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特定外来種のオオハンゴンソウ駆除で美しい花背の自然と生態系を守る /特定非営利活動法人 自然観察指導員京都連絡会

事業の概要

私たちは、一昨年から京都府花背別所地区で植物中心のモニタリング調査を行っています。昨年他地区にも調査に入ったところ、特定外来種オオハンゴンソウが想定をはるかに超えて広がっていました。地域住民の方から「一緒に駆除しよう」ということになり、この事業ではまず植物植生分布調査を行いオオハンゴンソウ分布を地図に落とし、特定外来種や生物多様性に関する学習会の開催、そして地域住民の皆さんや市民ボランティア、私たちとが年間を通じた駆除活動を行います。

自然観察指導員京都連絡会の活動のようす画像

2021年7月25日、特定非営利活動法人 自然観察指導員京都連絡会(以下noi-Kyoto)の夏原グラント助成事業「特定外来種のオオハンゴンソウ駆除で美しい花背の自然と生態系を守る」の活動の集合場所となる、山村都市交流の森(京都市左京区花背八桝町)へ伺いました。
 
自然観察指導員京都連絡会の活動のようす画像 
 
朝、京都市内の地下鉄 国際会館駅から参加のボランティアの皆さんがマイクロバスに乗り、花背まで向かいました。道中、noi-Kyoto代表の清水正さんから、オオハンゴンソウとはどんな植物なのか、特定外来種とは、どのようなものなのか、注意や研究結果、今日の作業のあらましなどについてお話がありました。
 
資料としていただいたのは、noi-Kyotoで作成されたチラシです。

自然観察指導員京都連絡会の活動のようす画像 自然観察指導員京都連絡会の活動のようす画像 
 
以下はチラシよりの引用です。
 
「オオハンゴンソウとは
 
1オオハンゴンソウは北アメリカ原産のキク科多年生草本で、日本には園芸植物として明治時代に導入されたものが野生化しています。
2路傍、荒地、畑地、湿原、河川敷など、肥沃で湿った場所に生育します。 高さ1~3mになり、7~10月に直径6~10cmの鮮やかな黄色い花を咲かせ、痩果(果皮にくるまれ、裂開しない種子) をつけます。また 地下茎から茎を沢山だして広がります。
3繁殖力が旺盛で大群落を作るため、在来植物と競合して駆逐するおそれがあります。
4現在、外来生物法により特定外来生物に指定され、許可のない栽培・保管・運搬・輸入・譲渡が禁止されています。」
 
この植物を研究している大澤先生(東京都立大学准教授)の協力で講演の事前打ち合わせで頂いた2009年のバージョン1「簡易版 オオハンゴウソウ駆除マニュアル」を見ながら、今日の作業の説明を受けました。
 
とにかく引き抜ける場合は根っこから引き抜くが、根を残すことなくゴミ袋に入れる。
群落は全てを引き抜けないので、これ以上広がらさないために茎の下部から刈り取る。花だけ除去しても、茎の下からまた花芽を出すためにできるだけ茎の下のほうから刈り取ることが望ましい。
刈り取った茎は、ゴミ袋に詰めて、会員の車で回収し焼却場に運んで処理する。
などの注意です。
 
今までにnoi-Kyotoでも、最も効果的な駆除方法を実験して探してきたそうで、耕耘機で土にすき込んでみても、スライスされた塊根がすぐに芽を出し、逆に増えてしまったので、無意味。根っこを土とともに備中鍬(三叉鍬)でそのまま掘り起こし、その土を落としながら拾い集めて焼却処分というのが最も確実だったそうです。土を洗うと、そのまま切れた根が流れ出して芽を出してしまいます。一旦「篩」にかけて洗った水を流す.かなりの手間がかかり、大変なのでやめたほうがいいとのこと。

いろいろ試行錯誤されているんですね。
琵琶湖の外来指定植物のオオバナミズキンバイも同じように繁殖力が強く、なかなか駆除しきれない状況だったことを連想しました。

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バスがそろそろ山村都市交流の森に到着する、というとき、noi-Kyotoの眞田さんが道沿いの川岸を指さしました。
「あれがオオハンゴンソウです!」
 
