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広げよう!森林環境学習活動 /フィールドソサイエティー 

事業の概要

京都市左京区の法然院森のセンターを拠点に、お寺の森の観察路を整備し、生き物調査などの環境学習活動を行います。 また、他の団体との協働により相互に学びあう場として「森×縄文土器」のプログラムも実施します。

フィールドソサイエティー 活動の画像

2020年7月5日、日曜日に京都市の法然院のすぐそば、法然院森のセンターを訪ねました。この日はフィールドソサイエティーの皆さんが、自然観察会でお寺の森のコケを調査するのです。

フィールドソサイエティーの皆さんは、法然院さんとのご縁から、お盆の送り火で有名な大文字山に続くお寺の山の森の保全や、その自然に親しんでもらう活動を長く続けてきました。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像  
法然院森のセンターの建物の維持管理は法然院で対応され、その運営はフィールドソサイエティーの皆さんが担当しているそうです。

今回のコケの調査は一般の人とともに、会員制の環境学習活動である、フィールドソサイエティーの森の子クラブの子どもたちも参加します。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像  
時間になったらセンターの前に集合して、フィールドソサイエティー代表の久山喜久雄さんからごあいさつ。
 
「私たちの周囲に生えているけど、あまりコケを見ていないですよね。でも、自然を守るため小さなコケも大きな役割を果たしているのです。今日は、コケがどんなところに生えているか、観察しましょう」。
 
コケの専門家として、兵庫県立人と自然の博物館の主任研究員 秋山弘之さんにご指導いただきます。先に山に登って観察する主要なコケに印をつけておいてくださるので、山を登りながらそれを観察していくとのこと。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
まずは法然院へ登っていきます。
 
すぐに周囲は山らしくなりました。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
法然院の山門前です。よくロケ地になる、コケむした屋根の雰囲気がすばらしい山門です。
 
久山さん「山門の屋根にもコケが生えています。なぜでしょう? それは、胞子が風に飛ばされてきたからです」。
 
そういわれて見ると、周囲には至るところにコケが生えています。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像   
そして、すぐに山道を登り始めました。看板には、この山が大文字山に続いていて、「京の景観保全林」という大切な森だということが説明されています。

フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
ここにもコケがあります。また、台風で倒れた大木のそばには、穴が開いた木があり、これはムササビの巣だということです。動物にとっても、この森が豊かな住みかになっているのがわかりました。
 
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森の中は気持ちよく手入れがされています。山道も人がよく通っている感じで、歩きやすく整備されていました。

結構な急こう配なので、すぐに息が上がります。
 
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しばらく上ると、コケに印が!
秋山さんの残した観察ポイントの印です。
 
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ここで観察するのは、コケが生えている場所、色、形、その他の特徴です。最初に観察シートと虫眼鏡を配ってもらっているので、記入していきます。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
観察の森の山道を安全にたどるための杭やロープは、夏原グラントを使って購入したそうです。 
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
小さな流れのほとりで、秋山さんに追いつき、水際のコケについてその特徴を教えてもらいました。
 
同じコケでも環境によって太陽光を浴びる量が変わると色が変わるのだそうです。
 
また、秋山さんに「コケのにおいをかいでみましょう」と言われて、みんなでコケを嗅ぐ体験。「森林浴と同じ成分なので、森の香りがします」と秋山さん。初めて嗅いだコケは森のにおい、土のにおいでした。
5つの観察ポイントを経て、尾根筋の開けた場所に出ました。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
林の間から京都の町が見渡せる絶景ポイントとなっています。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
ここで、座って秋山さんからコケのお話を聞きました。
ホワイトボードにコケの名前や形を書きながらの説明です。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
一通りお話をお聞きしたら観察の森の急傾斜の道を下山します。
 
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フィールドソサイエティー 活動の画像 ムササビの顔  
  
途中の背の高い木のところで久山さんの指さす先を見てみると、木の穴からムササビが顔をのぞかせていました。下のほうが何やらにぎやかだな?と思ったのでしょう。野生動物がこんなに身近に生きているとは。驚きました。

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山から下りたら、法然院の庭でもコケ観察です。
 
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法然院の山門の手前ではジャゴケというコケが繁茂している場所がありました。オスとメスがあり、近くに異性がいなかったら受精しません。初めて聞くコケの子孫の残し方に驚きました。
 
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これがジャゴケです。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像   
こちらは、銅にも負けないホンモンジゴケ。
こんなに緑が濃く繁茂しています。
銅イオンを含むのがホンモンジゴケの特徴だそうです。
 
フィールドソサイエティー 活動の画像 
 
さまざまなコケや、キノコまでも観察して、また法然院森のセンターに戻ってきました。
秋山さんからは「今日は12種類くらいのコケを観察しました。明日の朝、そのうち3つくらいを思い出せたら大成功です。一日に2つか3つずつ覚えれば、すぐにコケに詳しくなれます!」と締めくくりの言葉をいただきました。千里の道も一歩から、ですね。

参加者とともに、コケも森の環境を推し量る生物だということを学びました。
そして、山道でへとへとになった私とは違って、子どもたちは元気いっぱいでした。
子どもたちは、観察会では集中して観察し、専門家に直接質問することで多くを学び、移動中は友達と自由におしゃべりを楽しみ、充実した時間を過ごしていました。

この体験は子ども時代の宝物になりそうです。こうして子どもたちが自然を身近に体験できるのも、森への手入れがきちんとされているからこそ。フィールドソサイエティーの皆さんが、これからも森の保全活動と自然体験活動を長く続けられますよう、期待しています。

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