あかりがつなぐ記憶2013ワークショップ&ドキュメント /天若湖アートプロジェクト実行委員会
事業の概要
この事業は、京都の日吉ダム、天若湖に水没した村の家屋の並びを、湖面にあかりで再現するイベントです。イベントを通じ、市民の流域連携の大切さを伝えます。

訪問 天若湖アートプロジェクト「あかりがつなぐ記憶2013」
夏原グラント助成団体の、天若湖アートプロジェクトの「あかりがつなぐ記憶2013」に参加しました。8月3日の日没より始まるこのイベント、場所は、京都府南丹市日吉町にある日吉ダム一帯で行われ、4日にかけて多くの人や車が訪れました。
【会場の入り口ののぼり旗】
【夕暮れの天若湖と参加者】
夕闇も迫る頃、湖面に青白い灯りが、ぽつぽつと見え始めます。闇が濃くなってくるに伴って、灯りがはっきりとしてきます。
【つき始めた灯りと正面には日吉ダム】
この灯りは、ダム湖に沈んだ5つの村の民家のあった正確な場所に、その数だけともされています。
【世木半島の対岸からの灯り 正面は灯りの道のある世木半島】
近くの日吉町郷土資料館にあるかやぶき民家は水没した天若地区にあったものを移築し、夕刻より、古民家はライトアップされていました。
ゆっくり回って1時間くらいのダム周遊の道を、自家用車でも回れるのですが、昼間の地形を知っていないと、とにかく真っ暗です。初めての人にはガイドつきのバスが数台出ていたので、それに乗せてもらいました。乗り合わせたバスには、遠くから参加の方々もおられました。
【バス受付風景 「スプリングひよし」内】
【スタッフの方々】
参加者にはバス毎に色の違う蛍光ブレスレットが渡されます
【バスの中】
ガイドさん、つまりアートプロジェクトのスタッフさんです。
バス内でいただいたパンフレットとブレスレットです。
「かつてこの地には、桂川とともに生きた集落があった。・・・地域の自然とともにあったその集落が湖底とともに消えたのは比較的最近のことである。」(「あかりがつなぐ記憶2011報告集」より)とあるように、この村々の離村式が行われたのは1987年、ダムが完成したのは1998年のことなのだそうです。
【昼間の天若ダム】
このイベント「あかりがつなぐ記憶」は、天若湖アートプロジェクトが2005年度から主催していて、今年で9年目になります。「かつてそこにあった暮らしの記憶を、ありありと伝えること、そしてこの新しい空間を新しく生き、そこに経験を与えていくことが、このプロジェクトの目的」と先の報告集にあるように、このイベントは長く広く、流域の人々と関わっています。
バスを降りて、地域の方から昔のお話しを聞いています。
例えば、湖面に浮かべる灯りは、流域のさまざまな大学の学生有志がGPSとボートを使って準備しています。また、湖岸での「杉カフェ」や「水の杜展」の展示や、昼間の「桂川で遊ぼう」プログラムも、さまざまな団体によって提供されています。湖畔の会場へ通じる道には、灯りの街道ができていました。特に「鮎ねぶた」という足元を照らす灯りは、子ども達の作品もみられました。
【足下の灯り】
【鮎ねぶた】
バス内でいただいたばかりの今年のパンフレットには「風景とアートの力によって、水没地域、地元、そして流域のそれぞれの人々が、ともにこの場所に触れ、地域固有の魅力や課題を感じ、それについて考える機会を創り出す。」とありました。息の長いこのプロジェクトが、これからもずっと続きますようにと思いながら、写真を撮っていました。
【夢の掛け橋からの灯り】
【天若湖から日吉ダムを臨む】
*昼間の写真は、しがNPOセンタースタッフが別の日に訪問し撮影したものです。昼間の景色と、夜の景色を併せてご覧下さい。