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里山保全・整備活動 /総山管理委員会

事業の概要

下石寺町と上石寺町の共有財産である総山について、里山の再生を図りながら、自然とのふれあい、体験、交流を通じて、心身の健康、青少年の健全育成、人と人とのつながり、絆を醸成しつつ、地域の活性化につなげていきます。荒神マツタケの復活を目指す地域については、松枯木伐採・処分と一部地域ではシイタケ栽培の準備を行います。

総山管理委員会の活動画像

2015年7月20日、総山管理委員会の皆さんの定例活動の現場に伺いました。
場所は彦根市内の荒神山の琵琶湖側一部、約18.5㏊を占めます。JR琵琶湖線稲枝駅か川瀬駅が最寄り駅です。

総山は下石寺町と上石寺町の共有財産であり、かつては燃料や木材、マツタケを提供する里山として地元の人々に活用されていました。しかし、その後主要エネルギーの変化により全く人の手の入らない荒れた山になっていきました。それだけでなく、松食い虫やナラ枯れにより立ち枯れた木が増え、倒木や土砂崩れなどの危険も増加してしまいました。

そこで、総山管理委員会が中心となり、上石寺自治会・下石寺自治会とが協力して、日光をさえぎる雑木や立ち枯れた木を伐採し、その木材を燃料として利用し、里山再生とバイオマス利用をうまく回せるように活動を始めました。毎月、日を決めて1回枯れ木の伐採と処分を行っています。今回も、その活動日に伺いました。

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これが総山です。荒神山の琵琶湖側の斜面です。緑がうるうると豊かに見えますが、よく見ると茶色く松枯れがある、と教えてもらいました。そう言われると確かに茶色いところがあります。

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すぐ北は、曽根沼湖岸緑地公園に面していて、こちらは自然のままの水辺の景色が残っています。手前は開発され埋め立てられ、空き地とナシ畑になっています。

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山のふもとに立てられている看板には、総山のマップが。今回案内して
くださった総山管理委員会委員長の西川時男さんが、これから登る山道を指し示しています。
平成16年~21年に、滋賀県の事業として松枯れ木の伐採や間引き、また松などの植栽も行われたということです。

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いよいよ総山に登ります。

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山道は結構急な坂で、ちょっと登ったら息が切れてきました。

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道のそばに、若い松の木も見えます。

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西川さんに教えてもらって見ると、林の奥に立ち枯れた松が見えました。

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回りが緑なので、よく目立ちます。

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道のそばには、切り倒した木を刻んだ丸太が。最近切ったものではなく、かなり時間が経っているように見えます。生のまま山から運び出すと、虫までいっしょに運んでしまうので、冬になるまで山に置いているのだとか。

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もっと登っていくと、今日切られたばかりの木がたくさん転がっていました。

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上り詰めたところは広場になっていて休憩中の皆さんが座っていました。協力関係にある、滋賀県立大学のまちづくり研究室の鵜飼先生とゼミ生の皆さんが参加されているので、若い男性と女性も多く、びっくりしました。また、海外から来られた留学生と先生も参加されていて、英語が飛び交っています。
鵜飼先生は下石寺の集落にある古民家を2007年からリノベーションして、エコ民家1号館(男子寮)、3号館(女子寮)とコミュニティ・スペースを整備しているそうです。薪ボイラーや薪ストーブ利用しているので、里山整備活動がセットになっているんですね。

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総山の頂上から見てみると、琵琶湖や湖岸の田畑、集落が見渡せる絶景が広がっていました。

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長らく放置されていたために一時は頂上にも木が生い茂り、景色が見えない状態だったそうです。下に見えるのは果樹畑のハウスです。

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右手には曽根沼湖岸緑地公園。手前には広大な空き地が広がっています。

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およそ千年前にさかのぼる長い歴史のある神社であることが神社跡の由来を書いた看板に書いてありました。そばには、切り倒した松の丸太が積まれています。

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ここが日吉神社の跡。歴史の古さがわかりますね。以前に種を空中散布した時に根付いたたくさんの小さな松が育っていました。

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さあ、休憩時間が終わって作業再開です。草刈り機の人、チェーンソーの人、そして丸太を運ぶ人で分担して作業します。チェーンソー、そのオイルや替え刃などにも助成金が使われています。

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林の中でチェーンソーの音がしていると思ったら、まもなく切り倒されました。その後は倒れた木を運べるくらいの長さに切り刻みます。

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林の奥から丸太が運ばれてきて、リレーされて集積されていきます。

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こちらでも、同じように枯れた木を切り倒しています。

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そして、丸太リレー。

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道まで下ろされ、リレー完了です。

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長い松の木も、チェーンソーでどんどん短くなっていきます。
道の端っこに積み重ねておき、冬になったら車で山から運び出す予定。

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こちらでもチェーンソー。右上の木を切っているのが見えますか。

今回は、若い大学生が総山管理委員会のメンバーと協力して作業に取り組む姿がとても印象的でした。地元で暮らす学生の皆さんが、自分が暮らす家(エコ民家クラブの寮)の暖房のために燃料として総山の松を切り倒し、薪割りなどして使う。これぞバイオマス利用ですね。

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総山管理委員会委員長の西川時男さんは「ふだん月一回の活動日に参加してくれる人数は、今日ほどは多くないので、これから仲間を呼び込む工夫をしなければと思っています。
ほかの活動として、里山保全講習会として、現地ワークショップを開催し、作業を通じてバイオマス利用の意識を更に高めていく予定です。また、ゆくゆくはマツタケの再生も、地元の皆さんの意識を総山に向けてもらうために、できればと考えています。
同じように里山保全を行っている、夏原グラントの採択団体の方に活動を行ううえでの情報交換をして、活動に活かしたいです」とおっしゃっていました。

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さまざまな団体との協力関係を築きながら、着実に事業を進めている総山管理委員会。皆さんの総山への熱い思いを感じながら山を降りました。

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