東近江里山保育推進と里山観察学習事業 /東近江さとやまNannies(ナニーズ)
事業の概要
幼児期から自然を愛する心を育てる環境教育「里山保育」を実施し、その指導者「さとやまNanny(ナニー)」を、独自に開発したプログラムにより滋賀県東近江市内外に育てて増やす事業です。
2023年10月29日、東近江で里山保育事業をしている東近江さとやまNannies(ナニーズ)の「秋の野山で自然を丸かじり」の活動へ訪問してきました。
この活動は東近江さとやまNanniesの一般向けイベントとして、多くの子どもたちに自然体験の機会をつくりたいと開催されたものです。
ちょうど行ったときはスタッフ会議の最中でしたが、次々と親子が受付へ来ていました。
この日は子どもが32名、大人が27名、スタッフが15名という大人数のイベントでした。
永源寺緑の少年団とのコラボだったので、3歳から小学年生という幅広い年齢です。
トンボ組とチョウチョ組に分かれて活動をするので、リーダーが年齢ごとに別れて人数を数えても、お母さんの所に行ったり、友達と遊んだりで定まらず何回も数えてました。
受付でライフジャケットをもらい、着方を教えてもらって、竿を持ってため池へ行きます。ため池に着くとミミズをもらって針につけ池に投げ入れます。が、3歳は竿を持っているのも重そうです。
子どもたちは魚釣りがとても好きで、なかなか釣れなくても何度もミミズを付け替えてました。お父さんやお母さんもいつの間にか必死でミミズを掴んでいて、驚きです。
お昼ご飯はかまどで炊いたむかごご飯と釣った魚の唐揚げ、地元野菜の豚汁という食事でした。子どもたちは初めて食べるむかごご飯を「おいしい、おいしい」と言ってお替わりしてました。
午後からは、里山探検で山歩きです。探検カードを持って、生き物、植物を探して見つけたらシールを貼ります。カマキリを見つけて持って帰りたいと言っていた男の子は、生きものはこの山において返してあげようね、と言われて大泣きでした。
山で取ってきたウラジロの葉をちぎり、二股のところだけにしてまん中を推すと、ピョーンと飛ぶ遊びを教えてもらい、あちこちの地面の上で遊んでました。
里山歩きの後、どんぐりを炒ってもらいそれをみんなで食べます。どんぐりは1本の木に3000個から4000個できるが、鳥が食べたりリスなどの動物が食べるので、全部が木になるわけではないというお話も聞きつつ、マテバシイのドングリを食べました。
参加された保護者は、保育園からもらったチラシで参加され、釣りが好きだったからという声や、生きものが好きで魚釣りがしたいと参加しましたと言われてました。
今日のイベントも参加が多く、お断りをしないといけないほどニーズが多かったようです。
代表のモリコーニさんは、今の子どもは外遊びをする機会が少なく、自然に触れ合う体験を作ってあげたいとの思いで始め、「自然を愛する心を育てたい」という思いのママたちが共感して仲間になっています。
そのためには体験の指導ができる大人の組織を目指して、様々な研修を考え、終了後認定講師として登録できる仕組みで、市内の幼稚園や保育園への講師派遣を行っています。
この活動は、行政では担当が3年で替わってしまうので続いてできないという思いの職員との出会いが大きかったようです。
研修の内容も、植物や生きもの学びとともに、里山保全とは何か、保全の仕方、植生による違いなど、多岐に渡っています。ただこの研修会は平日なので、興味ある保育士さんたちむけに動画などでの教材作りも行いました。
現在、市内の認定こども園の保育士さんにモニターとなっていただく研修などを準備しています。
今回、この場所は、永源寺緑の少年団とのコラボの関係で借りられ、これまで東近江さとやまNanniesは小さな子どもだけに対象でしたので、小学生へも広げるためにも臨機応変な対応が可能になったと、緑の少年団の団長の堤さんが言われてました。
今、東近江さとやまNanniesのメンバーは16人で、今後河辺の森での研修や大津で森の幼稚園の活動をしている、えくぼ保育園の視察に行き、11月26日には守山市の地球市民の森で保育士向けの研修も行う予定です。
東近江市は、もっと実施園を増やしてほしいと思っているので、引き続きこの活動を広げていく予定です。
下見や準備など大変な活動ですが、可愛い子どもたちに囲まれ楽しい活動になっていて、この子どもたちが大きくなった時の姿を見てみたいものです。