障害児が体験・講座を通して「野菜・植物の育成」を学び&ふれあい事業 /認定特定非営利活動法人 NPOぽぽハウス
事業の概要
障害児童がスタッフとともに土や苗などの購入から関わり、野菜や草花の育成にあたります。育てた花を地域の方に届けたり、野菜を高齢者の施設での食事に提供するなど、児童の自尊感情の育成にも役立てます。障害を持つ児童が、スタッフと一緒になるべく自然に近い農法や自然の植物に親しむような環境を整えていきます。
2016年10月12日、認定特定非営利活動法人NPOぽぽハウスのサツマイモの収穫に伺いました。
NPOぽぽハウスの本拠地は彦根市の街中ですが、サツマイモ畑はJR河瀬駅が最寄りです。
サツマイモ畑は事前につるを取り除いてあり、すぐに畑を掘ることができました。
今回参加しているのは、はばたき、きらめき、ぽぽハウスのそれぞれの施設に通う、小学生・中学生・高校生の皆さん24名と13名のスタッフの皆さんです。
夏原グラントで助成しているのは障害を持つ子ども達が、畑で野菜作りや花壇の世話などを体験して学び、ふれあう、という事業です。春から野菜の植え付けや収穫を行い、ゴーヤカーテンを育てるなどの活動を行ってきました。また滋賀県立大学の「廃棄物バスターズ」というサークルの大学生と一緒に、廃棄プラスチックをリサイクルして作ったポットについて学び、そのポットに花苗を植えたりしたそうです。
スタッフがスコップで大きく掘ったら、サツマイモが顔を出します。子どもたちは大喜びで掘り出していきました。
夢中で掘る子。
土をさわるのが楽しくてしょうがない、という感じです。
この畑の持ち主で、農業の指導もしている久木さんと、NPOぽぽハウスが協力して畑を作り出してから今年で6年目。元は田んぼだったところを畑に変えたそうです。その当初は牛フンをもらってきてすき込み、落ち着いてからサツマイモを植えました。
サツマイモ自体、あまり肥料をやらない作物だそうで、農薬もほとんどまいてないのだとか。
今年5月に子ども達と植え付け、子どもが管理していました。そして10月、収穫しました。今年の久木さんの評価は「まあまあ」だそうです。サツマイモは掘ってみなければ出来はわからないということです。
「とにかく、子どもたちに楽しんでもらいたいと思っています」と久木さん。サツマイモが終わった後の畑には、籾殻の燻炭をすき込む予定だそうです。
自然な畑の土だから子どもたちが思い切り掘って遊べるのですね。
さて、掘ったサツマイモは子どもたちが持ち帰って食べるほか、デイサービスの高齢者にお裾分けして敬老会の天ぷらにするそうです。
芋の種類は3種類。紫芋はスイートポテトに、ベニアズマは早く食べてしまうのがおすすめ、ナルトキントキは貯蔵がきくので長い間食べられます。
また、子どもたちのおやつとして、焼き芋に、スイートポテトに、またホットケーキに混ぜるなどして使うそうです。
午後に始まった芋掘りが終わった頃には、夕暮れが近づいていました。
集落の中で自然を感じる畑で土からお芋を掘り出した子ども達は、収穫の楽しさとサツマイモの味から自然を感じるのではないでしょうか。