トップページ > 助成の実績 > 子供向けの自然学習及び、生物調査

子供向けの自然学習及び、生物調査 /Tread(学生団体)

事業の概要

Treadは、関西の大学に通う学生有志のグループです。滋賀県蒲生郡日野町で、土地改良や河川改修以前の記憶を聞き取り調査して記録をまとめ、自然と暮らしの関連性とこれからのまちづくり・地域づくりに役立てます。

Tread活動のようす(かるたとり)

2021年3月13日、土曜日の午後から、Tread(トレッド)の「鎌掛ふるさとかるた」完成の集いにお邪魔しました。会場は滋賀県蒲生郡日野町の鎌掛(かいがけ)公民館です。
 
関西の大学に通う学生有志のグループTreadは、夏原グラントファーストステップ助成を2年間、その後一般助成を1年間受けてきました。鎌掛地域をフィールドに、地元の方々から聞き取りをして、昔の暮らしや鎌掛地域の生き物・自然環境などをまとめてきました。地元の皆さんの手により「鎌掛ふるさと絵屏風」と「鎌掛ふるさとかるた」ができあがり、この日はかるたのお披露目会となったのです。
  
Tread活動のようす画像(ふるさと屏風絵) 
 
屏風絵に描かれているのは、耕地整理や河川改修前の昭和30年代の鎌掛地域のようすです。直線ではない田んぼの畔、河川には、人の姿が見えます。
 
Tread活動のようす画像(鎌掛ふるさとかるたの全部を縮小し掲載た紙) 
 
また、かるた作りでは地元の皆さんにお願いして、文字とテーマを一つずつ割り振り、言葉と絵を作成してもらったそうです。これは「あ」から「ん」まで全45枚のかるた一覧です。
 
努力の甲斐があって、来場した皆さんは口々に「ようできてるなあ」「大変やったやろ?」と言われていました。
 
Tread活動のようす画像(サンショウウオの絵のかるた) 
 
「ら」は「乱獲なく 悠々自適 サンショウウオ」です。
 
Tread活動のようす画像(開会式)  
開会の挨拶はTread代表の竜王みやびさん。
今日はメンバーの松井実紅さんと二人で、この会を進行しています。
 
Tread活動のようす画像(福本英一さん挨拶)  
そして、鎌掛地域の代表として福本英一さんからの挨拶がありました。
「屏風絵はおととし1年、かるたは今年1月から一か月くらいでできました。鎌掛からは約14名の方が協力してくださいました。僕も描きました。
竜王さんたち学生は、合宿して聞き取り作業をしてくれました。それを元に絵の上手な子どもに頼んで絵を描いてもらい、かるたができあがりました。
この、屏風絵の続きのようなかるたでは、名所、名物、歴史などを表現できました。このかるたで、故郷鎌掛のよさを皆さんに伝えたいと思っています。皆さんの力に感動しました。全てTreadの皆さんの手作りです。本当に感謝しています」
 
Tread活動のようす画像(お寺を案内する岡崎さん) 
 
そして、岡崎正清さんの引率で、かるた名所巡りのウォーキングラリーに出発です。
まずは「よねんごと 地獄極楽 ご絵を見る」のかるたに詠まれたお寺へ。指名された子どもがかるたを読み上げました。
 
Tread活動のようす画像(旧鎌掛小学校校舎前にてかるたの説明) 
 
鎌掛と言えば有名なのが、旧小学校です。
「学び舎の 想い出のこす しゃくなげ學校」
趣深い木造校舎がそのまま残されている旧鎌掛小学校です。アニメの舞台として全国的に知られています。
 
Tread活動のようす画像(雨の中、鉄柵に囲まれた田んぼの道を歩く)  
かるたの名所を巡りながら、読み上げて行っていくうち、雨が本降りに。あとは鎌掛の町の、のどかな田園の道を雨に降られながら黙々と歩きました。田んぼや畑は獣害防止柵が張り巡らされています。
 
Tread活動のようす画像(鎌掛の生き物を紹介したかるた)  
「今年も自然に つつまれて 花人いっぱい 石楠花谷」
鎌掛のしゃくなげ渓谷には国の天然記念物に指定されている、ホンシャクナゲが群生しています。シャクナゲは滋賀県花でもあります。
 
「ほたる狩り 今も昔も 南砂川」
雨の中を歩きながら見た、南砂川のかるたです。
 
「千万(ちよろず)の命育む北砂川」
生き物を詠みこんだかるたが、鎌掛の自然の豊さを伝えてくれますね。

Tread活動のようす画像(古い道標) 
  
また、鎌掛には古い街道「伊勢道」が通っていて、古いものも多く残されています。
「伊勢参り 鎌掛宿で 一休み」
  
Tread活動のようす画像(かるた取りを楽しむ子どもたち) 
 
途中で本降りになっていた雨も上がり、予定より少し早く公民館に帰ってきた子どもたちは、さっそくかるた取りを楽しみました。読み手はTreadの二人。
しかし残念ながら、コロナ予防のため、2回ほどで終わって閉会です。
 
閉会の挨拶は、鎌掛公民館長の熊捕幹久さんでした。
「子どもたちにはこの鎌掛の歴史を引き継いでほしいです。かるたは公民館に置いておくので、また遊んでください。」
 
このかるたは、夏原グラント助成金で制作して配布するそうです。
 
地元の皆さんとTreadの皆さんが協力して作成した、貴重な屏風絵とかるたは、故郷の貴重な自然の記録や地元への愛着として次の世代に自然にしみ込んでいきそうですね。
 

コメントを残す




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ページトップに戻る