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大学生の力で外来水生植物から琵琶湖を取り戻そう /特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会

事業の概要

外来水生植物オオバナミズキンバイが2009年に琵琶湖で見つかってから、3年間で生育面積は100倍に拡大しています。この植物の除去作業は人手を要する重労働です。全国2000人以上の学生会員の若さとパワーが地元の行政・環境団体・漁協、市民の皆さんと一体となって取組めば、琵琶湖の危機的状況を改善できると考えています。

国際ボランティア学生協会 活動写真

2014年9月13日、滋賀ふるさと観光大使・西川貴教さんが主催する「イナズマロックフェス2014」と同時開催の「おいで~な滋賀体感フェア」にブース出展している特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会を訪問しました。特定外来植物であるオオバナミズキンバイの琵琶湖での勢力拡大の状況を広く訴え、除去活動を実施していることをアピールする目的での出展です。

「イナズマロックフェス2014」は、西日本最大級の野外ロックフェスティバルで、今年も滋賀県草津市烏丸半島で9月13日・14日の二日間の開催でした。それに合わせて、チケットが不要のフリーエリアでは「おいで~な滋賀体感フェア」が開催されました。体験型観光のPRを行い、滋賀の魅力を発信するイベントです。その一部に環境保全活動団体のブースも出展しているのです。その結果、有料エリアと無料エリア合わせて全国から10万人が集まりました。
「イナズマロックフェス2014」のテーマは「水の未来に、声を上げろ。」琵琶湖を擁する滋賀県らしく、環境に対しても熱い想いを感じさせますね。

ここで国際ボランティア学生協会自体についてご紹介しておきます。
国際ボランティア学生協会(略称IVUSA:イヴューサ)は現在、関東・関西を中心に110大学・キャンパス、約2500名の学生が所属しており、国際協力・地域活性化・災害救援・環境保護という4つの幅広い分野で活動に取り組んでいます。
最初は1993年国士舘大学のサークルとして「ラオス小学校建設活動」などの活動を開始し、次第に他の大学に広がっていきました。2002年、特定非営利活動法人となり、設立当初から現在に至るまで、海外(中国黄土高原における日本と中国の学生による植林事業ほか)・国内(九十九里海岸全域を清掃する清掃作戦ほか)のさまざまな活動に取り組んでいます。阪神淡路大震災、東日本大震災などの災害救援活動を展開し、それらの救援活動とふだんからの危機対応講習や災害想定訓練が評価されて2006年に「防災功労者内閣総理大臣賞」を受賞しています。
「会員がボランティアに参加する時の手弁当は当然ですし、参加費を払うのがルールになっています」と聞き、その心構えに驚きました。また、社会人被災地復興支援団体のある方が「イヴューサの学生は被災地支援の活動でちゃんと働いてくれますよ」と高い評価をされているのも聞いたことがあります。
学生の活動といえば、4年間だけは熱心でも卒業したら終わってしまうから信頼しにくいと言われがちですが、この団体は組織的で継続する活動を行っているのですね。

関西には大阪府に事務所があり、滋賀県内では主に立命館大学と龍谷大学と滋賀大学の学生が中心となって活動しています。
夏原グラント助成団体である、認定特定非営利活動法人びわこ豊穣の郷が守山市の琵琶湖湖岸でオオバナミズキンバイの除去作業を開始した時、イヴューサが広報紙の作成や除去作業に参加・協力してきました。2014年度は自らの団体も主体となって草津市、大津市でも除去作業に取り組む事業で夏原グラントの助成を受けることにしたのです。

「イナズマロックフェス2014」会場は、琵琶湖博物館と水生植物園みずの森のある草津市烏丸半島。周囲をぐるりと琵琶湖に囲まれている美しい場所です。国際ボランティア学生協会 琵琶湖外来生物対策マネージャーの中村さん(立命館大学院1年生)が、烏丸半島の湖岸を案内してくださいました。

国際ボランティア学生協会 活動写真
向こう岸には比良山系がそびえ、広大な琵琶湖、そして手前には烏丸半島名物のハスの群落が見えます。雄大なながめです。ところが岸辺をよく見ると赤い茎の植物が繁茂しています。

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「これもオオバナミズキンバイなんですよ。守山市の赤野井湾ではここまでの状態では見たことがありません」と中村さん。「琵琶湖の水位が上がった時期に水に浸かっていたオオバナミズキンバイが、水位が下がってもこんなふうにしっかりと残っているんです」
さわってみても、赤い茎の部分は、かなりしっかりとしていました。

国際ボランティア学生協会 活動写真
葦の群落の手前のあたりに、帯状にオオバナミズキンバイが続いています。Tシャツの男性は案内してくださる中村さんで、岸辺に座っているのはロックフェスの参加者です。

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ぐるっと回って烏丸半島の南東側に面する湾に来ました。蓮の大きな群落が見えます。その手前の岸には、ここでもオオバナミズキンバイが広がっています。

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オオバナミズキンバイが黄色い花まで咲かせていました。蓮の枯れた後に入り込み、繁茂地拡大を虎視眈々と狙っているように見えます。
中村さんが「祖父からもらった数年前の同じ場所の写真です」と烏丸半島の湖岸の写真を見せてくれましたが、本当に岸辺にオオバナミズキンバイは影も形もありませんでした。
「ここも放っておくと景色が一変するかもしれません。ここから定点観測しています」と中村さんは湖岸から撮影していました。

