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ドングリの森作り /久保川と天王山の森を守る会

事業の概要

天王山は竹林の進出が激しく、本来の原生植生が破壊されています。その森を再生するために竹林を伐採し、ドングリの森にします。多くの人が楽しんで山に登っていただけるようがんばります。

久保川と天王山の森を守る会 活動写真

訪問 久保川と天王山の森を守る会「ドングリの森づくり」

 11月14日、久保川と天王山の森を守る会の「ドングリの森づくり」活動におじゃましました。
 放置林が多く森林生態系への影響や土砂災害の危険性をはらんでいる天王山の森。この森を再生しようと、久保川と天王山の森を守る会では、定例森林整備や体験講座、タケノコ掘りイベントなどを実施されています。

今回訪れたのは、天王山を背にする第二大山崎小学校で行われている環境教育に関わる「ドングリの森再生プロジェクト」でのドングリ拾い・自然観察会です。第二大山崎小学校の5年生が対象のこの環境教育「ドングリの森再生プロジェクト」では、ふるさとの自然に対する理解を深めるため、自然観察会やドングリ竹ポットづくりや苗の移植などに取り組んでいます。

 昨日までの不安定なお天気はどこへやらといった真っ青な空で、すがすがしい朝です。
 第二大山崎小学校の小学5年生40名が校庭に集まってきました。ここで今日の自然観察会の説明が始まります。学校の裏には小倉神社があり、普段は通れない所だそうですが、今日はここから天王山に登っていきます。子どもたち、さすがに地元ですから、「普段、山に行く時は、向こうの道からあがっていくよ」などと話しています。

久保川と天王山の森を守る会 活動写真

 小学生と担任の先生方、そして久保川と天王山の森を守る会のスタッフ、府林務事務所や町役場環境担当職員など、総勢60名弱。小学生は8つの班に分かれ、それぞれスタッフが先導で付き、一列になって登っていきます。先頭と後尾ではかなり差がありますが、子どもたちは、自分たちを先導してくれるスタッフに、どんどん質問していきます。そのたびに立ち止まって説明していると・・・・どんどん列が長くなりますが、楽しいひとときです。

久保川と天王山の森を守る会 活動写真

 山の下の方は竹が繁茂しており、うっそうとした暗い森ですが、登っていくと少しずつ樹木の種類が増え、日が差し込み明るくなってきます。竹林伐採や下草刈り、雑木整理を通し、日が差し明るい森にしていくことが大きなねらいだそうです。子どもたちには、まずは体全体・五感で自然を感じ取ってほしいとの思いが、説明するスタッフのみなさんの言葉の端々から伝わってきます。
 ドングリや葉などを拾いながら、ドンドン登っていきます。

久保川と天王山の森を守る会 活動写真

 休憩所で、ここまで登りながら拾ってきたドングリや葉を披露。スタッフのみなさんが解説していきます。スタッフの方が「こんなふうにして拾って、家に帰って後から何の葉か調べるんだよ」とご自身の手帖を出して見せています。子どもたちは興味津々でのぞき込みます。

久保川と天王山の森を守る会の活動写真

 そしてクイズが始まりました。みんな元気よく手を挙げています。正解率、高い!!

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 ここから下山します。この途中に、第二大山崎小学校と共同でドングリの森づくりに取り組んでいる拠点があります。ここで足を止め、昨年、子どもたちの先輩が竹ポットで育てた苗を山の斜面に植えたこと、その苗が大雨で流されてしまったことなどの話がありました。
子どもたちは、この次の日に学校で「ドングリ竹ポットづくり」に取り組むことになっています。そして年が明けて3月、先輩たちが植えてくれたドングリを移植します。そうか・・・・先輩たちがドングリを植えてくれて育った苗を植え、自分たちが植えたドングリの苗は後輩たちが植えるんだ・・・・こうやって、みんなで繋いでドングリの森を作っていくんだという実感が高まっていきます。

久保川と天王山の森を守る会の

久保川と天王山の森を守る会の

久保川と天王山の森を守る会の

 拠点周辺は、会のみなさんが整備を進めていることもあって日が差し込み明るいです。そして、ドングリやその他落葉樹、山桜などの植樹を進め、豊かな森にしていきたいとのことです。

久保川と天王山の森を守る会の活動写真

 登山道を下山していきます。途中に滝があり川が流れているのですが、竹に浸食されうっそうとしており、水辺に下りていくことも難しい感じです。スタッフの方が、「子どもの頃は水遊びをしたり、サワガニをとったりと、格好の遊び場だったんだけどね。ここもなんとか整備していきたいと考えているんですよ」と話してくださいました。「やりたいことが、たくさんあるんですね」と言うと、「整備をはじめると、いろいろとやりたいことが出てきました」と笑顔満面で答えてくださいます。みなさんが楽しみながら活動されているようすが浮かび、地域への熱い思いを実感できました。
 今日のもう一つのお楽しみは、「マテバシイドングリ」の食味です。先生があらかじめ、オーブントースターで加熱しておいてくださったマテバシイドングリが、ザル一杯です。

久保川と天王山の森を守る会の写真

 これを、ペンチなどで割り中の実を食べるのです。最初は子どもたちもぎこちない手つきでしたが、だんだん慣れてきて思い思いにペンチを使いドングリを割っていきます。そして口にこわごわドングリの実を。「おいしい~!!」と歓声があがります。栗のうま味がぎゅっと凝縮されたような甘さに「ほんとだ、おいしい!」と子どもたちと笑いながらご相伴にあずかりました。

久保川と天王山の森を守る会の活動写真

 グランドの脇には、ドングリ竹ポットが並んでいました。これは去年の5年生が同じ時期に植えたもので、1年たってこのくらいの成長だそうです。明日は、このような竹ポットのドングリの種を植えるのだそうです。中には枯れてしまったものもありますが、多くは青々とした葉が出ています。これを年明けの3月に、先程通ってきた拠点の近くの斜面に植えるのだそうです。

久保川と天王山の森を守る会の活動写真

 森の整備は長期間取り組んでいかなければなりません。そのためには活動を広くPRし、参加してくれる人も増やしていくことが重要です。そのためにさまざまな工夫をされているのですが、小学校の環境教育の一環として授業に組み込まれていることは、大きな効果があるようです。毎年、子どもたちが必ず関わることによって関心を高めることができ、また家庭で話題になり親子での会話が弾めば、それは素晴らしいことだなあと感じました。地道ではありますが、続けていくことによって地域の方々に浸透していくのではないかと思いました。

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