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はれザウルスの森の再生と涵養~カブトムシの棲む森へ~ /特定非営利活動法人 おとくにパオ

事業の概要

京都西山の一角にある活動拠点の森(はれザウルスの森)を再生させるための整備活動を学び、実践しながら、子どもたちの源流探し・キャンプ等を行います。また、新たなスタッフを募集し、おまつりや報告会で活動情報を発信、近隣で活動している環境団体とも協働していきます。

おとくにパオ活動写真

2014年10月11日土曜日、京都府長岡京市にある、はれザウルスの森で行われる おとくにパオのキャンプを訪問しました。

朝10時、子ども20名、大人13名が長岡京市立長岡中学校に集合し、自動車に分乗したら出発です。目指すは市立西山キャンプ場。このキャンプ場は、おとくにパオが拠点として活動をしている、はれザウルスの森のふもとにあるので、テントに泊まりながら森での活動ができるのです。

おとくにパオ活動写真
道路は山の途中で行き止まりになっているので車を停め、歩いてキャンプ場に向かいます。子どもたちも道具や食料を手に持って行きます。草ぼうぼうの道をたどり、小さな川沿いをしばらく進んでいくと獣よけの柵と扉が。すぐにトイレや炊事場が見えてきました。とてもシンプルな設備です。中学校を出発して40分が経過していました。

おとくにパオ活動写真
子どもたちがリュックを下ろして小川で遊び出そうとしていると、スタッフの方から
「持って来た水とお米を出してください!」
という指示。みんな家から洗ったお米1合、洗ってないお米1合、2リットルの水を持参しています。
「荷物出したら軽くなったわ!」
という声も聞こえてきました。

おとくにパオ活動写真
おとくにパオ活動写真
炊事場のテーブルに食料を置くと、もう少し奥のテントサイトに移動して班分けです。この二日間は学年もバラバラにした班で生活するので、子どもたちも真剣。仲良しと離れてしまった子は文句たらたらでした。新しい班が誕生したらお互いに自己紹介後、班の名前を決めて班の旗を作りました。

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再び集合して、キャンプでの注意とテント張りの説明です。
「キャンプでは火を使いますが、火のついた木を振り回さないこと。火で遊ばないこと!自然の中には危険が多いです。草むらに入るとマダニがいます。なるべく行かないようにしましょう。スタッフの人は腕章をしています。スタッフの人の話はよく聞いてください」と注意が終わると、テント担当のお父さんが説明しながら、一つの班のテントを見本として張っていきます。最初は引っ込み思案だった子も、全員がせーの、で協力しないといけない場面では、しっかり役割を分担して動くようになりました。

おとくにパオ活動写真
見本が終わったら、各班でテントを張ります。地面の傾斜や中央のキャンプファイヤーから離れたところを選んで場所を決めていました。キャンプ経験者はテントを建てるのも大人の手助け無用。すぐに完成し、班旗づくりに力を入れていました。

おとくにパオ活動写真
おとくにパオ活動写真
大人の大きなテントも建って、何も無かった広場はにぎやかなテント村に早変わりです。

ここでお昼ご飯の時間となりました。持参したお弁当をテントの中など思い思いの場所で食べました。午後からは、いよいよ はれザウルスの森での活動です。

おとくにパオ活動写真
キャンプ場から山道を登ってしばらく行くと、手作りの遊具がいっぱい!ブランコ、ターザンロープ、ティピー。
さっそく子どもたちは夢中で遊び始めました。

おとくにパオ活動写真
めちゃめちゃ楽しそうです!
この森は、山の持ち主の方のご厚意でお借りして、15年ほど前からおとくにパオの活動の拠点となっています。道具を置くログハウスも、大人のメンバーがキットを手で運んで建てたもの。
おとくにパオはもともと親子で演劇を楽しむ「親子劇場」から始まりました。観劇の事業とは別に、はれザウルスの森の自然の中で活動する事業も平行して開催してきたのです。現在はこのほかにも、高校生以上の若者グループ「ピース」が、企画から実施まで行う「無人島キャンプ」や奇想天外な運動会「パオリンピック」を実施しているのだとか。やはり子どもが活き活きと輝く活動に徹しているのですね。

おとくにパオ活動写真
おとくにパオ活動写真
高いブランコもへっちゃら!
子どもたちは、とてもワイルドに育っています。
しばらく遊んだら、各班のリーダーたちからミッションが伝えられました。
「2時間の間にかまどでカレーを焚く木や枝を土嚢にいっぱい集めること。もうひとつは、カレーを食べる時に腰掛ける椅子を切り出すこと」。
子どもたちの間から「めんどくさーい!」という声がすかさず上がり、思わず笑ってしまいます。

おとくにパオ活動写真
子どもたちが遊ぶ森は気持ちよい場所ですが、よく見ると枯れ木がまじり、こんなふうに倒木も多いのです。間伐をしなければ健康な森を維持することはできません。キャンプの前には夏原グラントの助成を使って、自然保護活動をしている、おとくに自然を守る会の方に「はれザウルスの森を守るにはどうしたらよいか」というお話を聞き、実際に一本の木をお父さんたちがノコギリで切りたおしました。

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今回は、その切り倒した木を切って短い丸太にして、子どもの腰掛けにしよう、というのです。幹の直径は太いところで20センチを軽く超えていますから、ノコギリで子どもが切るには結構な時間が掛かりそうです。でも次第に夢中になって取り組み「めんどくさい」という言葉をすっかり忘れている様子です。

おとくにパオ活動写真
およそ20分で片方が切り落とせました。おっと、もう片方も切らないと。

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くるくる回しているうちに、らせんに切っていたことが判明してくじけそうに。でもがんばりました。

おとくにパオ活動写真
「イエーイ!」やった!すてきな椅子ができました。

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名前も書き込んで世界にひとつだけのマイ丸太椅子の完成。記念写真の顔は満足そうですね。

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椅子ができたら夕食のカレー作りにとりかかりました。ここからはしがNPOセンターのスタッフは帰りましたので、後から写真を送っていただきました。

おとくにパオ活動写真
みんなで集めた焚き付けを使って炊事です。

おとくにパオ活動写真
ご飯とカレー、おいしくなーれ!

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できあがった時には、とっぷり日も暮れて、椅子がよくわからなくなってしまいました。でも、満足そうな顔がちらりと見えますね!
この夜、暗闇の中で五感を研ぎ澄ます体験をして、翌日無事テントを撤収し、みんな元気に帰ったそうです。

今回キャンプに半日ご一緒してみて、森に来ると子どもたちが本当に活き活きと遊ぶ姿が印象的でした。

おとくにパオ代表の森口さんは「とにかく子どもたちが楽しく遊んで森を好きになってほしいんです。そして大人になってから『大切な森』と感じて守ってほしいと考えて、今のプログラムを行っています。
たとえば毎年行う『源流さがし』では、自然の中に初めて出ていく子どもが何人もいます。最初は文句ばかり言っていた子がいつしかキリッとした顔つきに変わっていて『ここ危ないから気をつけて』と仲間を気遣うようになるんですよ。その瞬間を見るたびに、この活動は辞められない!と思いますね。

この前、おとくに自然を守る会の方にはれザウルスの森を見ていただき、安全面でアドバイスを受けました。これには夏原グラントの助成を使っています。通常の事業を安全に行うために助成金を使うことができて、とても感謝しています。」とおっしゃっていました。

子どもたちの目の輝きを守る裏方として、おとくにパオの皆さん、これからも長く活動を続けてください。

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