横山森林公園の活性化 /横山はらっぱ倶楽部
事業の概要
滋賀県長浜市名越町にある、横山森林公園の整備を行います。山林の保全活動、山の遊歩道の整備・維持などは毎月1回以上行い、ほかにピクニックや歴史ウォークなども開催し市民に参加を呼びかけます。
2020年6月14日、長浜市で活動する横山はらっぱ倶楽部の定例活動日にお邪魔しました。毎月1日、第2日曜日、第4木曜日が定例活動日だそうです。
あいにくの雨でしたが、メンバー8名が集まって拠点である、けやきの家の整理を行っておられました。
「いつもの整備作業はできませんが」と代表の森川栄寿さんと、副代表の北村由子さんが活動フィールドの山を案内してくださいました。
もともと、この空き地には長浜市営のサイクリングターミナル設備がありました。造成のため削られた四面山の斜面には松が植栽され、遊歩道もあり、見晴らしのよい公園としてサイクリングターミナル利用者に親しまれていたそうです。
しかし40年経過して裏山の公園も長らく放置され、サイクリングターミナルの建物は老朽化し3年前に撤去されました。
公園は遊歩道も歩けないほど木や草が生い茂り、松の木は多くが立ち枯れてしまい危険な状態でした。
そこで、横山はらっぱ倶楽部の皆さんが4年前から定期的に山に入り、レイカディア大学など他団体の皆さんの力を借りたりしながら間伐や下草刈りを行い、公園らしく整えてきました。
これは公園時代に植えられたアベリアの植え込みです。遊歩道に沿って植えられています。四面山の遊歩道の中でもすばらしい並木道だそうです。
公園の端の尾根は、私有地との境界線だったそうですが、かつては遊歩道になっていたので現在復旧中だそうです。
この尾根道を上っていくと、ツツジが美しく咲いていました。公園の時代には、かなり多くのツツジが咲いていたのではないか、とのことでした。雑木を切り開くと、埋もれていたサツキツツジやミツバツツジ、山桜などが息を吹き返したそうです。
こちらの左手奥の大きな木は山桜。春には美しい花を咲かせてくれ、今年の春には新聞にも取り上げられたのだとか。
こちらは見晴らし台近くの広場に、夏原グラント記念として植樹されたモミジです。大きく育ってほしいです。
水平には歩きやすいですが、山の上にあがるための既成の階段はかなりの急傾斜になってしまいます。メンバーも年々しんどくなってきたそう。
「そこで、もっと傾斜をゆるやかにした、上りやすい階段を整備する予定です」と、森川さん。
予定コースにヒモが張ってありました。
上に登ると見晴らしがよく、向いの横山やふもとの名越の町が見渡せます。この地域は横山森林公園でもあり、その遊歩道の一区画の整備活動も、横山はらっぱ倶楽部が手掛けています。
横山の山並みにはいくつかの山城跡もあるそうで、以前鳥羽上城で実施の際には、のろし駅伝にも協力していたのだとか。
「ここ、見晴らし台からは本来なら伊吹山や琵琶湖が見えるのですが、現在は雑木林にさえぎられています。所有者に伐採の許可はもらえました。」とのこと。そして、ゆくゆくは四面山の斜面をぐるりと歩ける回廊を整備したいそうです。
山から降りてくると、拠点のけやきの家の屋内を整理されているところでした。
さまざまな道具の収められた棚。
作業記録が貼ってあるボード。
国からの賞状も飾ってあります。
皆さんの休憩タイムに加えていただきました。お茶を飲みながら、常に笑いが絶えません。
横山はらっぱ倶楽部の皆さんはどうやって出会ったのですか?
「もともとは16年前に市民への募集があり、長浜市が主催の、地元の自然を楽しむ集まりとして出発しました。山菜取りやハイキングなど、『探検・発見・ほっとけん』をキャッチフレーズに楽しんでいたんですよ。
でも、山が荒れているのでそのうち整備を始めました。すると、他の地域からも声を掛けられて、今度はそちらへ移動する、というようにだんだんと「ほっとけん」が中心の活動になっていきました。今年はコロナで中止しましたが、春の山菜ピクニックにはじまり、歴史探訪ウォーク、紅葉狩り、そして年末にはしめ縄作り教室など、イベントを開催し市民に横山の魅力を発信しています。
活動内容やフィールドが進化してきたこと、これが16年間飽きないで継続できたのかもしれませんね。
それと、活動日は事前に出欠を確認していません。その日、活動の都合をつけられた人が来るので、何人参加があるか当日になってみないとわからないのです」と森川さん。
また「近くで似たような活動をしている団体を訪問して交流を深め、活動のレベルアップを図りたいので、いい団体があれば紹介してください」と、皆さんとても意欲的です。
自分たちの楽しみと、環境保全活動という社会的な活動とを、バランスよく続けてきた横山はらっぱ倶楽部。これからも無理なく楽しく活動を続けていってくださることを願っています。