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中世木の里山・棚田を守るプロジェクト /中世木ビジョン委員会

事業の概要

日吉ダムのある京都府南丹市日吉町の中世木(なかせき)地域は、少子高齢化が進む限界集落となる危険がありましたが、6年前から地域をあげて開かれた集落を目標とし、イベントを開催するなどして3組のIターン者を呼び込むことができました。夏原グラントファーストステップ助成を2年間受け、今回は一般助成を受けて「中世木まるごと森のプレーパーク」を目指します。具体的には自然を守るワークショップの開催(上流からのマイクロプラスチックゴミを出さない運動)、収穫祭、山野草を守る下草刈りとトレッキング(山野草の群生地を守る活動)、遊具やベンチを作るワークショップ、中世木のビジョンを作る委員会開催などを行います。

中世木ビジョン委員会活動のようす画像

2019年9月29日(日)、中世木公民館で「中世木新米まつり」が開催されました。雨の予報だったはずなのにいい天気で、公民館は住民のみなさんやゲストの方々で満席でした。とれたての新米を前に笑顔で楽しいひとときを過ごしました。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす 熊のイラスト看板画像   
 熊の看板が歓迎
  
中世木ビジョン委員会活動のようす イベント看板画像  
 今回のイベントの看板

中世木ビジョン委員会活動のようす チラシ画像  
 今回のイベントのチラシ
 
中世木ビジョン委員会活動のようす 会場の画像  
 会場のようす
   
 
中世木は南丹市にある日吉ダムの近くの、府道364号線に沿った長い集落です。急激な少子高齢化により里山や田畑の維持ができなくなり、この集落を囲む環境は危機的な状況になりました。

中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 集落のようす

中世木ビジョン委員会活動のようす画像   
 ドローンで空から撮影した細長く続く集落のようす
 
そこで2016年に「中世木ビジョン委員会」を立ち上げ、地元資源を通しての都市との交流など、開かれた集落運営を目指して活動されてきました。夏原グラントではファーストステップ助成の2年間を終え、今年からは一般助成のプログラムが展開中です。3組のIターンの家族も含め住民みんなで、自然を守り、集落を守り、魅力あふれた集落にするための「中世木まるごと森のプレイパーク」も動き始めました。集落全体の自然公園化のために、まずは子どもたちの遊具づくり、さらに川掃除・じゃこ取りなど自然の大切さを学ぶ夏のプログラムも終了しました。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 手作りの木製遊具 
 
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 子どもたち
 
 
そして秋のプログラムがこの収穫祭「中世木新米まつり」です。この中世木は棚田でとれたお米と黒豆が有名で、京都などで販売されています。今日は販売先の方々もゲストにいらしていました。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 黒豆の畑
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像 
  
 黒豆ケーキ(京町屋カフェ「ビーンズグッディ」提供)
  
 
まずは、中世木産の新米の味くらべです。「コシヒカリ」と「キヌヒカリ」はそれぞれ特徴があり、どちらもとてもおいしいです。集落の皆さんが提供された「なすの漬物、しその実、ゆず味噌など」がご飯のお供としてたくさん並べてありました。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像 

 コシヒカリ 

 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 ご飯のお供
 
 
味くらべのあとは、中世木の環境とお米についてのお話を聞きました。まず住民の池村嘉浩さんより中世木の地質の話を伺いました。この辺りは絶滅危惧種や絶滅寸前種が多く、セツブンソウが有名ですが、そのほかにもシダやコケの新しい種がみつかったそうです。春先に開花し夏まで葉をつけると、あとは落葉広葉樹林の林床などの地中で過ごす一連の野の花を総称してスプリング・エフェメラルと呼ばれていますが、ここはその宝庫です。京都で同じく希少種が多いのが鞍馬・貴船のあたりですが、こことは地層が同じで火山性の緑色岩帯、そういった地形のため、山の水が豊富でミネラルがあり、お米もおいしいのだそうです。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 池村さん
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 節分草
 
 
「中世木ビジョン委員会」の代表の吉田辰男さんのお話では、農家によっては、微生物農法でさらに味に工夫が施されているそうです。全世界的な気候変動もあり、お米の味を維持するのは大変ですが、適地・適作でがんばっていきたいとのことでした。
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像
 吉田さん
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 集落のみなさん  
 
 帰りに、中世木の奥にある普門院(鎌倉時代建立)に連れていってもらいました。府道から離れて九十九折でどんどん山に上っていくと、限界集落である牧山集落が開けています。何軒かの民家があり、黒豆の畑などはきれいに管理されていました。ここは松明の祭りが有名なのですが、集落では運営できなくなったため、今は中世木地区全体で協力して執り行い豊作を祈願されているそうです。

中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 普門院看板 
 
中世木ビジョン委員会活動のようす画像  
 普門院     
 
中世木ビジョン委員会では、冬には雑木から薪づくり、早春には山野草の群生地の保護活動とトレッキングを行う予定です。ぜひ、スプリング・エフェメラル:春の妖精たちに出会いに行ってみてください。

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