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里山の保全 地域のコミュニティづくり /重利の山を守る会

事業の概要

住宅地のすぐそばに広がる重利の山。スギの植林や雑木林は長期間手入れをされず放置されているため、間伐やナラ枯れの木の伐採が必要です。そこで間伐したスギ材を利用した小屋や家具をつくり、近隣の住民や子どもたちが憩える場としています。 自然観察会や、子ども会行事としての山遊び、薪によるピザ焼きなど、を体験してもらいます。ナラをホダ木としてシイタケ栽培も行います。親子で参加してもらい、山の手入れをする会員増加をめざします。

重利の山を守る会の活動の画像

2018年7月20日、重利の山を守る会の拠点にお邪魔しました。
重利の山を守る会の活動の画像 重利の山を守る会は、京都府亀岡市の住宅街のすぐそばにあります。
重利の山を守る会の活動の画像 この山は個人の地主さんが持っているのですが、昔スギを植林し間伐もせずそのままになっていました。そのスギが住宅街のほうへ倒れてきそうだったので、付近に住む皆さんが、何とかして欲しいといろいろなところに訴えていきました。しかし、なかなか動いてもらえず「自分たちでなんとかしなければ」と立ち上がったのが重利の山を守る会でした。
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間伐などで山の手入れを行って補助金をもらうことが、きっかけとなり地域に住む人といっしょに会を作り活動を始めたのです。
重利の山を守る会の活動の画像 急斜面の山を少し上ると、間伐材を使った手作りの小屋があります。小屋の中には台所、ピザ石窯、テーブルと椅子など、地元の人たちが気軽に立ち寄れるような暖かい雰囲気の場となっていました。

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驚いたことに、小屋自体だけでなく立派なピザ窯も手作りだそうです。メンバーの中に左官屋さんや大工さん、ロクロで木製の器を作る木地師などの職人さんがいるので、こんなに美しい仕上がりになっているのです。

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もう一つの東屋の方にも案内してもらいました。この日、親子連れを対象としたイベントが開催されているのです。イベントメニューはお昼に石窯でのピザを焼いて食べることと、間伐材を使った木工細工のワークショップです。皆さん参加費を払って木材と道具を使い、小鳥の巣箱や鉛筆立て、人形など、好きな物を作れるそうです。

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事前にチラシを見て申し込んだご家族が、会のスタッフの指導を受けながら楽しそうに作品に取り組んでいました。どう見ても子どもたちよりもお父さんのほうが全力。夢中になっているのがわかります。

やはりこの会の悩みも、次の世代へどう継承していくか、です。どうしても同じ世代が活動して歳を重ねていく傾向があるため、今日のような親子で参加できる楽しいイベントを織り交ぜながら、新しい会員を誘っているそうです。実際に、こういうイベントがきっかけで会員になった方も多いということでした。京都の街中から来る人、ここにおじいちゃん、おばあちゃんが住んでいる人など、いろいろな人が参加しているそうです。

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長瀬さんに、会で手入れしている山を案内していただきました。急な斜面ではありますが、歩きやすい道が作ってありますし、視界がさえぎられない程度に間伐された林が周りにあり、森の中にいる心地よさを感じることができました。

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こちらの立木は皮をはいでしまうことで時間をかけて立ち枯れさせ、乾燥状態で切り倒し、木材として加工するそうです。この立木を1本いくら、で買い取ってもらい、ここの東屋で加工賃をもらってベンチなどに仕上げる、という計画もあるのだそう。資金調達に知恵を絞っておられます。

重利の山を守る会の活動の画像
重利の山を守る会の活動の画像
重利の山を守る会の活動の画像
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林のあちこちに椎茸の原木、展望デッキなどが設置されています。展望デッキのクライミングボードなど、子どもたちが遊べる環境が整っています。

重利の山を守る会の活動の画像
子供たちだけでなく会の皆さんたちも生き生きと働き、楽しそうです。代表の長瀬さんが今までの経緯などをお話してくださいました。

「地主さんとの折衝も、何度もお願いをしてやっと自由に木を伐ってもよい、ということにしてもらいました。ピザ窯のある小屋には電気も水道もありませんから、会員の家から引かせてもらっています。

こういう水道代・電気代、山整備のための道具はこちらで何とかしなければなりません。会を立ち上げてから4年、今までに京都府のふるさと再生プロジェクトと亀岡市の助成金を3年間受けて道具などを調え、助成期間がこの春で終わったところです」。

今回の夏原グラント助成金で、さらに環境整備を進めるそうです。

重利の山を守る会の活動の画像
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石窯のピザが焼けたら、お昼ご飯の代金を払って食べさせてもらいました。ピザ、燻製したチーズや肉、ソーセージ、スープ。どれも美味しい!子どもたちは自分で具をトッピングしたピザを満足そうに食べていました。

重利の山を守る会の活動の画像
危険だった裏山を、憩の場として住民自ら手入れする。それも間伐作業などのたいへんな作業だけでなく、拠点やおいしいものまで手作り。みんなで楽しみながら行うのがポイントですね。

また、最近では防災や防災のため、水を備蓄し、防災カレーライス試作、防災ポンチョ作り講習や夜間訓練などもここで行うなど、地域の安全安心を守るためにも重要な役割を果たすまでになっているそうです。

重利の山を守る会のみなさん、これからも楽しくおいしい活動を織り交ぜながら環境を保全し、地域を守っていってください。

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