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里山体験隊 /特定非営利活動法人 絵本による街づくりの会

事業の概要

滋賀県高島市マキノ町には、今森光彦さんの写真集でも紹介されている里山があります。この「里山体験隊」はその名の通り貴重な里山の自然に子ども達に思い切りふれてもらい、生物の多様性や豊かさを心の奥底に刻むことを目的とした事業です。地元で活動している他団体と協力して春は田植え、夏は雑木林で虫取り、秋は稲刈りと炭焼きなど、季節ごとの里山ならではのイベントを行います。

絵本による街づくりの会 活動写真

2014年7月26日、絵本による街づくりの会の「里山体験 夏のキャンプ」におじゃましました。
 絵本による街づくりの会は、「絵本から広がる出会い・体験・感動」をテーマに、絵本を入り口として様々な体験の場づくりを実践しています。「絵本で体験したドキドキワクワクが、実体験の中で体にすっと入ってきたという感覚、そのような体験をたくさん体の中に溜めてほしいと思っています」。
今回は、豊かな里山の自然環境をたっぷり楽しむ夏のキャンプです。


 キャンプのスケジュールは、1泊2日です。おじゃましたのは1日目で、オリエンテーションのあと班に分かれての旗づくり、おにぎりづくり、川遊び、スイカ割り、バーベキューのあたりまでご一緒させていただきました。その後、お風呂やおはなしの時間、2日目には待望の雑木林での虫さがし、ラジオ体操、石にお絵かき、流しそうめん、炭だし体験、などなど、夏ならではのお楽しみが盛りだくさんです。
今年は大盛況で、子ども42名。さて、どんな体験が待っているでしょうか。

絵本による街づくりの会 活動写真
 まずは班に分かれて旗づくり。思い思いに色ペンを持ち、布に書いていきます。顔見知りがいるとはいうものの、まだ始まったばかりでちょっと遠慮気味な感じです。

絵本による街づくりの会 活動写真
 出来上がった旗を先頭に、記念撮影。
 会場には「絵本による街づくりの会」ならではで、ラックに絵本がさりげなく並べられています。「はじめまして」「琵琶湖の魚」「水草の森」「しずくのぼうけん」「あいうえおにぎり」「雑木林のコレクション」「水辺の昆虫」「からすのパンやさん」・・・・・今回のキャンプにちなんだテーマのお話、図鑑などが中心に並んでいます。中にはいくつか知っている絵本もあり、懐かしい気持ちになりました。

絵本による街づくりの会 活動写真
 次はおにぎりづくりのために、途中で手を洗い場所を移動します。大勢なので、1班から順番です。
 ちょっと時間がかかるなあと思っていたら、絵本のラックに寄ってきた子どもがいました。そして座り込んで、絵本をパラパラとめくり始めました。誰に言われるでもなく、薦められるでもなく、とても自然な流れです。こうしたさりげなさが、とてもいい感じでした。

絵本による街づくりの会 活動写真
 おにぎりつくりは、ご飯とのり、具が別々にボールやお皿で運ばれてきて、一人ひとり、思い思いに作っていきます。お椀にラップをかけ、その上にご飯。具を選んでラップで包みその上から握っていくというやり方ですが、多分、今日初めておにぎりを握るという子も多いはず。初めての経験ですね。「こんなことで、おにぎりができるの?」といった不思議そうな顔でしたが、ラップを外せば、間違いなくおにぎりです。「いつものおにぎりとは違うな~」という顔で一口かぶりつき、そのあとは安心したようにどんどん食べていきます。

絵本による街づくりの会 活動写真
 おにぎりとスタッフの方が作ってくださったお味噌汁で、おなか一杯になったあとは、お待ちかねの川遊びです。水着に着替えて、さあ出発。

絵本による街づくりの会 活動写真
 今日の川遊びは、近くを流れる知内川です。バスで移動します。
 バスが着いたところから、川遊びを楽しむ場所まで徒歩で移動するその間でも、子どもたちの関心のたねは尽きません。虫を追いかけてトンボも捕まえました。

絵本による街づくりの会 活動写真 

 さあ、川遊び。思い思いに川に入っていき、魚探しが始まります。

絵本による街づくりの会 活動写真
 誰かが「捕った~!」と声を上げると集まってきて、「どれどれ」と覗き込みます。

絵本による街づくりの会 活動写真
 そんなこんなで、自由に川遊びを楽しみます。最初の頃は「魚」に興味があった子どもたちの中にも、時間がたつにつれ、水に浸かっていること、泳ぐことへと関心が移ってきているように見えます。それもそのはず、この日は滋賀県が全国で最高気温が一番となった日でした。本当に暑かったです。
 そして、ここでも記念撮影。

絵本による街づくりの会 活動写真
 バスで戻り、水着を着替えて、今度は庭での外遊びです。全員が揃うまでの間、絵本の読み聞かせが始まりました。

絵本による街づくりの会 活動写真
 子どもたちが引き込まれるように集まってきて、あっという間にテントの中は満員御礼。絵本による街づくりの会ならではの取り組みです。ゆったりとした時間が流れていました。
 読み聞かせが終わったら、思い思いに遊び始めます。木製の大きなブランコに4~5人で先を争いながら漕いでいるようすは、朝のちょっと緊張した姿から一転です。楽しいことを一緒にすると、こんなに早く打ち解けるものかとうらやまし限りです。
スイカ割りを楽しみ、切ってもらったスイカをほおばりながら「もういっこ食べてもいい?」と元気な声で尋ねられ「たくさんあるから大丈夫やで。たくさん食べや」と、会話も弾みます。

絵本による街づくりの会 活動写真
 横では、バーベキューの準備が始まりました。炭火おこしが始まると、これまた子どもが寄ってきて、「風送るのやらせて!」

絵本による街づくりの会 活動写真
 「火がついてて暑いし危ないから気をつけて」「煙が目に沁みるやろ」と言われても、うちわを動かし続けています。

絵本による街づくりの会 活動写真
 今日はこれから待望のバーベキュー、そして寝る前のお話しの時間などがあるそうです。残念ですが、今回は、このあたりで失礼することになりました。
 子どもたちが遊びを通じてどんどん積極的に動いていく姿、どんなことにも関心を寄せて自分で試してみようとする姿、当たり前のようではあるものの、近年、こういった体験は日常の中では少なくなっているのかもしれません。そのこと自体はいろいろな問題を含んではいるものの、だからこそ場の必要性を感じている人の活動が増えているのでしょう。そして、その場は間違いなく楽しく、求められている場なのだなと感じました。
 絵本と体験が何かしらつながったときの感覚と、そのようなものを心の中にたくさん積んでいってほしいという思いの活動が、このキャンプに溢れていました。

2 Comments on “里山体験隊

  1. 平松弘三

    素晴らしいレポートありがとうございます!いい写真ばかりで、使わせて欲しい位です!

    返信
  2. しがNPOセンター スタッフN

    平松様

    さっそくご覧いただき、ありがとうございます!
    写真はどうぞお使いください。
    これからの活動もがんばってください。

    返信

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