東近江トレイルコース にぎわい里山づくり /東近江トレイル実行委員会
事業の概要
滋賀県東近江市北西部の300~400メートル級の山々のトレイルコースの剪定や整備活動を行います。ほぼ毎月の里山整備、またトレイルツアーの実施や情報発信なども行います。
2024年7月20日、東近江トレイル実行委員会が取り組む「東近江トレイルコース 賑わいの里山づくり」事業で、里山整備作業をされるとのこと、現地に伺いました。東近江トレイル実行委員会は、里山整備3団体(きぬがさ山里山に親しむ会、山貴会、趣邑)と健康俱楽部ごかしょう、五個荘地区まちづくり協議会の5団体で構成されています。今日の整備作業は、きぬがさ山里山に親しむ会のメンバーが集まっています。
東近江トレイルは、東近江市内北西部を縦断する300~400メートル級の山々(猪子山、繖山、箕作山から太郎坊まで)を山歩きできるトレッキングコースです。夏原グラントでは、トレイルコース選定や整備活動、健康づくりや観光に役立てて地域の魅力を発信していきます。
今回の整備作業は、繖山のコースの草刈りです。繖山には山歩きができるコースがいろいろあります。
並行して走っているルートをつなぐように複数のルートがあるので、体力や時間に合わせて組み合わせるることができます。訪れた人にとって、どう組み合わていこうかと選べることは楽しみなところです。ただ、どのルートもきちんと整備しなくてはなりませんから、作業は大変です。
夏原グラントの助成金で、草刈り機を購入しましたとのこと。古くなってくると作業効率が悪くなるので、とてもありがたいですとのことでした。毎回使う必需品です。
小さくて見えにくいですが、メインパイプの真ん中あたりにシールを貼ってくださっています。ありがとうございます!
みなさん、草刈り機を準備して、作業開始です。
今日の作業は前回の作業の続きで、地獄越といわれる能登川・五個荘両地区を横断する登山道の峠まで行き、雨宮龍神社をめざすそうです。ルート1のコースを登っていきます。ここは先日作業を終えたところだそうで、きれいに整備されている様子がよくわかります。
そして突然、「あっ、今日の作業はここからだ」ということが、一目瞭然ではっきりとわかるところへ来ました。ここからみなさん、草刈り機のエンジンをかけ、登りながら草を刈っていきます。
「この時期、この間刈ったと思ったのに、あっという間に伸びているからねえ」とのこと。この作業がないと訪れる人たちは登って行けないのですから、確かに終わりはありませんが、大事な作業です。それを担ってくださる方がいらっしゃることが、素晴らしいことだと思いました。
金属性の熊手で、刈り取った雑草・雑木などを払いのけていきます。
縦列で登りながらの作業は、最初の人がすべてを刈ってしまうのではなく、後ろの人にもそれぞれの役目があります。
そうこうしているうちに、草刈り機を止めて何かしている方を発見。草刈り機の刃の下に、何かを取り付けているようです。近づいてみました。
草刈り機用ナイロンカッターにナイロンコードを装着しているところでした。ナイロンカッターにナイロンコードを差し込みます。
回転させて、ナイロンコードをカッターの中に巻き込んでいきます。
そして装着。作業の時の位置だと、刃の下にナイロンカッターがついていることになります。
これは、細長いナイロン製のコードを高速で回転させてムチのように草に叩きつけ粉砕しながら刈っていきます。地面スレスレのところまで刈れ、仕上がりがきれいなのだそうです。
確かに、草刈り機が地面スレスレのところまで近づいています。
ただ、このナイロンカッターは「叩き切る」ため、小石や小枝の飛び散りが大きく危険もあるそうです。そう聞いて見ていると、ナイロンカッターを使っている方は、みなフェイスガードをつけておられました。
この案内板も、きぬがさ山里山に親しむ会で設置されたものです。雨風に打たれ、日を浴びて、劣化していきます。この看板は根元のところが朽ちてきています。「もう、これも取り替えないといかんなあ」とのことでした。
ここが登山道の峠です。ルートが何本か集まっているところなので、四方から通ってくる風が感じられ、とても心地よい場所でした。各々、腰を下ろしたり、水分を補給したりと、体力回復です。休憩後は、雨宮龍神社へのコースを登って作業をする予定とのことです。
今日は、ここまでで取材を終わらせていただきました。
登山道の整備には終わりがありません。一度草刈りをしたと思っても、あっという間に草が伸びてきます。そこを何度も何度も繰り返して整備を続けておられる姿に、頭が下がります。「なかなか作業を一緒にしてくれる仲間は見つからないですよ。でも、最近若手のホープが入ってくれて、みんな期待しています」とのことでした。
夏原グラントでは、東近江トレイル実行委員会主催のシンポジウムを予定されています。このトレイルを知ってもらい多くの方に訪れてほしいという思いと、知ってもらい一人でも多くの仲間を増やしたいとの願いを込めて、何年か続けて開催していきたいとのことでした。
どのようなきっかけでこの東近江トレイルのことを知り、訪れ、作業にも参加するようになるのか・・・。それは未知数ですが、いろいろなきっかけがあれば思いが届くチャンスが増えます。日常的な整備作業に加え、このような多様なきっかけづくりに積極的に取り組んでいくことは、実行委員会がしっかりとしているからこそだなあと感じました。
東近江トレイルの▼HPサイト
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■東近江トレイルシンポジウム開催
開催日時:2024年10月20日(日)13:30~15:30 (開場13:00)
開催地:五個荘コミュニティセンター 大ホール(滋賀県東近江市五個荘小幡町318)
対 象:どなたでもご参加いただけます。
定 員:先着400名(事前申込み不要)
主 催:東近江トレイル実行委員会
プログラム:13:30~13:35 開会のあいさつ
徳田 幸夫(東近江トレイル実行委員会 会長)
【第1部】
13:35~14:35 基調講演 石井 元樹氏(日本気象協会 気象予報士)
「天気を知って山歩きをもっと楽しもう。予報士目線で探した空や自然の魅力」
プロフィール
「大阪府阪南市出身。中学校の教員経験を経て気象予報士資格を取得し、
日本気象協会関西支社に入社。現在は水曜日~金曜日のNHK大津放送局おうみ発、
土曜日はNHK大阪放送局ほっと関西サタデーに出演中。
【第2部】 シンポジウム
司会:溝江 麻衣子(東近江トレイル実行委員)
14:40~14:50 「東近江市エコツーリズムについて」ビデオ出演
山崎 亨氏(東近江市エコツーリズム推進協議会 会長)
(アジア猛禽類ネットワーク 会長)
14:50~15:00 「繖山・箕作山の低山の魅力と歴史・文化遺産」
深尾 健史氏(五個荘地区文化協会 会長)(東近江トレイル実行委員)
15:00~15:10 「マナスル遠征登頂を終えて」
佐々木 司氏(遊林会、鈴鹿10座エコツアーガイドクラブ)
15:10~15:20 「・・・・・・・・・・」
石原 真氏(雪野山クライミングクラブ 代表)
15:20~15:30 質疑応答
15:30~15:35 閉会のあいさつ
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