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未来に続く生物多様性の森育成事業 /びわ湖りす森倶楽部

事業の概要

水源の森の環境啓発活動や育苗から始まる地域森林づくりを広く普及させ、次世代の子どもたちにも参加してもらいながら、琵琶湖水源の森のエコツーリズムにつながるようなイベントで地域の保全活動の活性化を目指します。

びわ湖りす森倶楽部 活動写真

2015年10月25日、びわ湖りす森倶楽部の活動現場を訪問しました。

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びわ湖りす森倶楽部は、グリーンパーク想い出の森に許可を得て、松枯れの多いアカマツ林の保全とリスなどの動物の生きる環境を整える活動に取り組んでいます。
今日の集合場所は高島市朽木にある、グリーンパーク想い出の森駐車場です。

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駐車場から少し山へ入ったところに、びわ湖りす森倶楽部の拠点となっている小屋があります。

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もともと炭焼き小屋だったのですが、現在は使われていないそうです。

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最初に全員であいさつをしてから高島市から指導のために来られた甲斐さんを紹介中。
今日は松を割り薪にする作業です。

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まず、甲斐さんが薪割りの見本を披露。最初は槌で斧の頭を叩いて木に刃を入れていきます。

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少し割れ目を作っておいてから、斧で…

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パッカーン!
お見事。気持ちよく丸太が真っ二つに割れました。

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周辺の丸太に近づいてよく見ると、虫食いなのがわかります。ここにある丸太は森の中で立ち枯れていたアカマツを切り倒して運んできたものです。

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さあ、作業開始。やる気満々です!

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斧を使わない子どもは、丸太を適度な長さにノコギリで切ります。不要な枝も切り落とします。

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丸太の輪切り、がんばっています。

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最初はお母さんと一緒に斧を振り下ろす練習。
いろいろチャレンジして、自分に合った作業を選びます。

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薪割り作業の合間に、金子さんに森を案内してもらいました。拠点から少し登ると、こんな広場になっています。立ち枯れた松を切り倒した切り株があちこちに見られました。
作業前は、いつ倒れるかわからない松がたくさんあって危険だったそうです。

里山の自然は、人間の手が入ってこそ調和がとれていたのに、昭和の中期から手入れがされずに放置され全国で山が荒れてしまいました。このアカマツの森も放置され荒れ、リスの食料である松ぼっくりも少なくなってしまいました。そこでびわ湖りす森倶楽部では、滋賀県産の抵抗性松の苗を育ててこの森に植樹し、生物多様性の保全をめざす活動を行っているのです。

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手前は立ち枯れた松を集めてあるところ。その向こうの木々の間にネットで囲われた苗木が見えます。

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近づいてみるとネットに守られた苗木が元気に育っているのがわかりました。
小動物や小鳥たちの餌になるような樹木を育てているのだそうです。

しかし、ここでも鹿の食欲はすさまじく、ネットの上からかじろうとした痕跡がありました。ネットがなかったら、たちまち丸ボウスにされて枯れてしまうことでしょう。

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再び薪割りの現場に戻ってみると、なんと薪割りマシーンが登場していました。

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エンジンをかけると、シリンダーを押して丸太を真っ二つに割るというもの。丸太の右側に、鉄が食い込んでいるのがわかりますか。

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メリメリッと押されて、ついに丸太は割れました。
この薪割り機は手作りだそうで、ベルトが伸び気味のせいかこの日は調子が悪いとのことでした。

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これは会員の一人が森で拾ってきたクルミです。リスたちのために置いておくのだそうです。

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ランチタイムには温かい味噌汁をいただいてホッとしました。丸太がテーブルや椅子に早変わりします。

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午後からも薪割り作業を続け、できあがった薪を積み重ねていきます。この薪はたき火などに使うそうです。
それにしても、最初から最後まで、小学生が薪割りに取り組んでいたのには驚きました。単調な作業だからすぐに飽きてしまうのではないかと思っていたのに、ずっと真剣に薪を割り続け上達していくのが見ていてわかりました。確かに気持ちよく割れた時の爽快感はクセになりますね。

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金子さんは「この薪を売って活動資金にしたいのですが、松の薪は火力が強くて薪ストーブを痛めることがあり、一般の人にはなかなか売りにくいんです。そこで陶芸作家の窯で使ってもらえないかと、販売先を探しています。どこか紹介していただけるとうれしいです」とおっしゃっていました。立ち枯れた松を切り倒し、それが売れれば森の保全活動の資金になります。

また金子さんは「もともとアカマツの森だったのでマツタケが生えていましたが現在は全く生えません。いつかマツタケの山として復活させるという夢があります」ともおっしゃっていました。実際にマツタケ山を復活させたという先生が指導される講座も開催されています。

アカマツの苗を育て植樹を行うと同時に、次世代を担う子どもたちが山での活動を体験し自然に親しむ活動を行っているびわ湖りす森倶楽部の皆さん。子どもたちにとって、森が楽しい場になるような活動をこれからも続けてください。

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