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滋賀県の河川・湖沼等の環境保全を目的とした最新科学技術の活用と地域環境問題解決 /未来生物学研究所(学生団体)

事業の概要

未来生物学研究所は2018年に大学で学んできた知識と技術を地域の人々に伝え、使ってもらおうと、若手研究者の団体として発足しました。環境DNAという、生物を捕獲せずに土や水からDNAから生息情報を得るため、生物個体を傷つけません。滋賀県内(主に長浜市と彦根市)で活動しています。具体的には、滋賀県ゆかりの生物の生息状況および生息環境などの自然環境調査、最新科学技術を用いた生態調査やそれにまつわる研究会や観察会、シンポジウム、啓発活動などの開催、小学校などへの出前授業、淡水魚水槽展、生息情報の整理などを行う予定です。

未来生物学研究所 水槽の管理作業中

2022年7月22日金曜日、夕方6時にJR長浜駅前にある、えきまちテラス長浜の1階に行きました。ここには、NPO法人近江淡水生物研究所が管理している「小さなびわ湖水族館」があり、今日は未来生物学研究所と協力して、定期的に水槽掃除を行う日なのです。
 
未来生物学研究所 近江淡水生物研究所が管理している「小さなびわ湖水族館」 
  
無料開放されている「オサカナラボ 小さなびわ湖博物館」には、琵琶湖や県内の川にいる淡水魚を主に展示してあります。私が行った夕方の6時前には、他のお店は閉まっているにもかかわらず、親子連れ、カップルが途切れることなく訪れていました。
 
未来生物学研究所 小さなびわ湖水族館の水槽展示 
 
未来生物学研究所 小さなびわ湖水族館の水槽展示 ヌマムツ 
  
海の魚でも熱帯魚でもない、淡水魚だけの水族館です。こんな展示は、琵琶湖博物館にでも行かなければ、あまり見かけないのではないでしょうか。しかし、湖北にいるとなかなか遠くて博物館には行けない。そこで、小さいながらも身近な生き物に興味を持っていただきたく、無料開放されています。
 
未来生物学研究所 小さなびわ湖水族館の水槽展示 カネヒラ 
 
未来生物学研究所 小さなびわ湖水族館の水槽展示 イワトコナマズ 
 
カネヒラ、カワムツ、イワトコナマズ……。
 
琵琶湖固有種も、教育目的で飼育許可を申請して外来種のブラックバスやブルーギルの水槽もありました。
 
未来生物学研究所 小さなびわ湖水族館の水槽展示 水槽管理作業を行うメンバー 
 
そのうち、水槽の掃除をする人が増えていきました。NPO法人近江淡水生物研究所のメンバーの皆さんが、仕事が終わるとここに寄って水槽の掃除をされているのだそうです。
 
未来生物学研究所 近江淡水生物研究所の代表理事の向田さん 
 
こちらはNPO法人近江淡水生物研究所の代表理事の向田さんです。
この水族館の管理業務を委託されているだけでなく、同じく1階広場を使って生き物について学ぶフォーラムの開催や学習会、出張など、琵琶湖や淡水の魚や生き物に関する知識や体験を広める活動も行っているそうです。
 
未来生物学研究所 所長の原口さん 
 
そこへ、未来生物学研究所の所長、原口さんが長浜バイオ大学から駆け付けました。夏原グラントで助成を受けているのは、未来生物学研究所の活動「滋賀県の河川・湖沼等の環境保全を目的とした最新科学技術の活用と地域環境問題解決」です。
 
原口さんは、長浜バイオ大学の院生として大学で研究をしています。
 
「もともと、長浜バイオ大学は長浜市の皆さんから支援を受けて設立したという経緯があります。そこで、今度は私たちから大学で学んだことを街の方々に何か還元できないかということで、学生有志が集まり2019年に未来生物学研究所を立ち上げました。」と原口さん。
 