国際ボランティア学生協会 活動写真
ここには滋賀県立大学と近江ウエットランド研究会による調査中の立札が。
たくさんの団体や大学が連携して外来植物に立ち向かっているんですね。

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さて、烏丸半島の岸辺の状態を案内してもらった後は、「イナズマロックフェス2014」のゲートをくぐって「おいで~な滋賀体感フェア」で展開しているブースへ。
ふだんは比較的静かな公園が、ものすごい数の人であふれています。
音楽ライブが無料で見られる「風神ステージ」、ご当地キャラやお笑い芸人が無料で見られる「龍神ステージ」、飲食ブースもあり、チケットを買って入るエリア「雷神ステージ」でなくても一日楽しめます。

国際ボランティア学生協会 活動写真
向かって右から2つめが国際ボランティア学生協会、3つめは琵琶湖博物館、一番左は東近江環境保全ネットワークで、夏原グラント採択団体の蒲生野考現倶楽部、琵琶湖お魚探検隊も出展していました。

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ブースでは水槽や魚の模型を展示し、うちわの無料配布も行ってアピールしています。
よく見ると、オオバナミズキンバイがキャラクターに!?

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「バナキンくん」という名前のワルかわいいキャラになっています。
あみぐるみで立体化!女子大学生の力作だそうです。かわいい!
アピールの手段にキャラクターを使うところがナイスです。

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これがうちわです。バナキンくんのキャラクターが描かれ、「びわ湖で大繁殖」の文字。

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フェス当日は晴天で暑かったために、配布すると大好評で飛ぶように受け取ってもらえたとスタッフの皆さんニコニコでした。かなりアピールできたはずですね!

テントの中にはうちわの裏側に描かれた「バナキンくん」塗り絵を楽しんでもらえるコーナーも用意されていました。また、下の方には夏原グラントのロゴも

国際ボランティア学生協会 活動写真
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テントの中には、ほかにも手書きの説明ポスターが。
「今、オオバナミズキンバイがやばい」など若者の言葉で同世代に訴えます。

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「Q:琵琶湖には何種類の生物がいるでしょう?」
「A:1000種類以上の動植物がいます!!」
自然環境や琵琶湖の赤潮についての説明も。

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テントの中のテーブルにモバイルパソコンを置き、オオバナミズキンバイ除去作業に取り組む、国際ボランティア学生協会の皆さんの画像がスライドショーで見られる展示。
スタッフは、ブースを訪れた人をテントの中に案内して、これらのポスターを示しながら、オオバナミズキンバイについて熱心に説明していました。

国際ボランティア学生協会 活動写真

国際ボランティア学生協会 活動写真
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お昼過ぎ、フリーエリアの「龍神ステージ」でアピールタイム。イヴューサのお二人が舞台に上がり、あみぐるみを抱いて熱演! がんばりました。
司会はアンタッチャブル柴田さんと大岩ラリー正志さん。お二人にもバナキンくんのうちわを受け取ってもらいました。

国際ボランティア学生協会 活動写真
国際ボランティア学生協会では、この2日間「イナズマロックフェス2014」の「おいで~な滋賀体感フェア」でブース出展した後、9月15日から17日の3日間、烏丸半島と守山市・草津市・大津市の琵琶湖湖岸で600名が参加する大規模な「琵琶湖外来水生植物除去大作戦」を実施しました。これは定期的に行う除去作業(夏原グラントの助成事業)以外に行う除去作業だということでした。
そこで、普段行っている除去作業の写真を送っていただきました。
これは今年5月25日大津市膳所城後公園で行われたもので、
夏原グラントの助成を受けてカゴ、ブルーシート、剪定バサミ、魚網、鎌などを購入し使用しているそうです。

国際ボランティア学生協会 活動写真
国際ボランティア学生協会 琵琶湖外来生物対策マネージャーの中村さんは「オオバナミズキンバイの脅威を一番肌で感じているのは、除去作業に参加した学生だと思います。いま、自分たちが動かなければ、取り返しのつかないことになる、というふうに考えて活動しているんです」とおっしゃっていました。
昨年訪れたオオバナミズキンバイ除去の作業現場(認定特定非営利活動法人びわ湖豊穣の郷の事業)で、彼、彼女たちが一生懸命働いているのを見るだけで周囲の大人たちは力をもらっていました。親や祖父母世代の大人としては「いまどき社会を変えようと真摯に活動する若人が、こんなに大勢いるなんて」と、うれしくなってしまいます。
オオバナミズキンバイの繁殖力は恐ろしいものがありますが、来月からは滋賀県も刈り取りに機械を導入することを決めたとか。認定特定非営利活動法人びわ湖豊穣の郷をはじめとするたくさんの組織・人と連携する力を持った国際ボランティア学生協会の皆さんは、きっとこれ以上の拡大を食い止めてくれると期待しています。

団体のことについて、詳しくは国際ボランティア学生協会サイトをご覧ください。
http://www.ivusa.com/




・琵琶湖外来水生植物除去活動関連リンク
 ○Facebookページ  https://m.facebook.com/oobana2014
 ○Twitter
  活動全体    @ivusa_oobana
  バナキンくん  @banakinkun
                タグ:オオバナミズキンバイ

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