地域のみんなで『十禅寺川いきもの調査隊』 /あおむしくらぶ
事業の概要
滋賀県草津市内を流れる十禅寺川は、地元の私たちはあまりこの川のことを知りません。そんな川に参加者を募り「十禅寺川いきもの調査隊」として、子どもも大人もゴミをひろい、生き物・水質調査をしたり、川について調べて情報を発信します。
暑さの残る9月21日(土)、あおむしくらぶの活動訪問に行ってきました。 あおむしくらぶは、十禅寺川での生き物観察を通して、その生物が暮らす環境について学び、地域全体で保全について考えるきっかけづくりをされています。また、生き物観察と合わせてゴミ拾いを行うことで、川の美化活動も行っておられます。
この日の参加者は、9家族子ども12人でした。まずは老上まちづくりセンターに集合し、オリエンテーションです。「今日はどんな魚がいるかな?」「どんな魚を見つけたい?」 スタッフと一緒に、探したい魚のシールを「十禅寺川いきもの調査隊記録ノート」(以下、記録ノート)に貼り付けます。
そして、生き物観察をする時の注意点、特定外来生物や条件付特定外来生物の扱いについて説明を聞き、川までの行き方を確認し、いざ出発です。
小学3年生位までのチームは旧十禅寺川へ、小学4年生以上のチームは新十禅寺川へと向かいます。
旧十禅寺川は浅瀬が多く、低学年の子どもたちでも入りやすい川でした。
「ザリガニの赤ちゃんかな?エビかな?」「魚見つけた!」
早速子どもたちは生き物を捕まえます。
旧十禅寺川は草津市が管轄のため、スタッフがあらかじめ市に活動趣旨を伝え、活動エリアの草刈りをしてよいか確認をした上で、あおむしくらぶがお世話になっているぱたぱたふぁーむの方が当日草刈り機で草を刈ってくださっていました。
「子どもたちが安全に入れる川になればと思っているのですが、空き缶やCD、炊飯器など色々なゴミが流されてきています。川を清掃し、きれいな状態を保つことができたら生息する魚も増えると思います。」とスタッフの野村さんは活動への思いを話されていました。
新十禅寺川は滋賀県が管轄している三面コンクリート水路で、側面には川に降りるための階段がついています。子どもたちが川に入りやすい場所のはずが、普段は草が生茂り、川の中は苔が生えて滑りやすく、空き缶等のゴミも捨てられていて危険が多いそうです。生き物観察と合わせて参加者が清掃活動を行うことで、安心して川に入ることができる環境づくりを行っておられました。
新十禅寺川では、イシガメとミシシッピアカミミガメを発見。
活動の際に野村さんは、草津エコスタイルプラザから透視度計を借りて、透視度を測っておられるそうです。この日の透視度計は100度以上でした。
観察活動が終わると再び老上まちづくりセンターへ戻り、採った生き物の観察です。この日、生き物について詳しく教えてくださった先生は、滋賀県立大学大学院で淡水生物の研究をされている学生と、ネイチャーゲームインストラクターをされている方でした。 採った魚はメダカ、モツゴ、ヌマムツ、トウヨシノボリ、ウキゴリ、カワニナ、イシガメなどでした。
子どもたちは、それぞれの特徴を聞き、記録ノートに書きます。
最後にネイチャーゲームインストラクターの方から、「ホタルがエサとして食べるカワニナがいるのに、川にはホタルがいない。それってどういうことかな?」という問いかけがあったり、参加した子どもたちが生き物観察を通して環境について学び、考える時間になりました。
あおむしくらぶは、子どもたちが身近な川に親しみが持てるよう、定期的に生き物観察と清掃活動を行っていかれる予定です。