比良比叡山域における稀少植物の実態調査および維持保全活動事業 /比良比叡トレイル協議会
事業の概要
滋賀県大津市の比良比叡山のトレイルコース周辺の希少植物の調査と自然観察会を通して、希少植物の保全に努めます。登山道整備を通じてトレイルコースの安全を守り、一般ハイカーにも植物保全の意識を共有します。
2024年7月15日、比良比叡トレイル協議会のトレイル道の整備活動を取材しました。びわ湖バレイの駐車場に集合します。会員12名に加え、平和堂財団の西塚事務局長も同行されました。事務局長の山本さんから、あいにくの雨模様の天気のため、当初の2ルートでの整備、植生調査の予定を変更して実施するとの連絡がありました。
全員でロープウェイに乗ることになりました。山麓駅でロープウェイを待ちます。
今回は、キタダカ道という登山道の打見山山頂出発でクロトノハゲへ向かい打見山山頂へ戻ってくるコースです。
山頂駅からルートへ移動します。
まず最初に、電動チェーンソーの取り扱い講習です。夏原グラント助成金で買われた電動チェーンソーはコンパクトで刃渡10cmで直径20cmの木の切断ができるそうです。講師は会員の藤堂さん。軽いので片手で操作できますが、左手を添えて作業する方が安全とのことです。倒木を使っての講習です。藤堂さんは「エンジンのチェーンソーと比べて扱いやすいのがいい」とのこと。
講習が終わって、2組に分かれます。この場所に残っての草刈り作業をする組とキタダカ道を降りてクロノトハゲまでを往復する組に分かれました。
草刈り作業は、草刈機、かまなどを使って丁寧に行われました。山麓は雨だったのですが、山頂は雲から抜け出て天気も安定していて涼しく、作業も順調に進みます。
キタダカ道の登行は、翌週に兵庫県立鳴尾高校のガイドをされることになっていて、トレイル道の確認や休憩ポイントの確認とともに、倒木や草の除去を行います。
ここでアクシデント。筆者のトレッキングシューズの底が剥がれてしまいました。メンバーの方が気づいてくれて、テーピングテープで応急処置をしていただきました。ガイドをしていると、こういうことがあるそうで、いつも持ち歩いているとのこと。その後もケガをされた方がいて、傷テープや消毒液もお持ちだったので、さすがだと思わされました。
キタダカ道の途中で、道がえぐられているところがありました。こういうところを確認して、自然工法で修復作業をされるそうです。
山頂駅に帰ってきたのがお昼過ぎ。個々にお弁当を食べて、ロープウェイで下山して本日の予定が終了しました。
比良比叡トレイルコースは地図で確認するととても壮大です。協議会では、トレイル道の整備とあわせて、稀少植物の分布調査もされています。こうした活動はメンバーの熱意と地道な努力によって支えられいると実感しました。