私たちはあっけにとられました。その方向には、黄色い花が帯状に咲いていて、通り過ぎると、休耕田と思しき平らな空き地が一面黄色い花畑になっていたのです。
何も知らずに見れば「きれいな花」と思うでしょう。それもそのはず、園芸種として日本に持って来られたそうですから。
 
涼しい環境が合っている植物なので、冷涼な花背の土地があっていたようです。花背の地元の人は、そんな植物とは知らず、キレイなのでお盆の花として供える人もあり、庭に植えた人もいるということ。
 

  
バスが駐車場に到着し、全員で地元の花背三地区(花脊・広河原・別所)を代表して別所地区自治振興会の藤井振興会長さんから、ご挨拶がありました。
「私たちは、オオハンゴンソウのことを、知りませんでした。大変だ、ということで、一緒に駆除に取り組んでいます。暑いので体調に気をつけて、今日はよろしくお願いします。」
 
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noi-Kyotoは、定期的な活動として、年間12回の植物観察会の実施のほかに、観察会開催の時の専門家の派遣や花背地区や他地区でのモニタリング調査を行っています。
写真左が、挨拶と今日の作業工程を説明するmnoi-kyotoの代表の清水さんです。
 
そのモニタリング調査に入った花背地区で、オオハンゴンソウの群落を発見し、これをほっておいては桂川(大堰川)流域に広がってしまうと危機感を抱き、駆除事業を開始したそうです。
 
最初は、オオハンゴンソウとはどんな植物なのか、文献を調べたり専門家に教えてもらって駆除方法を模索しました。なにしろ、根が切れて土に残っている、あるいは種子や根茎が水に流されると、また芽を出すほど生命力の強い植物です。

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その後、班を分けて群落ごとに駆除作業に出かけました。私は、駐車場から少し歩いた、さっき見た花畑のような場所の班についていきました。
  
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道中、道の脇にもオオハンゴウソウが咲いています。そっと引き抜けるところは引き抜き、手の届かないところは、髙枝バサミでなるべく長く刈り取りました。
 
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下を流れる川の河原では、親子連れが水遊びを楽しんでいます。
 
どうも、川の流れに運ばれて繁殖地を広げているようだ、とのことでした。
 
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こんなにかわいくて、鮮やかな黄色い花が、日本の野山にもともと繁殖していた植物を追いやって絶滅させてしまうような強い影響力を持つなんて、説明を聞くまで、全く思いもよりませんでした。
 
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広いお花畑のようになっているところを、向こう側から草刈り機、こちらから手刈りで進んでいきました。
すぐそばの川岸にも繁殖しているので、手分けしてこちらの花も摘んでいきました。
とにかく黄色の花を全部茎まで刈って袋に詰め込みました。
 
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(ビフォア) 
 
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(アフター)
    
刈り取ったオオハンゴウソウの袋は、noi-kyoto 会員や地元の方の車が回収してくれるので、道路まで運びました。
 
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昼食をとり、午後からは通常の活動である、植物観察会です。
 
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参加者の皆さんは、観察会に参加したことのある方が多いようで、楽しみにされていたようです。
 
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noi-Kyotoのスタッフである、自然観察指導員の皆さんについて歩く道すがら、どんどん植物を見つけて説明を聞いて観察。
 
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コケや植物の花、葉など、豊富な種類が見られ、楽しく山道を歩いているうち、歩数は一万歩を超えていました。
 
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観察会終了後、全員集合し、終わりの挨拶です。

「今日、オオハンゴンソウの駆除作業をした河原には、かつては秋の七草があったのではないか?と、地元の方のの¥お話をしました。

オオハンゴンソウをなくし、もとの秋の七草(現在ではききょう、おみなえし、ふじばかま、なでしこは絶滅しつつあります)が茂れば美しいだろうな。そんな夢を持って駆除作業を行いたいと思っています。

来年も再来年も、駆除作業を続けていくので、お友達も誘ってボランティアにご参加ください。」

今回の駆除ボランティアには、自然を歩くのが大好きな皆さんが集まっていることが、とてもよくわかりました。とてもやっかいな外来植物の駆除活動ですが、広報活動と同時に続けていくと、もっと認知され、多くの人に広がっていくと信じたいです。

特定非営利活動法人 自然観察指導員京都連絡会の皆さんが、これからも長く活動を続けて、花背の美しい自然を大切にしつつオオハンゴンソウの駆除に成果を上げてくださることを願っています。

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