森林保全活動および炭竃復元炭焼き継承実践活動 /府民の森ひよし森林倶楽部
事業の概要
森林公園「府民の森ひよし」の公園内や周辺の森林整備や体験学習などに取り組んでいます。炭焼きの技能を継承するために、炭窯を補修し、炭材採取のための間伐や炭焼きを体験会として実施します。
2025年12月20日(土)、京都府南丹市日吉町の「森林公園はぴろー!の森 京都」(以下、はぴろー!の森)で活動されている府民の森ひよし森林倶楽部を取材しました。
京都丹波高原国定公園内、天若湖のほとりに広がるこの森林公園へは、最寄り駅から田畑を抜け、山道を進んで到着します。道中には静かな自然に囲まれた温泉やプール施設がありました。
府民の森ひよし森林倶楽部は、京都府がこの公園で実施した森林ボランティア養成講座の修了生を中心に立ち上がった団体で、森林整備や人と森をつなぐ交流活動を目的に活動を続け、今年で創立23年。園内で森林整備を行っています。公園はもともと京都府が管理していたため、伐採作業に使う機械や、丸太の運搬、枝払いに必要な機械や道具をそのまま引き継ぐことができ、充実していました。
昔、この地域では14~15人くらいの人が炭焼きで暮らしを支えていました。炭焼きに適した木が生えている所に窯をつくり、木がなくなると新しい場所にまた窯をつくるため、多くの炭焼き窯が点在していたそうです。伐採した山は幼木が成長するのを待ち、植林もすることで山の資源を守りながら炭を作っていました。
生活燃料が石油やガスに変わっていったことで炭の需要は減少し、炭焼きをする人や使われる窯も減っていきました。八木町(京都府)で最近窯開きされたものを含め、残る窯は全部で8窯。そのうちのひとつが、今回取材で訪れた「ひよし窯」です。はぴろー!の森に再現された炭窯は伝統的な方法でつくられ、小屋には手書きの看板と夏原グラントのマークも掲示されていました。
この炭窯は日吉文化である炭焼き技術の継承のため2007年に学生と市民で造ったもので、現メンバーが中心となり、昭和30年代ごろまで京都府南丹市日吉町四ツ谷周辺で行われていた炭焼きの技術を継承してきました。
炭焼きのため、窯に木を詰める作業を見せていただきました。炭焼きを広めるために野菜、果物、植物などの自然物の形を崩さずに焼き上げる「花炭」を作る取り組みも行われており、炭用の木とともに、花炭の材料を詰めた缶も窯の中に入れました。

炭焼きは窯に木を並べ、隙間には細い木を差し込んで隙間を埋めます。

内部温度が上昇すると窯の上部は土で出来ているため膨張し、冷えると収縮しもとに戻ります。
この膨張と収縮を繰り返すことで炭窯の内部に亀裂が生じてきます。
今年度、この修繕のため夏原グラントの助成を受けられましたが、修繕のための調査をした結果、その規模が当初計画していたものより複雑になることが分かり、実際の修繕は次年度になるそうです。
この日に合わせて府民の森ひよし森林倶楽部がホストとなり「第3回炭焼きサミット」が開催され、京都府内で炭焼きをしている団体や関係者など33名が集まり、団体の紹介や、窯の現状報告、またそれぞれが抱える悩みなどリアルな声を共有し、お互いに知恵を出し、助言されていました。
サミットの第1回は美山町の下区集落で行われ、その時のホストは今回の参加団体でもある美山町下区美山窯。この団体は2024年度の夏原グラント助成金採択団体でもあります。
炭焼きは、単に炭を作る作業ではなく、里山や森林の保全と向き合いながら、その土地ならではの文化を守り次の世代へ伝えていくこと。炭窯は土地の素材を使って築かれ、活動のフィールドは自然そのものです。天候や環境の影響など、時には予期せぬ出来事に直面することもあります。そうした中で、どの団体も高齢化や後継者育成といった共通の課題を抱えている様子がうかがえました。
一方で、同じ炭焼きに携わる人々が一堂に会し、年度は異なっても助成金をきっかけに団体同士がつながり、交流を深められることはとても大切だと感じました
※一部画像はサミット参加団体「里まる」から提供いただきました。




