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「綿づくり」を通して「人の輪」を広げよう /おうみこっとん夢つむぎ

事業の概要

彦根市本庄町の休耕農地で綿の栽培を、地域や福祉施設の協力を得て行います。参加者には、綿のたねまき、綿つみ、綿の加工などの体験を通じて綿への関心を高め、環境保全の大切さを伝えます。

おうみこっとん夢つむぎ 活動写真

訪問 おうみこっとん夢つむぎ

おうみこっとん夢つむぎ 活動写真

11月3日、おうみこっとん夢つむぎ主催の綿つみ体験イベントに伺いました。

場所は彦根市本庄町の綿畑です。綿や糸の原料となるコットンボールを摘み取り、それから公会堂で糸をつむぎ、機織りまで体験させてもらえます。

公会堂でプログラムについて説明を受けたあと、車に分乗して畑に連れていってもらいました。おうみこっとん夢つむぎ事務局長の北川さんに摘み方を教えてもらいます。それからは手にした袋に白いコットンボールを摘み取って集めていきます。

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このかわいい花が実を結び、はじけたら木綿の原料のコットンボールになります。

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ご家族連れも楽しそうに90メートルある畑の端から端まで綿を摘みながら進んでいきます。

もともと、湖東地域は綿花栽培が盛んに行われていた地域。休耕地で綿花栽培し、無農薬(無除草剤)の木綿製品を生み出し、販売することで地域振興を目指しています。

足下の草を踏んで歩くたびにカエルやバッタが飛び出し、畑に生きものが多いことが感じられました。

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畑は向こうのほうまで続いています。

綿花の摘み取りは9月くらいから12月までだそうで、普段はご近所の手づくり工房 種芸(しゅげい)という福祉施設の皆さんが請け負っておられるとのこと。障がいをもつ方の仕事にもなっているのです。イベントスタッフとして協力されていた手づくり工房 種芸の職員 粂さんは「作業がどうしても室内が多いので、綿摘み作業はいい運動になっています。慣れてきたら、ものすごく集中して摘む人もいて、スピードが早くて追いつけないほどなんですよ」とおっしゃっていました。

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綿を摘み取った後は、公会堂へ。これは今日摘み取ったものではなく、今までに摘んだもの。コットンボールはこんな感じです。

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会津木綿の生産工場と「東北コットンプロジェクト」の綿花の生産者を訪ねた折のビデオを見ながら説明を聞きました。ビデオでは、まず、おうみこっとん夢つむぎのメンバーが、会津木綿の生産工場を訪問して、お話を伺い、工場での紡績機や染色作業の場面などを見せていただき、会津若松での木綿生産の様子を知ることができました。

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公会堂に貼られた、「東北コットンプロジェクト」のホームページ。

東北大震災の津波のせいで田畑には塩分が残っています。何度も水を張って流すことを繰り返して、塩分を土地から抜く作業を行います。それでやっと稲作ができるようになります。「東北コットンプロジェクト」は、企業からの呼びかけで塩害に強い綿を試験的に植えて栽培しているそうです。収穫した綿花を紡績会社が糸に紡ぎ、出来上がった糸をプロジェクトに参加している企業に提供し、統一ブランドとして販売されるもので、おうみこっとん夢つむぎも主催イベントや出展イベントなどでプロジェクトを紹介し滋賀から応援されているのです。

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ビデオを見終わったら、コットンボールから糸を紡ぎ、布にするまでの体験です。

まずは種を抜く作業。綿繰りです。手でハンドルを回して、綿の種を分離させる道具はギーギーと派手な音がしますがあまり効率はよくありません。それでも子どもたちは「楽しい!」と夢中でハンドルを回していました。ところが、一番手前の機械にかかると効率は数倍!そのスピードに「すごーい!」と子どもたちは大興奮です。この機械は種芸の備品を借りてきたそうで、たいへんな綿繰り作業を請け負う仕事も行うそうです。綿花を自宅で大量に栽培している人は、ぜひご利用を!

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コットンボールから種を抜いたら、繊維を整えるためブラシをかけます。綿打ち作業です。きれいになったら繊維に撚りをかけて糸を紡ぎます。糸紡ぎの体験を手軽に誰でも行えるように、スピンドルという簡単な道具を使います。写真のご家族は「楽しい!」「はまりました!」とのこと。がんばればがんばっただけ糸が長くなるので充実感がありますよね。

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お昼の時間は、予約しておいたランチを頂きました。体験料とは別にチケットを購入しました。地元産の食材を使った、スタッフの皆さんの手作りのおかずが並びます。郷土料理の丁子麩の辛し和えやエビ豆など、大好評でした。紫蘇のゆかりまで自家製!参加者の皆さんもいっしょに、和やかにいただきました。

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引き続き午後からも、糸繰り、機織りなどの体験。

小さな子どもも積極的に機織り機に座り、スタッフから指導を受けながら織り上げていきます。長い時間飽きずに集中する子どももいます。

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希望者は有料で好きな色に染められた木綿糸を使って織り、自宅に持ち帰ることもできます。

この方はコースターを2枚織ることを目標にがんばっておられました。手作り・モノづくりがお好きなので織物教室に行ったこともあり、かなり手慣れた感じでした。

「一人で糸から織り機から全て準備するのは難しいので、こういう体験イベントがあるとありがたいです」とおっしゃっていました。

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会場には、おうみこっとん夢つむぎが開発した、コットン製品が種々並べられていました。草木染の糸のセットや、コットンボールを使った小物のキットなど、かわいらしい手作り品がいっぱい!もちろん希望者は購入できます。

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参加者とスタッフの記念写真です。ご家族連れを中心に、コットンボールから木綿の布までの一連の作業を皆さん心から楽しんでおられました。

 

イベントに参加してみて、地元の方、作業所の方などたくさんの方のつながりの中ではじめて実現する事業であることを感じました。

これからもできるだけ多くの方が参加し、体験し、製品を購入してくださることを期待しています。「彦根市といえば、手作りの木綿製品」と言われる日は近づいていると信じています。

2 Comments on “「綿づくり」を通して「人の輪」を広げよう

  1. 中野剛志

    夢つむぎ・・・とってもいいネーミングですね。
    今年私たちNPOも取り組んでいます。

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    1. しがNPOセンター

      中野さん コメントありがとうございます。この名前、活動が続き広がっていく様子まで伝わる気がします。

      返信

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