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日本百名城「観音寺城石垣」整備プロジェクト /近江八幡市 豊かな杜づくり隊

事業の概要

里山の整備・継続をめざし、更に観音寺城跡石垣を見える化プロジェクトの活動を3年計画で行います。 日本百名城である観音寺城跡石垣が、雑木や竹で覆われているのを伐採・整備活動を行い、市民に向けて里山整備の必要を訴えるイベントも開催します。

豊かな杜づくり隊 活動写真

2015年11月29日、近江八幡市 豊かな杜づくり隊の観音寺城整備プロジェクトの日でした。たくさんのボランティアが参加して行われるというので現場に伺いました。

豊かな杜づくり隊 活動写真
朝8時半、近江八幡市安土コミュニティー防災センターに集合し受付を済ませます。参加費は一人200円です。

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ヘルメット、軍手、ナタや鎌などの道具とお茶を受け取りました。そして観音正寺からのお香のプレゼントもいただきました。

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今回、作業中は城跡の大石垣にこの3本の幟を立てます。安土中学校生徒3名の作品です。それぞれ自分の字の幟を持っています。
滋賀県文化財保護課副主幹の松下浩さんからミニ講話があり六角氏という昔の県警署長さんみたいな人の居城だったことや、安土城以前の山城にしては石垣がすごいということを伺いました。そのすごい大石垣が山頂近くになるのですが、下からは木で見えなくなっています。それを見えるようにするのと、登山道の整備が今回の目的です。

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作業にあたっての注意点を聞いてから全員で記念写真。これから現地へ車に分乗して移動します。
今回は地元企業・金融機関等が社会貢献として取り組むということで、総勢174名。

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出発の合図はなんと本物のホラ貝の音でした。観音正寺のホラ貝を貸していただいたそうです。琵琶湖の対岸から飛んできた熱気球も見守っていました。

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観音寺山のふもとの日吉神社です。

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ここから向かって左手に少し歩くと御屋形跡があります。

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この石垣の上が御屋形跡です。この大規模な石垣は7メートル近くの高さがありますが、土で途中まで埋まっています。

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六角氏の館跡は神社になっています。このすぐ横から登山道が始まっています。

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参加者は班に分かれて登山道を区切って担当し、邪魔な雑木を切って取り除き、登りにくい箇所にはマイ階段を作ります。自分で階段を作ることで、観音寺山登山道に愛着を持ってもらおう、というねらいなのです。

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階段となる木は適当な立木を切って使います。

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私は登山道を登って皆さんの作業を見て回りました。傾斜のきつい部分に階段がないと、登りにくいですね。スニーカーだったので登山靴とステッキが欲しくなりました。

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こんなふうに倒木が邪魔をしている箇所もあります。

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上に行くと、建築関係のお仕事の皆さんが担当していました。

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力強く槌で杭を打っています。

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山の上のほうに来ると、昔の石段が埋もれていました。土を取り除くと立派な石段が出てきました。

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遂に城跡の大石垣がちらりと見えるところまで登って来ました。このあたりはとにかく木が生い茂っているのでチェーンソーで伐採しなければなりません。あたりはチェーンソーの音がにぎやかです。幟も見えています。

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大石垣の全景。といっても端までは入りませんでした。

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教育委員会の方が取材に来ている新聞記者に説明をしています。説明によると、ここは曲輪の虎口だったのですが、使われなくなったので石で埋められてしまったのだそうです。一枚上の石垣の全景写真をよく見てください。階段があった部分は石積みが違うのがおわかりになるでしょうか。

豊かな杜づくり隊 活動写真
大石垣の上に登ると、露出した岩がそびえていました。ふもとを走る新幹線が、中央に白い横線のように見えています。

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観音寺城が現役だった頃、視界をさえぎる木はありませんでした。遠くまで見えるので敵の動きをいち早く察知できたことでしょう。

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この幟は新幹線の窓から見えたのでしょうか?

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今度は登山道を下ってみました。すると、それぞれの班で階段を作ってあり、とても下りやすい道になっていました。

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登った時はただの土の坂道だったのに、こんなふうに自然の枝を活かした階段が続いている光景は感動ものでした。

豊かな杜づくり隊 活動写真
元気な人は作業を終えてから大石垣の上まで登って集まり、記念写真を撮ったそうです。
一足先に降りてきて観音寺山を見上げると、大石垣の上に立てた白い幟が見えていました。ただ、大石垣が見えるには、もう少し木を切らなければならないようでした。(幟は常時立てません。この日も作業が終わったら撤収しました)

豊かな杜づくり隊の代表・木野和也さんは「さすがボランティアのマナーで、ヘルメット120個、のこぎり70個、ナタカマ 70個、その他カケヤ・バチグワなど、道具は完璧に返却されました。けがもなく良かったです」とおっしゃっていました。

新幹線が開通した1964年当時、まだ大石垣は車窓から見えていたそうです。ところが里山に誰も入らなくなりどんどん木が茂ってここ20年くらい石垣が見えなくなってしまったのです。中世の貴重な史跡なのに、里山の荒廃によって地元の人にすら存在が知られなくなりました。

豊かな杜づくり隊では、この石垣が崩れないように手入れして、新幹線の車窓から再び見えるようにするのを目標としています。現在、山の上の部分にあったアカマツ林は全滅し、下の部分では竹林が勢力を拡大しています。里山整備の必要性が高まっている今、企業や市内外からもメンバー以外に広くボランティアを募って取り組んでいきたい、とのことでした。

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