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山を守る ごみ拾い調査とその解決法を探る /TANAKAMIこども環境クラブ

事業の概要

私たちは滋賀県大津市の田上山をフィールドとして活動しています。ここにキャンプやバーベキューをするため多くの人が訪れゴミを放置していきます。そこで参加型のゴミ拾いと調査を実施し、ポイ捨てしないようSNSでPRします。また、野生動物の調査も行うことで、野生動物への被害などを調べます。研修として他の地域のゴミ拾いに参加するなど、学習や調査研究、PRなどを行うことでゴミ拾いをしなくてもフィールドにゴミがない環境を作ります。

TANAKAMI子ども環境クラブ 河原でゴミ拾い活動のようす

2021年11月13日(土)の朝、滋賀県大津市田上里(たなかみさと)公園に行きました。TANAKAMI子ども環境クラブの活動に伺うためです。ここは大津市内でも古くから荘園があり、また田上杣(そま)という名で良質の材木が奈良の都を作るために大量に切り出された土地です。切り出された後の山ははげ山となり、土砂が流出して水害を起こしたため明治時代から植林を開始し砂防ダムを築いた、砂防先進地でもあります。
 
砂防ダムが上流にある、天神川沿いに田上里公園があり、ここに子どもたちが集合してきました。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 子どもたちが輪になって朝のあいさつ 
   
まず隊長のまなちゃんが、今日のやることを説明。
「バーベキューも終わったので、いつものキャンプ場あたりから、下流でゴミ拾いします。」
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 代表の安部さんが石こう型を持っているところ 
   
それから、TANAKAMI子ども環境クラブ 代表の安部尚子さんが、動物の足跡を石こうで固めることについて手順を説明しました。
「足跡を石こうで固めたら、琵琶湖博物館の人に見てもらって何という動物か判定をしてもらいます。たくさん見つけて取りましょう。石こうが固まるまでの時間でゴミ拾いをします。」
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 天神川の子どもたち 
  
子どもたちは、手に手に石こうを固めるための枠にする紙を持ち、一目散に天神川の河原に走っていきました。今は雨が少なくて水量も少ないようです。

TANAKAMI子ども環境クラブ 足跡の周りを紙で囲む。ステープラーで紙を輪にするところ  
紙をステープラーで留めて、輪にします。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 足跡の周りを紙で囲む。ステープラーで紙を輪にするところ 
 
そのうえから、水で練った石こうを流しこみ、固まるのを待ちます。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ  浅瀬を渡る子ども 
 
ほかの子どもたちも、河原の砂地を歩き回ってはっきりした足跡を探しています。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ ゴミ拾いの道具と袋を持って出発 
 
全員が石こうを流し込んだら、今度はゴミ拾いです。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ  トングをバケツに差し込んである 
 
子どもが使うゴミ拾い用のトングやごみ袋、胴長なども、今回の夏原グラント助成金を使って購入したそうです。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ  川に入ってゴミ拾い 
 
浅いので流れに長靴で踏み込んでゴミを探します。男の子たちは、遊んでいるのかゴミを探しているのか、どちらにしてもとても楽しそう。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ  広い砂地をあるいてゴミ拾いする子どもたち 
 
みんな、田上里公園と田上公園の隣接する公園二つの広い河原をゴミを探してあるいています。
河原は幅50メートル弱、長さは200~300メートルくらいでしょうか。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 中須に残る無数の動物の足跡 
 
中洲には、動物の足跡らしきものがたくさんありました。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 橋の周りの流れからゴミを拾う子どもたち 
 
一見、とてもきれいな自然のようでも、探すとビニールや廃品などが見つかります。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 集まったゴミを分別する。ビニールの長いゴミ 
 
集めたゴミを持ち寄り、分別していきます。
「アベベ、これは?」
「ビニールやな!」
安部さんは、子どもたちからアベベと呼ばれ親しまれています。
 
「ゴルフボール3個もあった!」
「これは?」
「プラスチック!」
ガラスや空き缶、鉄くず、発泡スチロール、肥料袋や土嚢の袋、壊れたバッテリーなど。多種多様なゴミが集まりました。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 地面に座って今日の振り返りをする子どもたちと安部さん
分別が終わったら
集めたゴミについてのまとめです。
「一番多かったのはビニール。古いものもありました。
次に多かったのはプラスチック。でも、なんでここにあるのかわからないものが多いな。なぜかな?
 
金属はボロボロになっていました。かなり前からのものです。もしかしたらみんなが生まれる前のものがあるかも。
ゴミは捨てたら、こんなふうにずっと残っています。このままだとゴミでいっぱいになるかも。
 
春から夏にかけて、キャンプ場などで拾っていたバーベキューのゴミじゃ、昨日、今日、捨てられたのかな、というゴミが多かった。でも、今日拾ったゴミは、とても前に捨てられたようです。」
 
子どもたちには、一人一人、ゴミと足跡の両方について感想を言ってもらいます。ただゴミを集めて終わり、ではありません。子どもたちに考えて、ゴミについて自分なりの意識をもってもらうように質問されているのがわかりました。
 
「プラスチックの袋が多かった」
「足跡は、シカかイノシシに限られていた。ゴミは古いゴミだった。」
「足跡はいっぱいあった。どこから来たのか?と思った」
「ゴミはたくさんあった」
 
春から夏の間は、たくさんの家族連れがこの天神川の上流のキャンプ場や河原にやってきて、水遊びをしてキャンプやバーベキューを楽しみます。問題は、その人たちがゴミを大量に捨てていくことだそうです。春からずっとTANAKAMI子ども環境クラブの子どもたちは、バーベキューの残飯、花火、焼き網などのゴミを集めてきたのです。冬になり、遊びに来る人がいなくなったので、少し下流の田上里公園でゴミを拾うことにしたそうです。
 
TANAKAMI子ども環境クラブ 石こうできれいにかたどれたひずめのあと。子どもの掌に載せて 
 
足跡を固めた石こうは、こんな風にできあがりました。
土や砂がついてしまうので、川の水で洗いました。

どんな動物がやってきて、ゴミを食べるなどしているのか。ゴミが動物にどんな影響を与えているのか、などを調べるため、夜間に赤外線センサー付きカメラを仕掛けて撮影にチャレンジ中だそうです。

なかなかうまく撮影できない、と安部さんが悩んでおられたので、夏原グラントの助成金で同様に獣害を防ぐためのセンサーカメラで夜間の撮影を成功されている団体、西山環境保護ネットワークの方を紹介しました。うまく教えてもらって、撮影が成功するといいですね。

ゴミを捨てていくことに対して、行政では看板を立てたそうですが、それも景観を損なうのではないか、とTANAKAMI子ども環境クラブは何か違う方法はないかと探しているとのこと。

子どもたちが中心となって調べていくこの活動、どんな結果が出るのか、とても楽しみです。





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