深くて機械が沈むため効率が悪く、耕作放棄地となっていたそうです。

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夏原グラント助成事業を示す立派な看板が作られていました。

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ご案内は、会長の岩本さん、副会長の曽根さん、幹事の石庭さん。

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看板近くが、ビオトープエリアで、よく見ると泥の上にたくさんのドジョウやハゼ科のヨシノボリらしき魚がいます。水面近くにいるのはメダカ、ほかにも何かの魚の稚魚が群れていました。
「地元ではヨシノボリなんかはドチビンやらドッチン、大きくなったらドマン、言うてましたわ」
魚も地域によっていろんな名前で呼ばれているんですね。
そんな魚をねらってサギなどの鳥がやってきます。それを防ぐためにネットや糸が張られています。

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「学童保育の子どもたちが、この池に飛び込んで魚つかみをしに来たんです」「びしょびしょになって、そりゃあ楽しそうでしたよ」

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水辺の植物コウホネも、農業用水路では邪魔者です。そこで、このビオトープに移植されました。コウホネは滋賀県で準絶滅危惧種とされています。

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次に、花しょうぶエリアに行きました。

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写真の中に浮かぶ2つの点は、タガメの子どもだそうです。タガメは滋賀県で絶滅危惧種とされています。

花しょうぶの植えられている畝の合間をせきとめているので、ビオトープの池ほど流れがないところには、小さなタガメやオタマジャクシなどが、うじゃうじゃしています。タガメがもっと大きくなれば、オタマジャクシも食べるそうですが、まだオタマジャクシよりも小さいので、すぐそばを泳いでも平気なのですね。

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黒いシートの上に、点々と続く大きな鳥の足跡。アオサギがエサを探して歩き回るそうです。

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花しょうぶの畝の間に砂利を敷き詰めた道が作られています。これも手作り!

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右側の道には、砂利の上にシートが敷かれ、車いすでも通りやすくなっています。夏原グラントの助成事業として、この道の整備も行われているのです。
この浜分には、高齢者や障がいを持った方の施設やデイサービスがあるので、車いすで通れる道があるとシルバーカーを押す方も大丈夫ですから、たくさんの方に花しょうぶの花を見てもらえます。だから道の整備に力を入れているとのことです。

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また、これからは畝の間を道にして、花が咲き終わったら手で取り除く作業がしやすいようにしたい、とのことでした。

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このように板を渡して島になった畝に行き作業をすると楽ですが、現在は畝の間は水が通っているので漁師さんが着けるような長靴(ウエーダー)が必要だそうです。泥が深いので、体力消耗がひどく、今後高齢になってしまうと誰も手入れができなくなるというおそれがあるのです。

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花しょうぶ園に接するお隣の敷地には、お隣の方が手作りで花を見る小屋を作り、椅子を置いて誰でもくつろげるように解放されています。
この花しょうぶ園が地域ぐるみで大切にされているのがわかりました。

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現在、園芸品種も合わせて5,000株以上が植わっている、花しょうぶ園ですが、もともとは今津町内の饗庭演習場の中にある池に自生していたものから5株を移植したのが始めだたそうです。

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花しょうぶは株分けしたほうがよく繁るので、どんどん増えていきました。

訪問した時は、一部しか咲いていませんでしたが、見に来ている人もちらほら。お隣の新旭町の花しょうぶ園が閉園になったため、こちらに来る人が増えているのだとか。満開になると、遠くから写真を撮りに来る人も多いそうです。

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右から2軒目が草の根ハウスで、浜分花しょうぶまつりとして6月中旬から下旬にかけての13日間は、オープンカフェとして手作りのお菓子と飲物を販売する予定です。

花しょうぶ園を回った後は、浜分会館でお茶を出していただきました。

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ヤナちゃんクラブのフルメンバー10名です。
琵琶湖ブルーのおそろいのエプロンと首のネッカチーフ、三角巾が目に鮮やか。アユが手描きなので全員違う模様です。しかも、オリジナルの手作り。男性メンバーのもあるということです。
「全員高齢者やけど、後期じゃないの」
「できることはやろう、と言っています」
「この写真は兵庫県の川西市から去年3日間通って来た人がプリントアウトしてくれたんや」
同じメンバーで、地域の見守り活動や、サロン活動など、さまざまな役を果たしておられて、毎日お忙しいご様子。皆さんとびきりの笑顔で、ワイワイとお話を聞かせてくださいました。

これからもお元気で、花しょうぶ園や希少な生物、そして生物多様性を守る環境を大切にしてください。

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以下の写真は、岩本さんが後日送ってくださったものです。

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一部満開になった今年の花しょうぶです。

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これは去年の花しょうぶまつりのカフェの様子です。草の根ハウスから花しょうぶ園が見渡せます。

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学童保育の子ども達が遊びに来た時の様子です。

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こちらは、石庭さんが送ってくださった今年の写真です。
近くの高齢者福祉施設の方が車いすで通っています。






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