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低農薬・無農薬野菜と環境こだわり米による地産地消の仕組みづくり /龍谷大学 北船路米づくり研究会

事業の概要

大津市丸屋町商店街の大津百町館前で開催する北船路野菜市(毎月第4土曜日)での、低農薬・無農薬野菜と環境こだわり米(2011年に開始)の販売を行います。また、酒造会社と農事組合法人との間をつなぎ、大津市北船路地区で生産した酒米で地酒をプロデュースしています。そのことを通じて農村の活性化と農地の保全を行います。学生自ら生産する低農薬「龍大米」「龍大芋」の栽培と販売を行い、龍大ブランドを確立します。 農村の生産者と大津・京都の飲食店の間で「生産者と消費者の顔の見える関係づくり」を行います。

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2015年10月31日、龍谷大学 北船路米づくり研究会の「龍大芋」収穫作業の日、大津市北船路地区にある畑を訪問しました。

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農業指導をされている吹野藤代次さんのご自宅に集合し、納屋に行って準備をしました。

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軽トラックに作業に使う道具やガソリン、農機具などを積み込みます。

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納屋で見せていただいたのは、カヤネズミの巣。これは龍大米「コシヒカリ」の稲に作られています。農薬をなるべく使わないような農法なので小さな生き物も暮らせるのでしょうね。

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軽トラックに乗せていただき、山の中腹にある畑に移動。湖西道路をくぐってどんどん登ります。

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琵琶湖を見渡せる景色のよいところに畑はありました。「アグリガーデン蓬莱」と「農学連携ほ場 龍谷大学脇田ゼミ 北船路米づくり研究会」という看板が。

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畑には、いろんな野菜が植えられていました。

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黒豆です。
畑を歩くと土がふかふかしていますし、バッタなどの昆虫がピョンピョンはねます。生命のあふれる場所で作物が育てられているのを実感しました。

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こちらが本日の主役「龍大芋」こと里芋です。田植え頃に親芋を植えておいたそうです。

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掘り起こすと、芋がごろごろ出てきます。

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研究会メンバーの大学生が芋掘り作業を行います。3回生15名、4回生9名くらいの中から今日の参加者は3回生2名よ4回生2名の計4名でした。

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こんなに里芋が収穫できました。今度はこれを売り物にするため、きれいな芋を選別していきます。みんな黙々と手だけ動かして作業を進めていきました。

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茎や葉がついていたら切り落とします。売るのは小芋だけですが、大きくなった親芋も食べられます。

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できたら袋に入れ、持ち帰ります。

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2袋いっぱいの「龍大芋」です。これを「北船路野菜市」で売って活動資金にします。毎月第4土曜日に大津市商店街にある百町館前で北船路地域の農家が生産した野菜を販売しているのです。ほかに、大津市内・京都市内の居酒屋でもこの「龍大芋」や「龍大米」を使ってもらい、生産者と消費者とがお互いに顔の見える農産物の普及拡大に努めているそうです。

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マルチのビニールシートも取り除き、後片付け。芋の苗、マルチのビニールシート代、そして学生が畑に通う交通費の一部も夏原グラントの助成金を使っています。

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畑が元に戻りました。
農業指導の吹野さんは「この畑は農薬をほとんど使わず、化学肥料ではなく牛フン配合肥料を使っています。ここの畑は柵で囲んでいるので獣害はほとんどありません。学生たちは、地元の農業法人ともちゃんとつきあっていて、酒米のほうもよく手伝っていますよ」とおっしゃっています。学生たちの成長を見守っておられるんですね。初代から学生たちと一緒に農業をされているので「この代で6代目。今年のシルバーウィークには3人の男子卒業生が米の収穫を手伝いに来てくれました。そういうつながりがうれしいですね」とも。

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「アグリガーデン蓬莱」のもっと上のほうには、案山子が飾ってありました。これは8月末に行われた、かかし祭りの時のもので、この日の午後には片付けられるとのことでした。

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よく見ると案山子は一つ一つが違っていて、保育園の子どもたちがペイントした衣装を着ています。

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田んぼから琵琶湖に向かって一直線の坂道沿いに、もっとたくさんの案山子が立てられていて、祭り当日には保育園児や町の人たちが大勢来てくれたそうです。この祭りの案山子作成費などにも夏原グラントの助成金が使われました。
この保育園では里芋の植え付けを行ったので、今度畑に収穫に来る予定。その小芋を給食に使うそうです。とてもよい食育ですね。

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これは「アグリガーデン蓬莱」からの琵琶湖の眺めです。畑も田んぼも、こんなに眺めのよい場所にあるんですよ。日本酒「北船路」のチラシに使った写真も、このあたりから撮影したものだと聞きました。

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小芋の収穫が終わったら、吹野さんのお宅に戻り昼食をいただきました。親芋の煮物と北船路産の新米を吹野さんが自ら調理してくださったのです。これがまた美味しいのなんの。煮物の味付けの秘密を聞いてみると「牛筋と市販のすき焼きのタレを使っただけ」とご謙遜。芋の味がよい上に味付けも牛筋からのダシも最高でした。

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学生の皆さんに「自分で作ったお米と野菜は特別美味しいでしょう?」と聞いたのですが「龍大米は予約と販売用でなくなってしまうので、僕らは食べていません」という答えが返ってきました。「小学校の農業体験でしただけで、田植えも稲刈りも初めてでした」と言うメンバーですから「自分で植えて刈り取ったお米は絶対に食べてください」と伝えました。

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北船路地区で育てた酒米「山田錦」を使って、大津市内の造り酒屋・平井商店が醸造したのがこの「北船路」です。ラベルのデザイン、銘柄の文字、広報用のチラシも全て北船路米づくり研究会の学生が行っているそう。滋賀県内で大学生が日本酒のプロデュースをしているのは、先行する滋賀大学学生が関わり東近江市の喜多酒造が醸造する「湖風(こふう)」、後発で長浜バイオ大学学生がプロモーションビデオのプロデュースと蔵付き酵母の単離同定を行った「長濱」があります。
前代表の小西悠介さんは既に地元福井での就職が決まり、自宅から通っています。そして毎月の『北船路野菜市』の前には各農家に声を掛け、出荷野菜の予定を聞いて調整し、集荷に回っています。「こんなふうに社会と接することはなかったので、とてもよい経験になりました」とも。
また、ほかの学生からは「実家が農家ではないので、田植えや稲刈りは初めてでした。確かにしんどいけど、自分が関わって無くても農産物を食べると『あんなに手間をかけて作られているんだな』と思うので以前よりおいしく感じるようになりました」「昔は全部手植え、手刈りだったことを思うと昔の人はすごい。機械のありがたさがわかりました」という声が聞かれました。

「北船路野菜市」でも、野菜を待っていてくださる常連のお客さんもできているということで、居酒屋では「龍大米」「龍大芋」を育てている様子を壁に貼り出すこともしています。都市の消費者と農業の現場を結ぶ地道な活動により、環境に配慮した農産物が少しずつ広がっているようです。

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