湖南市産バイオマス燃料製造プロジェクト /こにゃん木の駅プロジェクト準備委員会
事業の概要
湖南市の森林組合が管理する山から丸太を搬出し、薪にして地産地消エネルギーとして利活用してもらいます。そのため、私たちは原木の搬出や巻き割り作業を行います。2,3年後をめどに地元の温泉施設へのバイオマスボイラー導入を目指し、地域から燃料を供給できるよう仕組みづくりを加速させます。これを通じて湖南市の健全な森林と温暖化防止、そして森林資源と人的資源を活用した地域活性化を図ります。
2021年10月16日、滋賀県湖南市内に、こにゃん木の駅プロジェクト準備委員会(以下、こにゃん木の駅P)の活動を訪問しました。「こにゃん」というのは、猫にちなんだ湖南市の愛称です。
石部駅から車で少し走った山間部にある、空き地。今日は、ここにこにゃん木の駅P の薪置き場を組み立てるそうです。
代表の吉本智さんも、理事で会計・事務局の宮澤 慎一郎さん、監事の東峰一馬さんも、軽トラで集合しています。荷台には薪置き場を組み立てるための資材が積まれていました。
新たに作るのは、この薪置き場と同様にパイプを使ったもので、もっと奥行が狭く1メートル程度、最後に屋根を波板で付ける予定とのこと。
奥行1メートルなのは、薪の長さを1メートルにするからだそうです。湖南市内にある温泉施設のボイラーを重油から薪に切り替えていく入れ替え時期に来ているとのことで、そのボイラーに使うため、1メートルの薪にして乾燥させるのが目的です。
資材がそろうまで少し時間があったので、1メートル弱の丸太の薪割りを見せてもらいました。「新兵器」と取り出されたのが、丸太に巻いてあるテープのようなもの。これを巻いておくと、薪を割っても木が倒れないので、いちいち手で立て直す手間が省けるというのです。
さすが、手慣れた感じであっという間に薪割りできました。
さて、小屋の組み立て開始です。
ブロックを土台にしてパイプを並べ、水平器を使いながら柱とするパイプを立てていきます。つなぎ目は金属のクランプを使い、ドリルでネジを締め、どんどん組みあがっていきます。
垂木もドリルで留めて、早くできあがるなあ、と思っていたら「これ、やり方違うわ」との声でやり直しとなりました。
気を取り直して再度、垂木を留めなおしていきます。
波板のプラスチックを取り付ければ完成、というところまで見守り、今回の取材は終わりにしました。同じ棚を横にもっと並べて、1メートルの薪を乾燥させる予定だそうです。
こにゃん木の駅Pでは、福祉作業所の皆さんにも、機械で割った薪をこの乾燥棚に積み込む作業などをしてもらい、少しでも収入になるように作業を分担してもらう予定だそう。
吉本さんと宮澤さんにお話を伺いました。
「湖南市のこのあたりで活動されている、東寺生産森林組合さんは、市内では元気な組織で、年に2回程度は山仕事をされています。そこから買い取りをした間伐材を運び出し、薪を作って乾燥させます。まだ薪の販路ははっきり決まっていない状態ですが……。」
「既に市内の福祉作業所では、他の団体から委託を受けて薪割作業を行っているところもあります。そういう作業所ともつながりは持っているので、今後、こにゃん木の駅Pとしても整備していきます。
また、湖南市の『地域循環共生圏連携協議会』や自治体地域新電力会社『こなんウルトラパワー株式会社』とも連携をしていくつもりです。」
現状では有効利用されていない、間伐材を薪に加工して燃料として地域で回す。これを可能にするには地道な活動が必要です。こにゃん木の駅プロジェクト準備委員会の皆さん、これからも応援しています。
—————————————————————
後日、宮澤さんから完成した薪置き棚の写真を送っていただきました。
立派な屋根もついて、これでたくさんの薪の乾燥ができますね。皆さん、お疲れさまでした!