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京都府和束町における、野性動物との共存を目指す、豊かな森復元モデル事業 /いきもの多様性研究所

事業の概要

人工林の多い京都府和束町において、生物多様性保全や里地における獣害の 軽減、野生動物との共存をめざし、森林再生の活動を進めます。地域住民や行政 など多様な人とつながりながら活動します。

いきもの多様性研究所の活動写真

報告 京都府和束町における、野性動物との共存を目指す、豊かな森復元モデル事業

3月15日、いきもの多様性研究所の皆さんが間伐作業をされる現場に伺いました。
茶畑に囲まれた和束町。山に入る前にまずはミーティング。今日がこの山での作業、第1回なのです。
今回、兵庫、京都、奈良から全部で16人の方が参加されていました。和束町地域力推進協議会の「わづか まちづくりびと 井戸端会議」から生まれたプロジェクトということもあり、地元和束町の役場の職員の方や地元の方、この町で森作り活動をされている企業の方、事前研修で指導された林業の経験豊かな太子町人工林間伐隊の方や、山での作業が楽しいというボランティアの方など。幅広いネットワークとなっています。

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山主さんからごあいさつと、この山の説明がありました。この看板に書いてあるように、古墳もあるし旧街道も通っている歴史ある場所だそうです。京都府の和束町は、滋賀県甲賀市の信楽町に隣接しています。信楽には一時期、都が置かれていたので都から奈良を結ぶ街道が整備されていたのです。

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いきもの多様性研究所の方と連携されている太子町人工林間伐隊の方から、間伐作業の時の注意点などの説明がありました。
間伐作業はとても危険です。ヘルメット、軍手は必ず身に着けます。自己紹介をすませ、名前をヘルメットに表示したらいよいよ作業開始です。

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助成金でヘルメットやノコギリなどの装備を購入されています。

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去年の台風のせいもあり、一面に枯れた枝が散乱しています。まずはそれらを集積場所に重ねていく作業から。

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古い道を登り山に入ったところに、古墳の看板。古墳が私たちを見下ろしています。
この古墳の周辺から取りかかります。

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ある程度、地面がきれいになったらあちこちで間伐作業が始まりました。
既に切れ目を入れて立ち枯れさせているもの、または細いものを選んでノコギリで切っていきます。女性の参加も多く、がんばっておられます。
木を切るだけならすぐに切れます。しかし倒す時には方向を決めて、人間が下敷きにならないように慎重に倒さなければなりません。

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幹を切り終わりました。

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今度はロープを掛けて引き倒す準備です。

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木を倒す方向と全く同じ方向に人がいないよう、2方向から引っ張り真ん中に倒します。

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無事、倒れました。
木は倒れた後、跳ね上がるので近くにいてケガをしないよう要注意です。
今回は経験豊かな方が、それぞれの場所で指導されながらの間伐作業でした。

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木が倒れたら、枝を落としていきます。

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落とした枝、そして1.8mくらいにカットした幹を集積場に積んでいきます。
集積場には切り株などで支えを作り、大雨でも簡単に流れ出さないようにすることが、川の氾濫を防ぐためにも重要なのだそうです。

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1時間半程度で、こんなにすっきりしました。木漏れ日が林の中を明るい印象に変えています。

いきもの多様性研究所の西本さんは「放置された人工林の山は、去年の台風などで水路に流れ出してせき止め、川をあふれさせるなどの原因となりました。
豊かな森は単なる産業の場ではなく、多種多様な生物の棲む環境であり、保水機能など人の暮らしの安全を支える面を持っています。和束町にご縁をいただき、放置された人工林に手を入れ、生態系を復元し、災害防止や水源涵養に資する森に戻していくことについて、山主さんからご理解を得ましたので、、たくさんのボランティアの皆さんが安全に楽しく間伐作業を継続して行うことで、豊かな森を復活させていきたいです」とおっしゃっていました。

同じ和束町の湯船森林公園では、2008年から平和堂の森林保全活動「平和の森づくり(京都地区)」植樹活動も実施されています。
荒廃する人工林を明るく豊かな自然環境に戻す、いきもの多様性研究所の皆さんの取り組みが広まって長く続いてほしいと感じました。

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