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西の湖ヨシ灯り展 /西の湖ヨシ灯り展実行委員会

事業の概要

7月~9月に成安造形大学の教授・学生が出前授業を行い琵琶湖湖岸のヨシを使って子どもたちが作品を作ります。この作品は、大人の作品も合わせると約400個程度となり、9月の「西の湖ヨシ灯り展」にライトを入れて灯りとして展示し、教授による審査で40点を表彰します。大人も子どもも一日中ヨシと向き合い作品を仕上げることは、自然とふれあう貴重な体験となり、また、事前に西の湖やヨシの環境への影響の説明をするので琵琶湖への関心を高めてもらえます。

西の湖ヨシ灯り展実行委員会 活動の画像

2018年9月1日、滋賀県近江八幡市安土町の安土コミュニティセンターで行われた、西の湖ヨシ灯り展実行委員会の皆さんの活動を訪問しました。

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この日は、学区から小学生や幼稚園や子ども園に通う子どもたち、保護者の皆さんが集まり、ヨシを使ったオブジェ・ヨシ灯りを作ります。このヨシ灯りは9月29日と30日、西の湖の湖畔で開催される、「西の湖ヨシ灯り展」に出展され作品です。

近江八幡市やその近隣では、昔から琵琶湖湖岸に生えるヨシを大切に育て、ヨシズや簾、衝立、天井など、日常で使う家具や屋根を葺くための素材として使うなど、ヨシを生業とする産業が盛んでした。

 しかし近年は生活様式の変化に伴い、ヨシを使った日用品が身の回りからなくなってしまいました。今では岸辺に生えている背の高い植物が「ヨシ」だということさえ知らない子どもも増えています。そこで実行委員会の皆さんは、未来を担う子どもたちにヨシに親しんでもらうとともに、ヨシが琵琶湖の環境浄化にとても役立つ植物であり、このヨシを大切に守り育てることの大切さを知ってもらい、自分たちの生活に生かせる方法はないかということを考えてもらうために、ヨシを使った作品展を開催しているのです。

夏休みの間に、市内のコミュニティセンターや小学校、学童クラブ、緑の少年団やクラフトキッズなどの各種団体でこうした作品作りが行われ、必要に応じてヨシ灯り展実行委員会のメンバーや成安造形大学の先生や学生が指導に出向いています。このほかにも中学校や高校、大学でも独自に作品制作を行います。今年は個人参加の方も増え、実行委員の皆さんは喜んでおられます。

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安土コミセンで行われた作品作りを指導されるのは、大津市にある成安造形大学の立神まさ子先生です。学生の堀江真由さんと宮本凌さんがアシスタントとして子どもたちの指導に当たります。

立神先生は、ヨシという素材との出会いを話してくれました。

「もともと安土の竹田勝博さんという、ヨシ葺き屋根の仕事をされている方が、なんとか忘れられたヨシのよさを広めようと、ヨシ灯り展を手弁当で始められ、今年で12回目になります。琵琶湖のヨシが安い中国産のヨシに押され、とても危機感を抱いておられたことも背景にあります。まだエコと言う言葉も定着していない頃のことです。

竹田さんは、『ヨシを使って、もっとヨシの認知度を高めてほしい』、と成安造形大学にヨシをトラックに山盛り提供してくださり、私たちはそのヨシを立体造形の授業で使うことにしました。

この授業を通じて、学生は地元の優れた素材を作品に使うことを学ぶことができました。このヨシを使った造形がだんだん広まっていき、『ヨシでデザインしてほしい』という依頼が来るようになりました。例えば2007年に滋賀県で開催された、全国豊かな海づくり大会では、浜大津のメイン会場を飾るウェルカムゲートをヨシ作ったのですが、これが好評を得て話題となりました。

そんなご縁があって、私たち成安造形大学はこのヨシ灯り展に協力しているのです。」

この西の湖ヨシ灯り展は、生活用品として使われるだけだったヨシが、アートの世界でも評価されるきかっけとなったイベントだったのですね。ヨシに子どもと大人が向き合って作品を作り上げる時間を持つ。この時間には、とても意義があるのだと感じました。

時間になるとホールは子どもたちと保護者の皆さんでいっぱいになりました。何度か参加している子どももいて、やる気満々です。

西の湖ヨシ灯り展実行委員会 活動の画像
立神先生からは、素材としてのヨシについてのお話もありました。
「このヨシは、すぐに使えるように皮をむいて同じ長さに切ってあります。自然に生えているヨシをここまでにするには、皮をむくというたいへんな作業があるのですが、その時間を省いて、みなさんがすぐに作品に取りかかれるように、準備してくださっているのです。

よく見るといろんな太さのヨシがあります。長くする時は太いものに細いものを刺して接いでください」。

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子どもたちに、オブジェのイメージを広げるため、会場には大学生が作った竹ひご模型も展示してありました。その中には比叡山延暦寺で作った造形物の模型もあります。東京タワーをイメージしたものもありました。

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オブジェは真ん中に穴が開いた板の上に作ります。この穴からライトを出してオブジェをかぶせ、電気をつけるとランプシェードになります。上の写真の右側の人が手に持っているヨシのオブジェにランプを入れて光らせると、写真の真ん中のような状態になります。

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ヨシとヨシをくっつけるのは、手芸に使うグルーガンです。ロウを熱で溶かし、ヨシの上に乗せ、その上にヨシをつけます。展示するのは風が強い西の湖の湖畔なので、ロウの量を多めに使ってしっかり接着しないといけません。

立神先生からは、立体なので縦と横、右と左、変えてみるとイメージが変わることがあること、また、ヨシは直線としてだけでなく、割って細くすれば曲げても使えることなど専門的なアドバイスもありました。

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「参考作品は左右対称のように、みんなカッチリまとまっているものばかりですが、もっと感覚的に作っていいですからね」。

なるほど、もっと尖った造形もオッケーということなんですね。


立神先生のお話しが終わったら、みんな一斉に作り始めました。

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何度かこのイベントに参加している子どももいて、半分以上がグルーガンを使った経験があるとわかりました。

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大学生が見てくれるので、子どもたちも気軽に相談しながら作ることができるようです。

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お父さんとお子さんで協力しあって、どんな作品ができあがるのでしょうか。

西の湖ヨシ灯り展実行委員会 活動の画像
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午後1時半から午後3時まで作品づくり、作品が完成したら暗くした部屋でライトを中に入れて撮影タイム。後から写真を送っていただきました。

西の湖ヨシ灯り展実行委員会 活動の画像
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当日の会場は、近江八幡市安土町下豊浦江ノ島地先で、B&G海洋センター、よしきりの池周辺となります。展示の前には草刈りも行います。琵琶湖の縁にある小さな湖の岸辺、自然の中にヨシが生えている状態のところが会場となるようです。

本番の9月29日の前日には、こうしてできあがった作品を実行委員のみなさんが運びこみ展示します。

当日は優秀作品に知事賞・市長賞などの各賞も選ばれ発表されるとのことです。

夜の闇に浮かび上がるヨシのオブジェの美しさは、ヨシの手触りや、においとともに子どもや大人の心に深く刻み込まれることでしょう。

追記

9月29日は台風のため中止となりましたが、前日の審査会のようすなどをホープページ上に公開されています。リンクからご覧ください。


「安土観光」HPへ
 http://www.zd.ztv.ne.jp/azuchi-cc/

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