トップページ > 助成の実績 > 「伊吹の薬草」を未来につなぐ ~仕組みづくりの挑戦~

「伊吹の薬草」を未来につなぐ ~仕組みづくりの挑戦~ /伊吹くらしのやくそう倶楽部

事業の概要

滋賀県の伊吹山のふもと米原市の耕作放棄地を開墾、ハーブなどを栽培する畑としています。ハーブや昔ながらの薬草などの勉強会、ワークショップを棚田整備作業とともに毎月開催し、またハーブに加えて薬草を栽培し、クラフトジンやクラフトコーラの材料として、薬草カフェのメニューにもしたいと考えています。グリーンツーリズムの実験も行う予定です。

6月24日米原市小泉にある、伊吹くらしのやくそう倶楽部(以下、やくそう倶楽部)の棚田ボランティアの活動にお邪魔しました。この日は午後から梅仕事の活動もありました。

朝10時にボランティアの方と顔合わせ、それぞれ自己紹介をすると、遠い名古屋や愛知県、大津の方など遠くから来られていました。


 

本日の作業は棚田を囲うように張っているネットに張り付いている五葉アケビなどの草取りです。ネットの両面に草が生い茂り、それでネットが支えられているような風景に見えます。棚田は16反ありますが、一時豚コレラで猪は減っていましたが最近また増えてきて、猪と鹿との獣害対策が大変だということでした。

山の傾斜にネットが張り廻られており、そのネットの周りを順次草をカマで刈り取ります。弦が巻き込んでいるので、全部両面からとるのは結構難しく、そういう場合は根っこだけ切ってくださいと言われました。

 

   
 

この棚田ではお米や大豆、マコモダケをつくっています。伊吹そばはGI認証をとられたけれど種が足りなくてまだできてないそうです。

 
 

棚田ボランティアは滋賀県の棚田ボランティア登録制度「たな友」で募集をされています。

「たな友」は棚田の農作業をお手伝いするサポーターで、県内各地の棚田で行われる農作業やイベント等の情報を、「たな友」に登録していただいた方に定期的にお届けする制度で、今日のボランティアの方も「たな友」から知って参加されていました。

  
 

やくそう俱楽部のボランティアはリピーターさんが多く、長年、毎月のように来られているそうです。また、月1回以外にも参加される方もあり、ありがたい存在だと言われてました。毎回の参加は5人~12,3人で4月の湧水水路掃除は人気があり、たくさんの参加で、米原市内とともに県外の方も多かったそうです。

 
 

代表の嶋野さんは2010年にこの小泉に移住され、伊吹の地が千年の歴史を持つ薬草の郷と聞き、伊吹山の薬草がブランドとして、また耕作放棄された棚田の再生も目指して活動を始められました。

現在、この小泉地区は農業をしている人はいなくて、移住した嶋野さんご夫婦だけが農業をしているという地域になり、近所からは”珍しい人たち”と思われていると言われてました。

草刈りや獣害対策、ネットの補修などの活動があるそうですが、この活動をはじめる前には、棚田には大型ごみが多数捨てられていて、そのごみ処理が大変だったそうです。

 

今回の助成では、薬草のためのものを購入される予定で、今後ハーブティーや入浴剤などの開発を予定されています。現在もマコモダケはお茶にしたり、玄米麺をつくるなど商品化も進んでいます。それはふるさと納税の返礼品にも採用されているそうです。

お昼に玄米麵を使った冷麺をいただきましたが、コシのあるおいしい麵でした。

 
 

午後からは、梅仕事として、梅シロップや梅干しづくりの体験が行われました。

棚田に梅の木が何本かあり、その梅の実をとって作りますが、この日は梅が熟するのが少し遅く、ほとんど青く、事前に取っておられて追熟した梅で体験をされました。

洗ってひとつずつ拭いて、梅干し用と梅シロップように分けて漬けます。初めてする方や、昨年に続いて作られる方など、容器も持ってきて楽しまれてました。

月1回の棚田の作業だけでなく、オプションも準備されているので、ボランティアの方は参加することが楽しいと言われていました。

 

  


 
庭では、いろいろなハーブの苗がたくさんあり、マルシェで販売したり栽培するために植えるそうです。棚田の整備も薬草栽培もまだまだですが、多くのボランティアに参加してもらいながら活動を進められています。

 


この棚田が癒しの場として今後も活用できますよう願っています。

 

 

*GI認証(GI:Geographical  Indication)

農林水産物・食品等の産品の名称(地理的表示)で、その名称から当該産品を特定でき、産品の品質や社会的評価等の確立した特性が当該産地と結びついているということを特定できる名称の表示をいう。知的財産として保護し、もって、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的としています。

1 Comments on “「伊吹の薬草」を未来につなぐ ~仕組みづくりの挑戦~

  1. 手原繁吉

    お元気そうで 集中力 継続 尊敬します 本当はぼくも不具合な身体でなければさんかしたい

    返信

コメントを残す




このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ページトップに戻る