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未来のびわ湖人育成のための学習支援事業 /滋賀大学「環境学習支援士」会

事業の概要

琵琶湖の環境を学び、琵琶湖を愛し、次の世代へ残していくために自分で考え、自分で行動する未来のびわ湖人として成長していくためのサポート事業です。 小学校への出前事業「びわ湖の今と昔を学び未来を考える」「滋賀の食育」はパワーポイントで授業を行い、ワークショップでは5~7名に班分けをして、班のみんなでテーマを具体的な行動を話し合います。滋賀の地産地消や琵琶湖の未来を考え、私たちはどう行動するかを発表します。 一般募集の親子体験講座「身近な川の自然探検」では実際に川に入っての水質や生物を調査し、川の汚れの測定結果や採取した生物を同定してグループ発表します。

 2015年9月8日、滋賀大学「環境学習支援士」会の活動「未来のびわ湖人材育成のための学習支援事業」で、彦根市立平田小学校で授業を担当されるとのこと、その環境出前授業におじゃましました。
 滋賀大学「環境学習支援士」認定者と環境学習支援士養成プログラム履修者によって2008年4月に結成されたこの会は、学んだことを単に知識として蓄えるだけでなく、広く社会に還元していくことを目的として活動されています。夏原グラント事業のメニューは「出前講座『びわ湖の今と昔を学び未来を考える』」「出前講座『滋賀の食育』」「親子体験講座『身近な川の自然探検』」です。今回の活動は「出前講座『びわ湖の今と昔を学び未来を考える』」です。

 平田小学校の5年生は、11月にフローティングスクールで学習船「うみのこ」で体験学習に取り組みます。今日は、その事前学習という位置づけです。
平田小学校の5年生は2クラス。滋賀大学「環境学習支援士」会のお2人が講師として、5時間目と6時間目の2時間分の授業を進めていきます。テーマは「びわ湖の今と昔を学び考える」です。

 どちらのクラスも、教室内のテレビに画像を映して授業が進んでいきます。
 まずは「びわ湖の昔」から。突然のクイズです。「びわ湖は今から何年前にできたでしょうか」。3つの選択肢から選んで手を上げますが、400~600万年前と聞いて、びっくり。そのうえ、三重県伊賀市のあたりから移動してきて今の場所にあると聞いて、もっとびっくり。あんなに大きいびわ湖が移動してきたなんて、想像できないですよね。
 ところどころにクイズを挟みながら、授業はどんどん進んでいきます。

滋賀大学「学習支援士会」の活動のようす

 滋賀大学「環境学習支援士」会から2人が講師として別々のクラスで授業を進めておられるので、2つの教室を行ったり来たりしながら見せていただきました。
 当たり前ですが、それぞれのクラスの雰囲気が違いますし、当然、講師もそれぞれの雰囲気をお持ちです。たとえば、画面を見ながら説明していく際に、どこを深めて説明するのかが違ったりします。同じテーマで授業を進めても、特徴があるなあと感じました。

 「びわ湖の昔のくらし」「現在のびわ湖」など、盛りだくさんの内容に、時間が少々足りなかったかもしれません。話す方が情報量が多いので、あれもこれも伝えたいと思うのだろうなあと感じました。子どもたちには、たくさんのことが伝わったように思います。

 2時間目は、ワークショップです。
 グループに分かれて、未来のびわ湖について考えていきます。
グループごとに「びわ湖マップ」と「カード」が配られました。「カード」には、今びわ湖で起こっているいろいろな事象が書かれていて、それを「自分たちにできること」と「自分たちにできないこと」に分けていきます。

滋賀大学「環境学習支援士」会の活動写真

 「アカシオ・アオコの発生」「川の水が少ない」「観光客のマナーが悪い」「ヨシが少なくなった」「外来魚がふえた」「南湖の水草がふえた」「林業をする人が少ない」・・・・・。
そしてその中から、自分たちにできそうなことを選び、そのできそうなことを「誰と」「どこで」「どのように」するかを考え、書き込んでいきます。

滋賀大学「学習支援士会」の活動のようす

 数多くあるびわ湖の問題の中で、自分たちができることって何だろう。難しいです。というか、今まであまり考えたことのない問題かもしれません。
担任の先生が、グループを一つ一つ回りながら、一緒に考えてくれます。

滋賀大学「学習支援士会」の活動のようす

みんなで知恵を出し合って、プリントを埋めていきます。そうこうしているうちに、すべてのグループのプリントが埋まりました。
さあ、発表。
グループごとに前に出て、「自分たちができることに何を選んだか」「誰とするのか」「どこでするのか」「どのようにするのか」を発表していきました。

滋賀大学「学習支援士会」の活動のようす

 「外来魚はリリースしない」「キャンプでの食器などはびわ湖で洗わない」「水がにごらないよう、流す時に気をつける」などなど、いろいろな意見が出ました。子どもたちが考えたこと、大人もついついやってしまうことが多く、耳が痛くなりました。
平田小学校は彦根市内でもびわ湖から離れているので、子どもたちの日常生活圏にびわ湖がなく、意識が薄いかもしれないとのことです。そんな中、びわ湖に関する学習はまだ始まったばかりだそうです。これから学習を重ね、フローティングスクールでの「うみのこ」体験へと進んでいくことで理解が深まっていくのではと校長先生がおっしゃっていました。滋賀県の小学生が「うみのこ」体験学習とその前後での学習で、びわ湖について学びを深めていく仕組みがよくわかりました。
その中で、滋賀大学「環境学習支援士」会の方々が専門的な知識で小学生に語りかけていくことは、担任の先生とはまた違った視点を子どもたちが感じるいい機会なのだと感じました。担任の先生に、お忙しい中、少しだけお話をうかがいました。「専門的な知識と、変化していく新しい問題などを出していただいて、助かります」とのことでした。

滋賀県では、びわ湖だけではなく環境への関心が高いと聞きます。その根っこが、小さい時からの学習に支えられているのだろうと感じました。

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