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親子の食育菜園~はたけっこ~ /特定非営利活動法人 百菜劇場

事業の概要

特定非営利活動法人 百菜劇場は、滋賀県近江八幡市で農薬や化学肥料を一切使わない農業で野菜と米を生産しながら、消費者に環境にやさしい農業への理解を深める活動を行っています。この事業は、好奇心豊かな幼児期に、親と共にはたけや田んぼで遊び、作物を育て、それをいただくことを通じて、食べもの・生きもの・環境などの大切さを感じる場を作ります。また、連続講座を開催することで、他の地域・団体でも広く使える体験プログラムをつくりテキスト化して、これを運動として社会へと広げていきます。

百菜劇場 活動写真

 2014年11月20日、百菜劇場の「はたけっこ」の活動にお邪魔しました。地域の子育て団体「ひとつぶてんとう園」のスタッフの方を交え未就学児とおかあさん10組21人が、百菜劇場の畑で「育てる・つくる・食べる」を体験します。今日のつくる体験の目玉は、燻製。調理指導のために講師もお見えになるとか。期待が高まります。

百菜劇場 活動写真
ひとつぶてんとう園は、自然で遊び、学ぶ、親と子の自主保育園です。湖や川、山、畑をフィールドに、親も子も互いにそこにある生命(いのち)とふれあい、自然の「ほんまもん」を知り、子育てや生き方を見つめています。活動している中で、無農薬・有機栽培で農業に取り組む百菜劇場とのすばらしい出会いがあったとか。「はたけっこ」にも関わりながら、園の活動に活かしていきたいと取り組んでおられます。
百菜劇場は、自然に生かされていることを体験できる場を創出すること、そしてその運動を社会に広げていくことを目指して活動に取り組んでいます。この事業を通して、他団体や他地域でも活用できる汎用性のある体験プログラムをまとめたいとのことです。

 百菜劇場の畑は近江八幡市北之庄町の県道沿いにあります。

百菜劇場 活動写真  
 この百菜劇場の農園では季節ごとに農薬・化学肥料を使わない野菜づくりに取り組んでいます。今日は、月1回の「はたっけこ」の日です。時期的に植える野菜はないとのことで収穫が中心、そしてつくるは燻製です。その前に、前回種を植えた豆類が芽を出したとの報告がありましたが、これは畑に植えないとのことです。好きな人が持って帰っていいとのこと、「え~っ! いいんですか!」とみなの歓声が上がりました。

百菜劇場 活動写真
 収穫が始まります。
 ダイコン、ニンジン、カブ、ミズナ、コマツナなどなど。それぞれ数種類が植えられており、その特徴を教えてくださいます。そしておいしいものの見分け方のポイントも。「カブは実が横にしっかりと張っているのがおいしいです」「ニンジンは、葉が出ている根元が小さい方が甘味がつよいです」。買物で選ぶ時の参考になります。

 親子で野菜を収穫します。ひとつぶてんとう園のあいことばに「大人はお口チャックに手は後ろ」があります。ついつい出てしまいそうな手を引っ込めながら、収穫の体験を子どもたちと楽しみます。

百菜劇場 活動写真
百菜劇場 活動写真
百菜劇場 活動写真
 サトイモは、シャベルで掘ります。ザクッと掘り返したサトイモを、親イモ、子イモ、孫イモに分けながら解説をしていただきます。「えっ、そうだったの?」「ふ~ん」と言葉が飛び交います。

百菜劇場 活動写真
 「教えてもらうからわかるけど、そうじゃなければ知らずにいることばかりだね」とおかあさん同士でも会話が弾みます。ちょっとしたことなのだけど、知ってみると大きなことと繋がっていると感じられるのは、自然の中での体験だからこそなのかもしれません。
 畑から戻り、食事の準備をします。その前に・・・・今日の収穫の成果です。

百菜劇場 活動写真
 そして、畑でも教えていただきましたが、農薬や化学肥料をなるべく使わないで育てている野菜の見分け方です。
 コマツナを外側の葉から順に並べていくときれいな放物線を描いています。これが化学肥料を使わずに育ったものだそうです。化学肥料を使うと、肥料を与えた時期に急激に成長するためきれいな放物線を描かないのだそうです。びっくり。ただしこれは買う前には確かめられません。一度買ってきたコマツナで試してみてくださいねとのことです。

百菜劇場 活動写真
 さあ、これからは「つくる」です。子どもたちが包丁を手に、頑張ってサラダを作ります。大人は怖くて思わず手を出してしまいますが、ひとつぶてんとう園のあいことばを思い出しながら、見守ろうと頑張ります。そう、親も頑張らねばならないのです。

百菜劇場 活動写真
 さて、お待ちかね、燻製の準備です。今日は簡単にできる段ボール製とスチール製のスモーカーを使います。それぞれキットがあるとのことで、説明書に沿って組み立てていきます。

百菜劇場 活動写真
 食材は、チーズ、ちくわ、サツマイモ、豆腐、たくわんなどを準備。ここで指導してくださる講師が登場しました。こちらは本格的なスモーカーです。講師の方が、下ごしらえをしたサーモン、サバ、鶏ムネ肉などをスモーカーの中に手際よく吊り下げていきます。子どもたちは興味津々でスモーカーの中を覗き込みます。これがどうなるのかは・・・・・ちょっと、わからないかもね。

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 あたりには燻されたチップのいい香りが漂い、いやがうえにも期待が高まります。待つこと30分ほど。出来ました!

百菜劇場 活動写真
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 子どもたちが切った野菜のサラダ、講師の方が仕込んでくださった冬野菜のスープ、出来上がったいろいろな燻製、各自持ってきたおにぎりでお昼ご飯です。

百菜劇場 活動写真
 子どもも大人もゆったりとした空間と時間の中で、楽しいひと時を過ごしています。

百菜劇場 活動写真
 プログラムについては意見を持ち寄りながら、その時々にあったものを考えて実施しているとのことです。百菜劇場にとって「ひとつぶてんとう園」のスタッフと意見を交わしながらプログラム作りができることは、とても大切な視点です。こういった活動は成果がすぐには見えないですが、顔の見える関係の中で体験を重ねることが大切だと改めて感じました。


「はたけっこ」の情報は、こちらのサイトからブログにアクセスできます。
特定非営利活動法人 百菜劇場

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