里山復活事業 /棚田・里山・古代米・鮒プロジェクト
事業の概要
大津市真野の棚田エリアにて、里山・棚田の景観復活に取り組んでいます。棚田周辺の山裾の雑木伐採を行い、整地して果樹を植樹します。またその開拓したエリアを環境学習や集いの場として活かしていきます。

晴天の5月23日、大津市にある県営春日山公園の棚田エリアで活動されている、棚田・里山・古代米・鮒プロジェクトを訪問しました。
棚田・里山・古代米・鮒プロジェクトは、棚田(里地、里山)を人と自然が共生する場として多くの市民が活動に参加し、田植えや収穫など様々な体験することで生き生きとした地域社会を実現することを目的に活動されています。
棚田エリアに続く道と棚田入口です。
今回の助成事業は、日照するエリアを拡大するために、電気柵で囲われた棚田エリアの周囲に生い茂る木を切り、下草刈りをする活動がメインです。そうすることで、開墾したエリアには果樹を植えるなど活用することができます。
訪問するとまず、代表の冨田さんから棚田エリア全体の説明をしていただきました。
訪問日の前週に田植え体験をした田んぼ。ビオトープもあります。
今回開墾するエリアは雑木や笹が膝の丈ほど生い茂っていました。中々の急斜面です。
そして活動がスタートです。
この日の参加者は6名でした。メンバーは、近くの方もいれば京都から来られている方もいるそうです。さっそく、棚田エリアで畑作業、団体ホームページ用の写真撮影、雑木の伐採をするメンバーとそれぞれに分かれて活動をします。
伐採チームはまず開墾するエリアで倒す木を決めます。方向を確認しながら出来るだけ南の木を切っていきます。
倒す木にロープを巻き、倒す方向にある別の木と結び付けテンションをかける(ピンと張った状態にする)ことで、その方向に倒れるよう調整します。
ロープを結びながら、南京結びのレクチャーをする冨田さん。
得意なことや詳しいことがみんな違うメンバーが、お互い教え合いながら活動をされているそうです。
取材をしている間にのこぎりと斧、チェーンソーを使って3本の木を伐倒しました。
倒した木は枝も全て短く切ります。
この日は、木を切った時に一緒に倒れてしまった電気柵の杭の修復もされていました。
葉は腐らせてたい肥にします。木は、棚田で育てた稲の天日干しをするための稲木に使えるものもあれば、ヒノキなどの針葉樹は水分量が多いため使い道を考え中だそうです。
雑木の多い奥のエリアは団体だけでは伐採しきれないため、別の団体に依頼して切ってもらっているそうです。
開墾を予定しているエリアは、元は水田と畑だったとのこと。整備できたら近くにある池から水を引き、イチジク等の果樹を栽培される予定です。近くの電気柵エリア内には、すでにイチジクが植わっていました。
今回の助成事業の活動は、年間通して動いておられる黒米の栽培、棚田整備、生き物観察等の合間に予定を組んで実施されるそうです。時間のかかる作業となりますが、冨田さんは元ある棚田、里山の姿にして、次世代につないでいきたいとおっしゃっていました。