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里山保全と利用しやすい里山づくり /SYK重利夢工房

事業の概要

京都府亀岡市重利地域の住宅に隣接する山林を整備し、安全な里山として自然環境を守ります。またチェーンソー講習会を行ってツリーハウスをつくり、子育てグループと山遊び教室などを開催し、SNSで情報発信してファンを増やします。

2024年9月22日、SYK重利夢工房の里山整備活動を訪問しました。


活動場所である亀岡市重利地域の山は京都縦貫道亀岡インターから車で10分の場所に位置し、里山のすぐそばには住宅街があります。
雨予報となっていましたが集合9時時点では曇り、8人のメンバーが重利の山に集まりました。


里山活動として、月に一度のペースで放置された人工林の倒木や落石等の被害を防ぐために山に入りチェーンソーを使って間伐し、地域住民が安心して生活できるように整備されています。


代表の宇川さんは近隣の先端科学大学在学中に重利の整備活動のボランティアに5年前から参加し、卒業した後も就職し暮らしは変わりましたが他府県から大学時代の友人と共に活動を継続しています。
活動メンバーは近隣メンバーや県外からやってくる宇川さんと同大学卒業生が中心です。


重利には今まで里山を整備し間伐材を有効利用した山小屋や展望台などがあります。
この日は、昨年より新たな場所で取り組んでいるツリーハウスづくりの続きとなります。


作業の確認をして機材を準備します。
小屋の下が道具入れの倉庫になっています。


作業場所のツリーハウスは山の上にあります。


歩きやすいように遊歩道として整備されています。
整備される前はけもの道で鹿がビュンビュン走っていたそうです。


倒木や落石等の被害を防ぐため、急な斜面は伐採した間伐材を使って階段として整備されています。


切り開かれた場所では、地域で森のコンサート会場としても利用されています。


作業の場所を上と下からで確認します。


過去に築造されたツリーハウスは、木につないで括りつけているものです。今回は立ち木を利用した完全なるツリーハウスづくりに挑戦されており、完成後は宿泊もできるようになるそうです。
この日は、ツリーハウスの下の部分でテーブルやガスコンロが使えるように足元の整備をされました。


みんなで相談しながら、不要な木の根をスコップで掘り起こしていきます。
この後、チェーンブロックを使い木を引っ張る作業を行いました。
雨が降り始める、11時まで作業が続きました。


今年度のもう一つのチャレンジとして、自然災害時にも使える簡易トイレの制作を開始されています。
6月に土台、7月に外壁の組み立と3日間の作業でトイレの小屋を完成されたそうです。
これまでは作業場にトイレがなく、近隣宅のトイレをお借りしたり、山の奥に穴を掘り腐葉土を置いてトイレ場所とされてきたそうですが、場所が遠くて活用できなかったそうです。
活動時に気兼ねなく利用できるトイレを設置したいと考え、環境に負荷がかからないバイオトイレについて調べたところ、合同会社NITOCRAFT(Ecoばかクリエイション)より販売されているコンポストトイレRELIFEにたどりついたそうです。RELIFEは大小分離・手動攪拌式のコンポストトイレです。電機は全く使用しません。完成品としても販売されていますが、もちろんSYK重利夢工房のメンバーで自作、工賃は0円です。


箱の中にプラスチック製の攪拌コンポスト、10Lの尿ポリタンクが収められています。


木製の便座、小便受けを尿ポリタンクに設置します。


大小セパレーターを設置します。


中身を設置したら、金具を留めて完成です。
これまでのバイオトイレは高額で購入することができなかったそうですが、このコンポストトイレRELIFEは工事不要で置くだけですぐにトイレとして使えるそうです。今後普及していくだろうとお話しされていました。


作業後の交流会のためにアユ釣り名人のメンバーがこだわりラオス備長炭で天然アユを焼いています。


手作りの窯でアユを焼く予定でしたが、9月でも暑すぎて使えませんでした。冬に予定しているチェーンソーアート講習会の親睦会では窯を使いピザを焼くことになっているそうです。


天然アユ焼きや五平餅などおいしいものを食べているときは年齢差を感じることなく交流が深まります。
代表の宇川さんは大学時代に学校以外の居場所として重利の活動に行くのが楽しみで、地域の方とのつながりなど自分にとっても大事な居場所となっていたそうです。卒業後は県外からの参加になりますが、重利の里山を守り、里山づくりを続けることで近隣の子どもや若者の学びの場となるようにそして放置林整備のモデルとなるように美しい里山づくりを仲間とともに活動を続けていきたいと話されていました。
里山の環境整備のためにチェーンソーの技術を学び、自然と向き合い安全に楽しく暮らすために何をすべきなのかと考えながら取り組む皆さんを見て、学びの多い活動であると感じました。これからの活動の続きがとても楽しみです。

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