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放置竹林問題啓発活動 /長岡京竹あそび連絡協議会

事業の概要

長岡京市で大きな問題になっている放置竹林問題は、同じ地域で活動する団体がバラバラに取り組んでいる状況が続いていて、一般市民には活動があまり知られていません。そこで、年間を通じての啓発活動を行うとともに、10月に実施するイベント「長岡京竹あそび2016」で自主財源作りや竹林の有効活用PRに取り組みます。また、パンフレットの作成、ホームページ、facebook等の充実をはかり、協賛金を獲得していくよう情報発信にも力を入れていきます。

長岡京竹あそび連絡協議会の活動の写真

2016年10月8日(土)に開催されたイベント、長岡京竹あそび2016に行ってきました。会場は京都府長岡京市にある、長岡天神の長岡公園一帯です。

12:00~20:00開催なのですが長岡京竹あそび連絡協議会代表の江川さんによると「なんと言ってもメインは竹灯りがともってからですよ」とのことなので16時頃に会場に着くようにしました。

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JR長岡京の駅からまっすぐ行くと、長岡天満宮につきあたります。大きな池もあり、公園もあるので、午後も遅いというのにたくさんの人が参拝や散歩に訪れていました。

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本殿の裏手にあたる場所に会場となる長岡公園がありました。入り口までに誘導する表示やのぼりがあちこちに取り付けられています。既に竹灯りのための竹が、並べられるのを待っていました。

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公園に入るとすぐにあったのは、竹を使うスマートフォンのスピーカー作りのブースでした。

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精巧な竹細工の電気スタンドも展示してあります。

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たくさんの出店が並び、呼び込みの声もして活気のあるコーナー。市民団体、市内のお店屋さんなどがカレー、たこ焼き、焼きそば、飲物、手芸品などを売っています。

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そんな中、本部では江川さんが、説明をしてくださいました。
「筍の生産地としても知られる長岡京市には竹林が多いのですが、手入れしなくて荒れて周囲をどんどん侵食するような放置竹林が増えています。そこで、市内には多くの放置竹林問題に取り組むボランティア団体が活動を開始しました。

この長岡京竹あそびイベントは1990年代に、おとくに竹遊びの会が単独で『もっと一般市民に広く放置竹林問題を知ってもらおう』と竹灯りイベントを始めたのがきっかけでした。それが大きく広がっていって、会場はここに移り、参加団体も竹関係だけでなく子どものための活動を行う団体、市、福祉関係などに広がって今年は60団体が参加しています」

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夏原グラントの助成金のほかに、地元企業や有志からの協賛金も集めています。竹には協賛者のお名前が書いてあり、ずらりと展示してありました。長く続けるため経費面での努力もされているのですね。

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ゴミの分別もこのように行われていました。

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グランドに出てみると、ボランティアスタッフの皆さんが、竹を使った灯りを並べているところでした。

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周囲にはさまざまな出店のテントが並び、昔懐かしい紙芝居屋さんも熱演中。子どもたちに大人気です。
薪を割って、薪ストーブで燃やすというブースもありました。
竹を使った「イライラ棒」というゲームも子どもに人気がありました。

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竹を割ってつないだだけのシンプルな「ビー玉ころがし」には、予想以上に子どもたちが熱中していました。階段を登っては、ビー玉を転がし下まで行って回収し、また階段を登ります。延々繰り返しているのです。
江川さんも「子どもたちが竹で遊ぶという経験は、ここ以外ではなかなかできません。竹(チク)リンピックでの昔ながらの竹遊びを、とても楽しんでくれますよ!」とうれしそうでした。

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そのうち、グランドでは、お昼頃行われた竹(チク)リンピック競技の結果発表が始まりました。竹トンボなど、タケを使って遊ぶ様々な競技に参加して成績上位の子どもは表彰され、市長さんやご当地キャラクターの二人と一緒に記念撮影。うれしそうですね。
ガラシャ祭りのマスコットキャラクター「お玉ちゃん」は細川忠興の妻ガラシャ(たま)にちなみ、「魔法少女リサちゃん」は地元古紙リサイクルなどを手がける会社のマスコットキャラクターだそうです。
江川さんは「このイベントが始まった時から、長岡京市の市長さんが駆けつけてくれています。会場を市に使わせてもらうなどで市と共催しているのです」と説明してくださいました。
表彰式を盛り上げるのは、立命館大学の司会コンビと同じく出前チンドンの大学生たち。若い世代が力を発揮していました。

