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北近江びわこ見守り隊 /湖国ひとまちネット

事業の概要

琵琶湖は湖周道路が整備され、砂浜や公園等の観光スポットがたくさんあります。しかし環境マナーの悪化により、水質問題やゴミ問題などもあります。 そこで、市民活動として「私たちの地域は私たちの手で」という発想で、「環境保全・美化活動」の寺子屋講座を開催し、湖北に住む皆さんに広く啓発を行います。 また、ネットワーク作りとして、同じ目的を持った滋賀県内の活動団体に呼びかけてサロンを実施します。 そして琵琶湖湖岸の藻を乾燥させ、畑への再利用活動と、流木を薪に加工し、燃料として福祉施設で利用してもらいます。

湖国ひとまちネット 活動の写真

2016年11月11日、湖国ひとまちネットが長浜市民交流センターにて開催した「いきいき体験講座の集い」に参加してきました。

湖国ひとまちネット 活動の写真
湖国ひとまちネットの代表・藤井伊佐美さんのあいさつから開始です。
湖国ひとまちネットとは、長浜市で活動するさまざまな分野のサークルをつなぐネットワークのことです。その中からいくつかピックアップしてみると、長浜市立図書館など市の施設の植木の剪定や管理、傾聴ボランティア、富田人形浄瑠璃へのボランティアなど。会員54名が参加しているそうです。

今回の「いきいき体験講座」は、健康体操、ボランティアとは、認知症などの内容で定期的に開かれている講座のうちの1回。「2016 聞いて・見て・フェスタ 地域を美しくしませんか」というフェスタとして、特別講演がありました。

湖国ひとまちネットでは、湖北びわこ見守り隊という組織を立ち上げ「私たちの地域は私たちの手で」と、環境美化保全活動ボランティアの輪を広げるため活動しています。

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湖国ひとまちネット会員でもある、近藤松二さんのお話は、ご自身が毎日朝5時から7時まで行っている豊公園の琵琶湖湖岸の清掃活動に関することを中心に、世界の環境の状況についてなど幅広いものでした。

近藤さんは会社員時代、食品製造業社の営業として車に乗って国を走り回っていました。その町に行くと、どんな町なのかを観察し「この町は観光で栄えているから観光業に売り込もう」など判断していたそうです。

その後、仕事を辞めて地元長浜に帰ってきたところ、同じように観察したら「なんていい町なんだろう!」と驚いてしまいました。湖、山、森、歴史的遺産があり、大都市にアクセスがよい……。こんないいとこは全国的にもあまりない、と感じたそうです。

ところが、琵琶湖の湖岸に行ってみると、打ち寄せられた藻、流木がいっぱいで草木も茂り、歩くにも危ないような状態の箇所もありました。

そこで「豊公園からやってみよう!」とたった一人で早朝の清掃を始めました。続けていくうちに「きれいになりましたね」という言葉が行き交うようになり、きれいになる速度が加速していったそうです。

砂浜に打ち上げられた藻は、そのままにしておくと腐り異臭がひどくなります。そこで藻はいったん水でほぐし、砂を落としてから干し草用フォークですくって石やブロックの上に広げ、乾燥させます。完全に乾燥したら希望者に分け、畑に入れてもらいます。すると、トマトなど、野菜の生り物の生育がよくなると評判だそうです。藻にはリンが豊富に含まれているのでよい肥料になっているのですね。

「外国の人が琵琶湖見ると、とても驚きます。
『これだけ人口が多く、工場も多いのに水がきれいだ!』というのです。
でも、見た目はきれいかもしれませんが、魚が住める環境と一致はしていません。
現にセタシジミはとれなくなっています。農薬のせいなのか、内湖を埋めたせいなのか、川をまっすぐにしたせいなのか、原因はわかっていません。
だから、琵琶湖の水に代表される環境問題は、目に見える部分だけじゃなく目に見えない部分もきれいになることが大切だと思っています」と、近藤さん。

近藤さんのお話から、同級生がいっしょに活動してくれるようになったことや、親子連れが夏休みの研究としてゴミの数などを記録しながらゴミ収集をしていて、夏休みが終わってもお母さんは朝、湖岸に来てくれるようになったことなど、たくさんの人に活動の輪が広がっていることを知りました。

お話が終わると、途中から参加していた、長浜市市長の藤井さんもひと言挨拶。

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朝、近藤さんが清掃活動をしているところに市長の藤井さんが通りかかると挨拶しお話する仲だそうです。
「行政だけでは手が回らないことが山ほどあります。市民と行政がスクラムを組んで取り組みたいと思います」。心強い言葉です。

フェスタが終了したら、希望者は近藤さんのフィールドの現地研修に出かけました。

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このあたりの芝生を刈り、樹木の剪定も行っているそうです。

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これが打ち上げられた藻です。石の上で乾燥させているので臭いはほぼありません。

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木の後ろに、長浜城が見えています。
芝生の手入れ、注意書きの看板もボランティアの皆さんの手によるもの。

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公園の灯籠のあたりには、太閤井戸があります。

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これが太閤井戸跡の石碑です。
もともと長浜城内にあった井戸ですが、大地震でこんな波打ち際になってしまったそうです。また、津波も記録が残っているそう。
大震災を今に伝える大切な石碑ですね。

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波打ち際には藻が積み重なりつつありました。

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こちらの皆さんが、近藤さんの仲間。こんどの活動をどうするか打合せ中です。

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この橋も流木などを使って、ボランティアの皆さんで作ったものだそう。
清掃活動やこういう細かい気遣いの甲斐あって、豊公園の湖岸にはたくさんの子どもやカップル、観光客が集まってきて、気持ちよさそうに歩いたり遊んだりしていました。

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今回のフェスタでは、行政の方も含めて全部で45名が参加し、新しい会員の加入もあったそうです。

湖国ひとまちネットが立ち上げる「湖北びわこ見守り隊」が、近藤さんたちとも手を取り合ってこれからの湖北の環境を見守り、活動することを期待します。

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