森のがっこう2021・2022・2023 /一般社団法人 森のようちえん どろんこ園
事業の概要
京都市左京区の公園で開催してきた、森のようちえん どろんこ園で、自然と親しみ興味関心が生まれるのですがが、卒園後小中学生が定期的に自然活動を楽しむ機会がなくなります。そこで継続的に仲間とともに環境教育を受けられる場として「森のがっこう」を始動します。月に一回程度、DAYキャンプ、焚火料理、登山などを行います。助成期間にスタッフも研修を受けることで技術を学びます。
2021年8月4日、一般社団法人 森のようちえん どろんこ園(以下、どろんこ園)の皆さんを尋ねて、滋賀県近江八幡市の宮ヶ浜水泳場に行きました。夏原グラント助成事業の「森のがっこう2021」は京都市内で毎月違うテーマで開催していますが、8月は琵琶湖キャンプなのです。小学生の子どもたちと、どろんこ園のスタッフの皆さんは、電車とバスを乗り継いで京都からやって来ました。
キャンプのスケジュールは、午前~午後 水遊び、その後すぐ裏手にあるキャンプ場に移動し、夕食はバーベキュー、レクレーションで楽しんで、テントで宿泊。翌朝は朝食後帰る、一泊二日です。
真夏のよく晴れた日で、琵琶湖も美しく、延々と子どもたちは水遊びをしていました。
そんな子どもたちの姿を眺めながら、どろんこ園代表の石川 麻衣子さんに浜辺でお話を伺いました。
「子どもたちが、琵琶湖に行きたい!と言ったので、琵琶湖でキャンプをすることになりました。この宮ヶ浜水泳場は、常設テントも使えるので装備を持って来なくてよいので、電車とバスを乗り継いで来られて、それがよくて選びました。朝、京都駅に集合し、自分で切符を買って、自分で昼食を考え、選んで買って、という体験も大切にしています。子どもたちはマイカー移動が多く、また、イコカなどのカードを使う子もいて、電車の切符を買う体験が初めてだったりするんですよ。
自主性を重んじているので、今回のキャンプに持ってくる荷物も、こちらから指示していません。子ども自身で何がいるかを考えて持って来ました。」
こういうキャンプの場合、私たちの子ども時代を思い出すと、先生から「しおり」が配られていました。持ち物チェック表がついていませんでしたか?
大人数を少しの大人で引率する場合には、忘れ物がないようにすることが大事ですが、少人数なら、忘れ物をしてもフォローできるので、自分で考えて失敗しても、よい経験にできますね。
森のようちえんとして、どろんこ園では未就学児を対象として、公園の自然の中で一日過ごすクラスを実施してきました。以前は、そのクラスの活動「森のようちえん おやこの会」で夏原グラントの助成を3年間受けています。▼活動レポートはこちら
「森のがっこう2021」では、その森のようちえんを卒園した小学生を中心としています。現在小学1年生から6年生までの14名が登録しているそうです。
「プレ活動を行ってみてから、今年が本格的スタートとなりました。やってみると、子どもたちが喜んでくれています。次に何をするか、自分たちで考えています。
学校とも家庭とも違う、信頼できる大人がいる場所です。そういう場が合っている子がいます。また、自然という環境では、助け合うのが当たり前。それぞれが得意な分野で助け合っています。」と、石川さん。
そのうち、水遊びに飽きた子が着替えて木登りをしたり、空のペットボトルでサッカーのようなことを始めたりしました。その自由さに、なんでも遊びになるもんだ、と感心してしまいます。
水遊びが終わってシャワーを浴び、着替えたらキャンプ場に移動です。
受付を済ませ、備品倉庫まで台車を押してきて、テントごとに班に分かれ、台車に夕食を作るための道具と毛布を載せました。坂道を押してテントサイトまで登っていきます。たいへんそう!
途中で道を間違えたものの、無事到着しました。
今度はテントまで調理道具とテントを運び上げなければ。
テントに落ち着いたら、夕食の準備を始めるまで、少し休憩時間となりました。テントに入って話している班もあれば、「暑い!」と飛び出して木陰に走る班もあります。
これから夜に向けて子どもたちがワクワクしているところで、私はお暇(いとま)することにしました。
自然の中で子どもたちが自分で考え、行動できるということは、そのぶん大人が危険のないよう、目配りの必要性が高まる、ということです。それを理解したうえで、どろんこ園の皆さんは環境を整え運営されているのがわかりました。
どろんこ園の皆さんが、これからも、「森のがっこう2021」を子どもたちの居場所(サードプレイス)として続けてくださることを期待しています。