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表彰式が終わったら、みんなで竹灯りに火を点します。小さな子どもには、高校生のお姉さんがやさしく手伝ってあげるなど、子どもたちが大活躍です。地元の立命館大学の中学生、高校生もボランティアスタッフとして参加しているそうです。

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竹灯りの中には水を入れて、火をつけた小さなロウソクを浮かべます。廃油利用のエコローソクです。
この竹筒作りやエコローソクも、事前にたくさんの人が参加して作ったもの。これらは、ものすごい数です。本当にたくさんの人が関わっているイベントなのです。

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薄暗くなってきた頃「竹あかりツアー」第一陣が出発しました。
ツアーガイドを務めるのは、立命館大学の学生お2人です。

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公園の中にも竹林があり、そこをいくつかの団体が担当して竹灯りを飾り付けているのを巡っていきます。ここからは「環境の都づくり会議」の皆さんのコーナー。入り口に大きな門を作って、くぐるようになっていました。

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足下はふかふかした竹チップが敷き詰められ、歩きやすく道を整備されています。竹のあんどんに描かれた絵は小学5,6年生の作品だそうです。
「ほっておくと竹やぶは真っ暗で怖いところになりますが、手入れをした竹やぶはいいところなので、子どもも大人も、もっと入ってほしいです」と説明してくださいました。実際に、この公園の竹藪は手入れが行き届き、気持ちのよい場所になっていました。

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手作りの大きな赤富士の明かり。

続いてやってきたのは、「竹の学校」です。筍の栽培を生業としている皆さんだそうです。

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竹細工のお城や龍のランプ。お見事です。竹ランプを作るには、まず15ミリある竹を3ミリから5ミリにまで薄く削って、ドリルで穴を開け、型どおりに切っていくそうです。仕上げにニスを塗ってできあがり。手間がかかっているんですね。

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竹灯りを集めて人文字ならぬ竹灯り文字「竹」が!
「竹の学校」全部の文字が作られていました。

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ツアー参加者からの質問があれば団体の方に答えてもらえます。

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続いて「京・おとくに街おこしネットワーク」のコーナーへ。
こちらの団体も夏原グラントからの助成を受けて活動しています。ここの灯りは4色のLEDで、四つの神が飾られていました。都であった長岡京、現在の京都などの四方を守る神様です。

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青龍・朱雀・玄武・白虎、それぞれの色のライトで作られていました。これは白虎です。

長岡京竹あそび連絡協議会
青く光る青龍です。

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写真では明るく写っていますが、本当はもっと暗くなっています。

道沿いの竹灯りが光って幻想的です。
「里山再生市民フォーラム」のコーナーに来ました。
胴は竹、竹の皮で羽を作ったオナガドリがいます。目が光るのでこれも灯りなのですね。
「化石燃料を使うようになって、人が山に入らなくなりました。木は枝が伸び放題です。広葉樹は針葉樹に負けてしまいます。なんとか、森を落葉樹にしたいと思って楽しく活動しています。
山や森に少しでも興味を持ってもらいたいので、私たちは木の枝や木の実を使って工作をしています。仲間の高齢化が進んでいるので、こういうイベントで若い方にも仲間になってもらいたい、と呼びかけています。今度、クラフト講座をやるので参加してください!」
竹灯りツアーでは、環境のために活動している団体が、お客さんたちに直接こうして山や森、竹林の現状を訴え仲間を募る場にもなっていました。

道沿いの竹灯りが光って幻想的です。
暗くなったグランドでは、市民グループによる楽器や合唱ライブや子どもたちの踊りも披露され、いつまでもにぎやかでした。

写真でうまく写せなかったので、いくつか長岡京竹あそび連絡協議会から提供していただきました。ありがとうございました。

竹と遊び。この2つのキーワード自体はシンプルなのに、子ども、環境保全などの要素も関連してくるため、さまざまな団体(放置竹林整備団体、社会福祉や子育て支援の市民団体、地元企業や商店、行政、大学など)が協力するイベントになっていることがわかりました。何よりも子どもたちが自然と竹に親しむ工夫があちこちに仕掛けられていて、たくさんの子どもが笑顔で遊んでいたのが印象的でした。

主催の皆さんは「メンバーが高齢化でしんどくなってきた」とおっしゃっていましたが、ぜひ若い世代を引き込んでこれからも長く続けてください。

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