未来生物学研究所 餌やりする原口さん  
未来生物学研究所 水槽の水を替える原口さん  
未来生物学研究所は、2020年度、2021年度と2年間夏原グラントファーストステップ助成を受け、今年度(2022年度)からは夏原グラント一般助成を受けています。
 
地元の団体や学校、企業などと連携して、様々な研究や調査、協力を行っている中に、NPO法人近江淡水生物研究所が管理している「小さなびわ湖水族館」の水槽展示やセミナー開催なども含まれているのです。
 
「学部生の頃から、長浜バイオ大学版サイエンスカフェを開催・運営していました。そこで、子ども対象の『科学者体験』という催しをやったら、大好評でした。こういうことがきっかけで、将来を担う子どもたちにとって、科学や研究が身近なものとなればうれしい、そして科学に興味を持ってくれる人が一人でも多くなればいいなと思っています。また、学生団体として、地域の子どもの手助けできないかな、と思っていると、河瀬高校の科学部から『犬上川の魚の遺伝子を調べてほしい』という依頼がありました。それは、私たちが大学で学んだ技術で解析できるのではと思い協力させていただきました。実際には上手くいかないこともあり、試行錯誤しましたが良い経験をなりました。そして高校生たちと実際に川に入っての川の調査を行うのは、とても楽しいものでした。子供の頃以来のガサガサ(網でガサガサと川底をすくって生物をつかまえること)とかですね。未来生物学研究所では、せっかく滋賀には琵琶湖もあり、自然も豊かなので、こういった身近な生態の調査もやっていこう!ということになりました。
 
8月には『米川まつり』という、顕微鏡をのぞいてプランクトンを観察するなど、いろんな科学の体験をしてもらうイベントを開催しました。その時、子どもたちと一緒に米川の生き物調査も行いました。日中はとでも暑かったですが、多くの親子連れが訪れ、好評でした。米川は長浜の市街地を通り琵琶湖に注いでいる川なのですが、上流、中流、下流では水質も変わってきます。近くの川にどんな生き物がいるかを調べるために、ガサガサだけでなく泥や水からも環境DNA調査などでどんな生き物が住んでいるのかを調べます。
今や大人でも川に入ったことない人のほうが多いみたいです。だから、子どもたちに自然に触れてもらう触れてもらうために河川の生態調査をする、とはいうものの、実際にやってみると、付き添いの保護者のほうが装備を新しくして夢中になることが多いです。だから実は大人のためのイベントでもあるんですよ(笑)。そこから少しでも環境保全に関心を持っていただけたらと思います。」
 
原口さんのお話を聞いていると、大学だけで学ぶのではなく、社会に飛び出して行って地域の人と共に学ぶ活動の魅力が伝わってきました。
 
未来生物学研究所 水槽展示 
 
そんな未来生物学研究所の活動のため、夏原グラントの助成金は、水槽展示管理費のほか、出前講座、メンバー交通費、科学者体験で使う網やバケツ、顕微鏡などに使われているそうです。
 
原口さんは「大学の博士課程を卒業しても研究職などで大学、お世話になった長浜にもっと還元したいです。それと、ここ数年、コロナの影響で未来生物学研究所の勧誘のために人を集められなくて、新メンバーが入っていないんです。早く新入生歓迎会をしたいと思っています。」と意欲的でした。
 
未来生物学研究所の皆さん、これからも科学体験を通じて、多くの子どもたちに科学を身近に、また地元の生き物をもっと多くの人に身近に感じてもらえる活動を期待しています。
 
未来生物学研究所 イベントのチラシ 
 
「小さなびわ湖水族館」に置いてある、生き物などのイベントやフォーラムのチラシです。
多様な催しを企画されています。今後の情報は、こちらをクリックして確認して、ぜひ参加してください。
  
▼HP NPO法人近江淡水生物研究所

▼Facebook NPO法人近江淡水生物研究所

▼Twitter 未来生物学研究所 @miraiseibutu


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